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「これがぼくの詩」

詩人宣言LII

心に浮かぶこと
瞬時に――
瞬時にというのは 目を閉じ開く そのほんの短い あっという間のこと 目が瞬くほどの間
一瞬に浮かぶことを
書き記すには 一瞬の何十何百何千倍もの時が必要なのだが ぼくの心に浮かびくることは「一瞬」でしかない
その心に浮かぶことを 文字という言葉に置き換えて こうして書いている
これをもって 心にポーンッと浮かんだことを書いているだけで そこには
ぼくの「考え」がない――
いや そうではない そうとは思わない 思い浮かぶことは ひとつのぼくの「考え」であり 考えは「考える」ことがあってこそなのだ それがそこにつながっている 確かにつながっている
だがしかし
それだけだと
「あなたの言葉は思うだけで 考えてはいないのだ 深みがないのだ」と大先生のお叱りを受けてしまう
大先生から見れば よちよち歩きの小児同然のぼくは
「考える」ことについては浅い あさい言葉を書き連ね つづるだけで そこにはやはり 深いものはないのかもしれない ぼくの心に浮かぶだけのものに 深みのない 考えもないものばかり――などと断じられてしまったら ぼくは書くのが怖くなってしまう 現にそう感じていて…
だが心に浮かぶことを
吐き出し
掃き出し
そして 残したい
そう思う気持ちは止めようがない
だからこうして 文字をつづり続ける

胸を張っていうのだ
これがぼくの「詩」だと

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