見出し画像

ヒヨってもいい!

ヒヨる

壁にぶち当たる

多くの自治体の職員と接したり、民間事業者としてプロジェクトを進めようとしていると、「誰か」が「ヒヨる」場面に直面することが多々あります。

ヒヨっている、「壁にぶち当たる」ことで物事は前に進みません。

上記のnoteでも書いたとおり、行政は意外なほど「非合理的な組織」です。民間企業とは異なり、経営的な視点で物事を判断していないことが多いです。
ぶち当たる壁が非合理的だからこそ、どうブレイクスルーして良いのかわからず難儀してしまいます。

誰かに頼りたくなる

このような非合理的な壁にぶち当たってヒヨりそうになると、誰かに助けを求めたくなります。組織やそのときの体制、風向きによっても異なるでしょうが、誰かに頼ろうとしても「忙しいから」「自分の問題でしょ」「うち関係ないし」と素っ気ない態度を取られたりするかもしれません。

投げ出したくなる

解決策が見出せなかったり、周囲に頼れる人がいないと感じると「どうせ自分には無理だよ」と諦めてしまったり、「それ俺の仕事なのかな?」「自分はやりたいけど○○ガー」と他人や社会に責任転嫁してしまいたくなります。

「誰か」が動かなければ変わらない

世の中では先進的だと言われている自治体からの相談でも、「自分たちは総括」する部署で権限もないし、実際に手を動かすのは施設所管課、そこまで手が及ばないしマンパワーを割けない。「全庁的に既存の計画にとらわれずやっていく」ことが明記されているのに、思いっきり「過去から現在」に縛られています。
所管課から見れば「日常業務に目一杯で全体を俯瞰してする余裕がない」「総括する部署がわかってるなら自分でやれば良い」との論理が働きます。
つまり、計画でどんなカッコイイことを書いても実際に「手を動かす人」が不在では何も動きません。

組織ではそれぞれの部署に所掌がありますが、物事を動かすために重要なのは、それぞれの事務分掌の「隙間を埋める」ことであり、それができる人です。

「動く」からこそ

動かなければヒヨらない

ヒヨることすらない人・まちは、そちらの方がヤバいかもしれません。
過去の政策が多少うまく機能したからと胡座をかき、いつまでもそこにすがっていたり、前述のように現実を直視することから逃げていたりしては、ヒヨる機会にすら巡り合いません。

ここ2年余り支援させていただいているある自治体は、昨年度末に自らのアクションによってダイナミックなマインドセットがおこり、今年度はギアを一気に上げて幹部職も含めて様々なプロジェクトをガチで検討するようになりました。

かなり本質的・本格的なディスカッションがはじまり、ノリノリのテンションで進み始めたと思ったのも束の間、「誰がやるのか」「なぜやり方を変えるのか」「今やる必要があるのか」といったあるあるネタが残念ながら再燃し、ヒヨりはじめてしまいました。

しかし、今回のヒヨりは以前の状況とは全く異なります。
以前は「動き出す前」に自分たちが妄想して勝手にヒヨっていた(フリをしていた)だけですが、今回は動き出したことによって「リアルなヒヨり」となったのです。

「なぜヒヨるのか」を突き止める

この自治体からは、ヒヨっている(≒関係者を集めてもいい議論ができない)ので検討スケジュールも延期したいと打診されましたが、逆です。

「リアルなヒヨり」であれば、誰が・どういう理由で反対・邪魔をしているのかがわかります。そして、自分がなぜヒヨっているのかも分析できます。そこが大事なのです。
このまちでは以前、道の駅の基本計画について議会から財政負担を理由に猛反発を受けたことがありました。議会の懸念事項が「まちとしての財政負担」であることが明確になったので、対応策として「完全独立採算の道の駅」へシフトチェンジすることができました。

「なぜヒヨるのか」がわかれば対応策が見えてきます。

ヒヨってからが勝負

「ヒヨってからが勝負」です。
ヒヨることで思考停止したり手を動かすことを放棄した瞬間に終わります。
そこで終わるのは意識「が」低い系です。

同時に、ヒヨることすらしないで誰かのせいにしたり、やってるフリだけしているのは意識「だけ」高い系です。

意識「が」低い系、意識「だけ」高い系のように手が動かないのでは意味がありませんし、まちはその不作為の連鎖で衰退していきます。

手を動かしていく・動かし続ける限りはヒヨってもいい!んです。
手を動かしていれば、想定外のことが頻発するので動揺もします。そのような場面に遭遇すれば、人間なのでヒヨることもあります。恥ずかしいことではないと思います。
大事なのはヒヨったときのリアクションです。

動くことの反作用として「ヒヨる」のですから、ヒヨった原因をひとつずつ紐解いていくことでどこかに突破口が見えてきます。
現在、膨大な時間とマンパワーをかけて進めているプロジェクトの検討でも、行き詰まってヒヨりはじめたとき、事務局の担当者から「こんなやりかたで本当に大丈夫か?」といった意見が出されました。同時に、別組織で並行して検討することも意図されていたそうです。

このときも徹底的に時間をかけて関係者でガチにディスカッションすることで、軌道修正するところはしながらも共通認識を持ってやっていくことになりました。

ヒヨることも悪いことばかりではありません。プロなので大切なのは結果です。
まちみらいでは、こうしたガチなプロセス、いろんなことに正面から向き合いながらやっていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?