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東日本大震災から10年〜マチマチ防災座談会〜

2021年3月11日、東日本大震災からちょうど10年の日。
マチマチではこの日、2名のマチマチ公式地域レポーター(マチレポ)さんへインタビューを行いました。

東日本大震災当時のご自身やご家族の体験、そこから学んだこと、現在行っている災害への備え、そして、マチマチは防災でどのように役立てることができるのか。
お二人からお聞きしたリアルな声を、この記事で紹介します。

七海さん「茨城県日立市在住で、震災当時は日立市内の実家に住んでいました。5歳、3歳の子どもがいます。日立市はメディアで取り上げられることは少ないのですが、実際に被害のあった地域です。そこでの経験を伝えて皆さんのこれからに役立てればと思います!」
misaさん「東京都大田区在住です。地元は青森県で、母の故郷が岩手県です。5歳、3歳の子どもがいます。実家の家族の経験をもとに、自分の住む東京都内など、都会での災害への備えについても考えたいと思っています。」

あなたや身近な方の東日本大震災の体験

──震災当時、どこで、何をしていた?

七海さん:ちょうどその日は仕事が休みで、家でリラックスしている時に地震にあいました。棚から重い本がバサバサッと落ちて、これは只事ではないと感じ、家から飛び出して。消防車が「逃げてください!」とサイレンを鳴らしているのを聞いて、家族で内陸の叔父の家へ避難しました。家のすぐ近くが海なので「津波で家が無くなるかもしれない」という不安と共に眠れない夜を過ごしました。翌日両親が家を見に行くと、家の壁面には波が打ちつけられた跡が残り床下が浸水していて、「本当にここまで波が来たんだな」と恐怖を感じました。

misaさん:私自身は当時東京で働いていて、3月11日はビルの17階にいたんです。ビルがグラグラ大きく揺れると同時に、目の前のエレベーターのドアがバタンバタンと開閉して。「ここにいたら死んでしまうかも」と恐怖を感じ、府中の職場から練馬の家までの約20kmを歩いて帰りました。

実家のある青森県では二次被害が大きかったそうです。電気やガスが止まってしまいましたが、被害の大きい宮城県や岩手県を車が通れないため、他県からの支援が青森まで届かない状況で。薪ストーブでお湯を沸かしてペットボトルで湯たんぽを作り、皆で暖をとっていたそうです。

母の故郷の岩手県では、母の友人が4名亡くなりました。また、津波に押されて近所のお店が土台ごと1.5kmも移動してしまったそうです。子ども用のオムツや服などの盗難が相次いだという話も聞きました。みんな自分や家族が生きることが最重要なので、普段とは違う感覚になっていたようです。

misaさん投稿

▲マチマチに投稿されたmisaさんのご家族の被災体験

東日本大震災で印象に残っていること

──当時一番困ったこと、怖かったことは?

七海さん:電気・水道が止まったことですね。特に、飲み水が得られないのが一番困りました。

misaさん:青森では、電気が止まったことが一番の困りごとだったそうです。震災から6日後に大阪のPanasonicさんから電池が届いたのですが、それまでは「携帯電話や避難用グッズの電池が切れたら終わり」という状況でした。

──当時助かったこと、役に立ったことは?

misaさん:電気やガスが止まっても、薪ストーブで暖をとれたことですね。古い文化ですが、今でも残っているのには理由があるんだなと思いました。

七海さん:多くの家が断水する中、井戸水があったため、震災後早い段階からお風呂の代わりに身体を拭けたのは助かりました。また、河や池が近かったため、お手洗い用の水も確保することができました。

──ライフラインが断たれた時のための備えが重要ですね。現在、災害に備えて自宅でどんな備えを?

七海さん:前回の台風の際に水を買って、今もそれを備蓄しています。当時備えを確認したら水の賞味期限が切れていたので、ケースで購入したんです。その他、災害時に自宅で過ごすことを想定して懐中電灯やカセットコンロを用意しています。

misaさん:ソーラー電池で動くラジオや、雨水を濾過して飲料水にできるグッズなどを備えています。あとは、いざという時に子どもとスムーズに避難できるよう、かわいいキャラクターものの防災リュックを購入しました。

七海さん:避難を想定した準備はまだできていませんでした。子ども用の防災リュック、参考になります!

七海さん

地震や災害時の地域の方との連携について

──被災当時近所の方との助け合いはあった?

七海さん:隣の家のおじいさん・おばあさんや、車を持っていない若い娘さんを、父と母の車で避難所まで送りました。

misaさん:青森の実家では、ひとりで住んでいるおばあさんの家を訪ねるなど、ご近所同士で声かけが行われていました。

──東日本大震災から得た教訓は?

