見出し画像

職人になってみたい

 タイトルにある「職人」というのは言い過ぎだけど、今日改めて思ったことがある。それは「何かを直せる人(治せる人)、すなわち何かを作れる人ってカッコいい!」ということだ。今日1人で釣具屋さんに行った。日本にいた時にも釣具屋に行ったことはあったけど、そこで買ったのは初心者向けの高くはない万能釣り竿だ。しかもそれも自分のものではなく、友人や家族との共用のものだったので、その釣竿に対して、何というか「愛着」のようなものを感じたことはなかった。
 南アフリカに来てからというもの、これといって興味を持てる観光地もなく、かと言って車も修理中で別の国行けないので、友人の釣竿を借りて一緒に釣りばかりしていた。しかし先日、友人の釣竿を壊してしまい、またずっと借りっぱなし(借りっぱ←「〜しっぱなし」を「〜っぱ」と略して言うのは面白いなと今更ながらふと思った。脱ぎっぱのスリッパとか。)というのもなあと思ったので、いい機会だと思って買いに行ったのだ。
 そこで良い出会いがあった。いま滞在している宿から徒歩5分圏内のところにある釣具屋さんThe Fishing Holeの店主のおじいさんとの出会いだ。お店についてからすぐにそのお爺さんのところに歩いて行き、友人の釣竿を壊してしまったこと、自分のための、自分だけの釣竿が欲しいことを伝えた。するとまずおじいさんは友人の釣竿をすぐに直せるから持ってきなさいと言い、5分くらいであっと言う間に直してしまった。しかもその修理の様子を見せてくれた。壊れていたのは釣竿の先折れだったが、そこの先を研磨して綺麗にして、特殊な糸でそこを巻き直して補強し、1番先っぽの糸を通すとこの金具の部品(「トップガイド」というらしい)を新しいものに付け替えてくれた。そして赤色の特殊な粉状の糊をその金具の中に詰め込んで、それをライターで炙り、竿の先に嵌め込むとすぐに氷水で冷やして固めて修理完了だ。手際の言い作業だった。一瞬でファンになり、自分も「何かを直せる人(何かを作れる人)」になりたいなと改めて思った。
 その後は自分がどういうところで釣りをして、どんな釣竿が欲しいかを相談して、様々な釣竿の中からおすすめの釣竿を選んでくれて、一緒に悩んでくれた。そして最終的には万能かつ竿の耐久力が強く、かなり遠くまで投げれる赤色のポイントが入った(自分が赤色が好きなので割とそこが決め手だった笑)釣竿に決めた。1万円くらいと安くはなかったが、人生で初めて自分のために自分のお金で買うもので長く持つ良いものを買いたいと思っていたのでいい買い物をしたと思った。そして釣竿を買った後も釣りの仕方や仕掛けの作り方など、色んなことを教えてもらった。もはや師匠だった。分からないことがあったら、いつでも何でも聞きにきて良いよ、電話で聞いても良いよと言って電話番号まで渡してくれた。マイ竿で出来るのでこれからの釣りが100倍くらい楽しみになった。(明日はデカいの釣るぞ!)
 まあ話はもとい、職人というのはカッコいい。そして一から生み出すのは難しくとも、直せるだけの人間になりたいと思った。車を直せる人も、釣竿を直せる人も、何かを直せる人はカッコいい。自分も将来、誰かのために何かを直せるような人間になっていたいなと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?