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「長い道」

長い ながい道である
今の
ぼくにすれば
61分の1
50年前なら
11分の1 12分の1

1年は長い ながい

道を歩く
子どもらが
横一列になって
歩く
そこから 弾き出され
時に
除け者に なる

そんな自分にとって
歩く道は
ひたすら長く
ひたすら暗く
いつ終わるのか

11分の1 12分の1
長い ながい道
それを 歩くしかなかった

そんな自分があった

今も
そんな
長い道を
歩く人が
どこかにいる

長い道に
終わりはある
そんなことは
歩く人には
歩く子らには
わからない
それでも
歩いていれば
終わりはくる

11歳のあの日から50年
今は61歳
分母が増え
道はどんどん
短くなった

歩いていれば
歩き続けてこそ
道は
気づくと
そう長いものでもなかった

柏原兵三「長い道」を読み
そう感じた

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