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アメリカだと、蕎麦はこうなる。。。

暑くなってくると蕎麦、素麺などの麺類が食べたくなるのは、日本にいようと、アメリカにいようと同じ事。とはいえ、手に入りやすさに関しては、やはり日本のようにはいきません。でも最近では、アメリカの普通のスーパーマーケットでも、ベトナム料理のフォーで有名なライスヌードル(米麺)と同じように、うどんのレトルトや蕎麦を見かけることが増えてきました。ライスヌードルの乾麺も、安くておいしくて重宝しますよ。温かいスープを作ってフォー風にもなるし、鶏肉や海老を入れて炒めて、タイ料理のパッタイ風にもなります。うどん、蕎麦、素麺の乾麺は、日本食スーパーをはじめ、中華系、韓国系のスーパーで購入することが多いです。普段の買物をする普通のスーパーで売られていた、日本メーカーではないレトルトのうどんや、焼きそばにも挑戦しましたが、やっぱり何か違う…(笑)。食べ物に関して、あまり細かいことを気にする質ではありませんが、麺の食感がどことなくポロポロしているというか、コシがないというか。加えて、粉末スープの味もなんだかな… 同じことは、カップ麺やインスタントラーメンにもあてはまります。アメリカ産の超激安カップ麺はすごかった… 30セントちょっと(約30円)ですからね、うむ。値段は少々高くついても、中華三昧、ラ王はやっぱりおいしいです。中華三昧と言えば、夏場になると、日系スーパーで冷やし中華が販売されることもあります。見つけたときは超ハッピー。夏はやっぱ冷中でしょ、やっぱ『冷やし中華あります』だよねぇ♪、と私はひとりでワクワク。残念なことに、アメリカ生まれ&アメリカ育ちのうちの旦那さんには「さっぱり意味わからん」の類のようでして。ま、そうだよね。

さて、前回の記事「アメリカのヘルシースナック」にも書いたように、アメリカでも、健康への関心は高まっているように感じる今日この頃。アジア食というだけで、ヘルシーな上にエキゾチック感も追加されるようです。アジア食の中でも、日本食は特に人気が高いのではないでしょうか。私が好きなお料理番組でも、参加者が「日本食に興味がある」「家でよく作るのは日本食」「将来はアメリカで日本食のレストランを開くのが夢」なんて話しているのも珍しくないくらい。でも、いざでき上った料理を見て「あ、これが日本食ね…」な~んてこともありますけどね。日本人がヨーロッパへ憧れを抱くのと同じような感覚で、日本への憧れを膨らませているアメリカ人も多くなってきているということでしょう。アメリカに暮らす日本人としては、なにはともあれ、嬉しいことです。

さて、そんな日本、日本食への憧れ、ヘルシーな食材への関心の高まりもあって、最近、よりポピュラーになってきている食材のひとつが蕎麦です。夏には、そばつゆにつけてツルッと、冬には出汁のきいたあつあつスープで天ぷらと共に…、の蕎麦です。アメリカにおいて、蕎麦(Soba)自体の知名度は上がってきたものの、蕎麦粉の味わいがどうとか、何割蕎麦がどうとか、というのは、かなりハイレベルな蕎麦トーク。基本的に、しっかりした味わいがお好みのアメリカテイストには、蕎麦は、いささかさっぱりし過ぎなのでしょうね。では、どのように蕎麦を食すのか?アメリカの蕎麦事情は驚きの連発です。

私が以前働いていたベーカリー、Karen's Bakery & Cafeでは、私がお店を移った後に、新メニューとしてSobaが食わりました。カフェで蕎麦?まずはそこから意外です。試行錯誤の末に完成したのが、Soba Salad。はい、蕎麦サラダです。インスタにあがっていた写真を見ると、蕎麦にレタスなどの野菜とエビが乗っています。サラダうどんの蕎麦バージョン?と、興味津々だった私。元同僚でもある、中華系アメリカ人のお友達と、Karen's Bakery & Cafeでお茶していた時のことでした。仲良しのマネージャーさんが、売れ残りのサラダを「いる?」と言って持ってきてくれたのです。その中には、例のSoba Saladも!「これ、気になっていたんだよね。でも、サラダでしょう???」と話す私に、友達は「最近、Soba Saladって多いよね。ヘルシーだし人気だよ。えっ?日本では、サラダとしては食べないの?」と。彼女自身はアメリカ生まれのアメリカ育ちではありますが、旦那さんが日本人のハーフということもあって、日本食の経験も知識も豊富。そんな彼女が、Soba Saladを疑いなく受入れている様子に、私がびっくりしたものです。さて、そのSoba Saladですが、微妙でしたね。とにかく、ドレッシングで蕎麦を食べる違和感。本来の蕎麦たるものを知らなければ、食べやすくてヘルシーな流行食として楽しめるのでしょうか?私は、Soba Saladを食べて、フツーの蕎麦が、よりいっそう食べたくなりました。あれから1年は経っていますので、久しぶりにカフェのサラダメニューをチェックしてみましたが、なんとSoba Saladが見当たりません!季節ものなのか、はたまた一時的な流行だったのか…?今度行った時に真相を聞いてみようと思います。

さて、最近では乾麺の蕎麦、うどん、素麺がアメリカのスーパーでも売られるようになってきたと書きましたが、先日、私が現在働いている、健康志向の高級スーパー、Whole Foods Marketで、とても興味深い商品を見つけてしまいました。それが、こちら↓

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「SOBA RICE NOODLE」とはなんじゃ?! ライスヌードル(米麺)の蕎麦ってこと?写真の右、緑色のPHO RICE NOODLE(フォー ライスヌードル)は分かりますが、蕎麦は蕎麦粉が基本で、ライスヌードル(米麺)とは無関係。これは単に商品名なのでしょうか?そして更に見逃せないのが、料理例の写真です。この、焼きそばのように見えるものが蕎麦、ということですよね。これはSoba Saladにも勝る『焼き蕎麦』じゃ。気になって、soba recipeで検索してみると、出てくるレシピの多くは焼き蕎麦系。まるで、パスタのようなレシピばかりです。炒めた蕎麦にステーキを盛り付けて、とか、野菜と鶏肉と一緒に炒めて、だとか。味付けは味噌で、、、と和風を意識しているものもあるようですが、とにかく炒めて、しっかりと味付けをするものがほとんどです。ちなみに、そばつゆはアジア系スーパーでなくては売っていないのですが、その理由が分かった気がしますね。シンプルな蕎麦もアメリカだとこうなる、ということです。日本だとピザにエビマヨだとか、コーンだとかが乗ってしまうのと同じことなのでしょうか。その国ならではの食べ物も、場所が変われば、その土地の人好みになるということに過ぎませんが、Soba Saladに納得がいかない私と、ピザのコーンに納得がいかないうちの旦那さん。分かり合えないようで、分かり合えるのかもしれませんね。

アメリカの地で、お寿司に続けとばかりに欧米化が進んでいる蕎麦。それも蕎麦人気、注目度が高まった証ということなのでしょう。あとは、これがどれだけ定着するかですね。味が決め手でしょう。いくらヘルシーでも、おいしくなくては続きませんからね。個人的には、Soba Saladをまた食べたいとは思いませんが、納豆、オクラ、長芋のネバネバ蕎麦は恋しくてたまりません。アメリカ人にとっては、あり得ない一品なのだろうな。



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