七海さん:地震が起きた際にどう動くかのシミュレーションを地域単位でやっておくのが重要だということです。

例えば、堤防には人や車が通るための切れ目があり、津波の恐れがある際はそこにバリケードを立てる必要があります。私の家の近くでは地域の方と協力して行うことができましたが、別の地域では地域内の連携が上手くとれず、バリケードを立てずに皆さん避難されたようで。そちらでは床上まで浸水するなど被害も大きかったそうです。

misaさん:その地域での過去の災害をきちんと知っておくことですね。東北地方はこれまでも地震や津波のあった地域なので、どこに避難するか、どこの山が一番高いのか、などを知っておくことが被害を小さくするのに重要だと思いました。

▲マチマチに投稿された七海さんの被災体験

──今後の災害に備えて、地域の方とどのように連携がとれるといいか?

misaさん:都内に住んでいると、隣に誰が住んでいるのかも分からず災害時の連携が難しいです。なのでまずはマンション単位や井戸端会議のレベルで避難場所の確認などができるといいと思います。でも正直、今はどういう風に始めればいいのか悩んでいる状態です。

七海さん:近所の方と普段からつながりを作っておくのが重要だと思います。実家は、先祖代々同じところに住んでいたこともあって地域との繋がりが強く、過去その地域で津波があったことや危険箇所などがある程度わかっていました。

現在は同じ日立市内でも実家から離れて住んでおり、この地域の過去の災害のことなどが分からない状況なので、昔から住んでいる方に教わりたいなと思います。災害発生時も、インターネットの情報だけだと取捨選択が難しいため、近所の方とのつながりが大事になると思います。

──災害時に地域の方と連携をとるためにやっていることは?

七海さん:引っ越してきたときに両隣2件ずつ挨拶をして、まずご近所さんの顔がわかる状態にしました。また、マチマチやTwitter、Facebookでも日立市周辺に住む方とつながりをつくり、日頃から地域の情報を集めるようにしています。

防災におけるマチマチの活用

──マチマチは防災でどのように使える?

七海さん:災害時の地域の情報共有の場として使えると思います。例えば「給水所スレッド」を作って「今日はここでお水をもらえる」「明日はここらしい」といった情報を地域のみんなで出しあいまとめられると、すごく役立つと思います。

misaさん:私は、令和元年の台風19号の際、避難するかどうか判断するためにマチマチをずっと見てました。

──令和元年台風19号接近時、マチマチはどう使われた?

misaさん:多摩川の増水の様子や避難所の状況などのローカルな情報が、リアルタイムでやりとりされていたんです。私自身多摩川のすぐ近くに住んでいるのでその情報がすごくありがたくて。マチマチにまだ登録していない知り合いにもマチマチで得た情報を教えていました。そういう近所の方とのやりとりが今後の災害の際もできるといいなと思います。

▲令和元年台風19号時の大田区での投稿

七海さん:すごい!そこまでの情報は行政なども出せないですもんね。

misaさん:そうなんです。さらに、当時行政のサイトがアクセスが集中してパンクしてしまったため、「マチマチなら情報が見れる」という状態だったんですよ。

──オンラインでご近所さんと交流できるメリットは?

misaさん:マチマチがいいなあと思うのは、本当に気軽に住民同士で助け合いができる点ですね。町内会などのリアルで密なつながりって、どうしてもハードルが高いイメージがあって。マチマチは誰かが「困った!」というと「あ、これ知ってるよ」といったフォローが入る。それが義務感とかでなく気軽に行えるのがメリットだと思います。

終わりに

──座談会で話して感じたこと

七海さん:災害の備えは行っているつもりだったのですが、今日話してみてまだまだ足りないところがあるなと思いました。3月11日や9月1日(防災の日)などのタイミングで定期的にチェックして、同時にまわりの人にも声かけをして防災意識を高めていこうと思いました。

misaさん:東日本大震災では、最も被害の大きかった地域以外でも様々な被害が起きました。そういったことを経験された方のお話を聞いたり、自分の体験を思い出すことで、どういう備えが必要か・何から始めればいいのか考えられるいい機会になりました。ところで、七海さんの話の中で「賞味期限」という単語が出てきたので、ハッとして家の避難用食料を改めて確認したところ、1年ほど切れていました。気づかせていただいてありがとうございます!

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いざというときに助け合えるためにどんな人が近くに住んでいるか把握しておいたり、地域のことをよく知っている方から避難場所や地域内の過去の災害の教訓を教えてもらったり。そのためのやりとりの場としてより活かしていただけるよう、マチマチもさらに頑張っていこうと思いました!


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