秘密は守れる?
もうすぐ母の命日。秘密に関して、思い出したエピソード。
とても真面目、超真面目な人でした。そんな母を表していた出来事です。
◯小学生の秘密
私が小学生の時、面白い話があったので母に「ねぇねぇ聞いて」と話しかけた時のことです。
「あのね、これ誰にも言っちゃいけないって、言われたことなんだけどね」と前置き。
するとすぐに「ちょっと待って」と母に話を止められました。
それ以上私に話させないように、遮りながら
「それって秘密?」
「今、誰にも言っちゃいけないって、言われたことを言おうとしたね?」
「それは“誰にも言ってはいけないこと“だから、言っちゃダメだよ。相手がお母さんであっても話してはダメ」
「少なくとも私は、人からそうやって聞いたことは、絶対に誰にも話さない。お父さんにもアンタにも」「死んでも言わない」
「だからアンタも秘密を守りなさい」
当時、七歳の私。
子供ながらに、ピリピリとひりついたものを感じ反省しました。
「あぁ自分は間違ったことをしそうになっていた」と。
秘密の重みを感じ、話すのを止めました。
〇秘密の重み
母に指摘されてからそれ以降、秘密は必ず守るようになりました。
それなのに振り返れば、いつしか大人になってからは、秘密が軽いものになったような気がします。
相変わらず私の口は堅いです。しかし。
子供の頃に感じたヒリヒリ感がない。
周囲では、秘密が秘密のままでいることが、少なくなったような。
「あの人が実は〇〇だ」とか。「秘密ね」となった話もすぐ広がります。
秘密を守ることを重要視されていないのか?
それは大人になった証拠なのか。
秘密に重みがなくなったのか。
重みのある秘密を耳にしないだけなのか。
それとも、私が単純に重みを感じなくなったのか。
「誰にも言わないでね」「これは秘密だよ」と言われたとき、子供の頃に感じていた独特の緊張感と、秘密を共有した“運命共同体“のような感覚が、大人になってからは、なくなってしまったなぁと思っています。
〇 Can you keep a secret?
宇多田ヒカルさんの歌のタイトル。この一行だけで、さまざまな思いを感じました。
・秘密は守れる?
・口は堅い?
・これは誰にも言わないでいてくれる?
・これ言おうかな、どうしようかな…
・もし誰かに話すんだったら、言うのは止めるよ
秘密を話す人は、相手を信じるから、話すわけです。
話してもらったら、信頼されているということですね。
確かに、母はいろんな人から信頼されている人でした。
母が聞いてきた秘密は、もちろん私が耳にすることもなく、文字通り「死んでも言わない」を貫き、そして逝きました。
様々な思いはあったけど、めちゃめちゃカッコイイなと思っています。
こうやって母が全力で教えてくれたこのことは、私も死ぬまで大切にしようと思います。
本当にありがとうございます😊嬉しくて小躍り!!💖