見出し画像

■文学フリマ東京37 【詩】ブースを見てきた!

「文学」と「作家」への道(28)
「詩人の独り言」改

◇詩のブースで出会ったステキな方々

11日、山手線浜松町駅からモノレールに乗って、初めて「文学フリマ」を見に行った。
カルチャーセンターの現代詩実作講座で知り合ったMさん(43歳、会社員男性)が「僕も初めてなんですが、町谷さんも一緒に行きませんか」と誘ってくれたのだ。
Mさんは、僕が来月で通って3年になる詩講座で話をし、酒を飲んだりした唯一の詩友である。
彼は自宅に近いところでも同じ大先生が別の講座を持っていることから、そこに移っていたのだが、今は諸事情あって講座には行かなくなったという。
それでも、文学フリマに行き、何かと忙しい中、詩作を続ける意欲を持っている。いいセンスを持っており、僕には書けない現代詩の世界をずっとよく理解している人だ。

さて、モノレール「流通センター」駅を下車すぐの会場に入ると予想以上の人出だった。
展示会場は2つに分かれていたが、僕たちの目当ては詩、現代詩のブース。第一会場入ってすぐにそのブースが何十か並び、机ごとに1~2人程度が座って、自作詩その他を売っていた。
漫画、アニメの祭典・コミケに行ったことはないし、この手のものは大学の学園祭や息子が中学受験の際に都内の私立中学の文化祭、そして息子の高校の文化祭を見た雰囲気に近いと感じた。7年ぶりの経験だ。

映像でしか見たことのないコミケの賑わいに比べると、コスプレの人間はほぼ見当たらず、ずっとおとなしい印象。
会場に入ってすぐ、詩を中心とした出版社のブースがあり、その出版社のオンライン詩郷座に一度作品を提出し、講評してもらったことがあった。そのスタッフの人と話していたら、すぐに「町谷さんでしょ」と言われて、驚いた。一度だけしか接触のない人なのに、憶えてくれていて、うれしかった…。
その方に、「自費出版するといくらくらいかかるのか」…などと聞いたが、丁寧に教えてくれた。書籍コードを取り、詩評を書いたりする人に送ったり、国会図書館に送付などするくらいの本を作るとすると50万から60万円はかかる、と。ハードカバーだと100万円は超えると言われた。
予想の範囲だが、なかなかの出費である。今の僕には厳しい、と思った。ただ、私家版なら数万円もあれば詩集を作ることはいくらでも可能だし、公募賞にも応募はできるなどと教えてもらった。参考になった。

さらに進むと、以前、通ったカルチャーセンターで講師をされ、昨年の朔太郎賞を受けている川口晴美先生がおられた! 「先生、池袋の教室で3カ月ほど通いました。写真撮らせてください」と言ったら、快く応じてくれたのだ。ツーショットも撮ったが、ここでは公開しない。


朔太郎賞詩人の川口さん ぼくと同年齢

その後、いくつかのブースを回った。20代前半の学生から上でも30代といった感じ。女性が多く、それら出典者と会話しながら、気になった詩集を買ったり、無料のフライヤー(チラシ)などをもらいながら、詩のブースをだいたいチェックできた。他に短歌、俳句のブースもあったが、それはチラ見しただけ。

全体の中では、やはり小説――BL、ラノベ、ファンタジーなどのナンパ系がほとんどだが、それらの出展者はそうした雰囲気をまとっていて、興味も関心も薄い立場としては遠くから見だだけだった。

詩については、現代詩ど真ん中的なものから、いわゆるポエム風な作品までがそろい、かつその場に実作者がいるわけで、そういう人たちとリアルに交流できたのは良い刺激になった。
そして、詩の出展者・作者には若い、きれいな女性が多かった。他のジャンルと比べると、ずっと良かった!! これが一番の収穫(笑)。

◇一番良かったのは「新聞詩」

同行したMさんは、あらかじめ出展者やその作品を知っていたりして、「あれは良かった…」などと会話していて、へぇ~と思った次第。

僕は、先にオンラインで参加した詩講座の運営者の人と、川口さんを知っていただけで、個別の詩作者は誰一人いなかった。

その中で、一番興味を引いたのは、「日本新聞詩教会」を名乗り、自作詩集「新聞詩」を売っていた女性詩人、星圭さんだ。
「新聞詩」ってなんだ? 新聞社で長年働いた立場から、それに興味を引いた。


一番共感した詩集であり、詩人


星さんに聞くと、彼女は大手新聞社の整理を担当(紙面のレイアウト)していたという。詩集「新聞詩」もその経験を踏まえた内容で、僕としては大いに共感を持った。
新聞の編集を知っている人間なら分かる内容なのである。
パティシエをしているという妹さんがイラストを描いていて、姉妹による共同作品である。
星さんは写真は撮らせてくれたが、詩作は会社の中でも言っておらず、当然顔出しはなし。詩の内容も、同業の人でもある、ということで大いに親近感を持ったのだった。

買った詩集、もらったチラシ類はまだ目を通し切れていないが、文学フリマは大きな刺激になった。来年以降、自分も出てみたい…と思った。
こういう機会を作ってくれた詩友、Mさんに改めて感謝である。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?