アメリカのヘルシースナック
アメリカの食べ物と聞いてイメージするものは何でしょう?ハンバーガーにフライドポテト、それに加えて、特大カップのソーダ?それとも、ボリューム満点のステーキやバーベキュー?強烈に着色された激甘ケーキやクッキーもありですね。まぁ、どれもこれも、その通り。基本的に大盛りであるに加えて、味が濃くて、よって、どことなく不健康さが漂ったり… アメリカが抱える深刻な肥満問題の原因の一端も、そこにあるのでしょう。一方、魚主体で根菜などの野菜を豊富に食べる日本人は、健康でスリム、というのがありがちなイメージかもしれませんね。でも、これはあくまでも一般的なイメージ。寿司と並ぶ、人気の日本食のラーメンが体にいいとは思えませんし、和食は基本的に塩分が多いとも聞きます。それに、日本人の細さは『痩せすぎ』と隣り合わせの危険さも感じます。日本にいると、その細さが『普通』になってしまうのかもしれませんが、アメリカでの生活が長くなればなるほど、日本人は『痩せすぎ』ではないかと心配になってしまいます。もちろん個人の好みもあるし、体質もありますが、もう少し『健康的』になっても全然大丈夫なのにな。
アメリカには、大きな人が多いようには感じます。上にも横にも。でも、みんながみんなそうかというと、決してそういうことはなく、むしろ、健康に気を使っている人はすっごく気を使っているようにも感じます。私は、月に1回程度のペースでヨガに行っていますが、そこに集まっている人たちは、まさに健康志向が強い人たちの集団です。見た目にも、シュッとしてスリムの人や、筋肉質で健康的な人ばかり。いい刺激です。
食べ物に関しても同じこと。気にしている人の中には、かなり神経質になっている人も多いのではないでしょうか。日本でも同じだと思いますが、ここ数年は、Gluten Free(グルテンフリー)、Vegan(ヴィーガン)、Keto(ケトジェニック・ダイエット)などの人気が継続していて、特化した商品や専門のレストランも増えました。
さて、アメリカにいる限りは「細い」部類に入るものの、日本では「細い」部類には入らないのが私(だと思う)。太くもなく、細くもなく、だと自覚しています。ただ、食べても太らない体質では決してないので、誘惑が多いアメリカ生活、これでもそれなりに気を付けてはいるつもり。ただ、アメリカのベーカリーで働くようになってから、それまでとは違う筋肉がついたのか、時々日本に帰ると、家族からは『逞しくなった』なんて言われます。体重的にはアメリカに来てからも変わっていないんだけどなぁ。元来、甘党だし、職場がベーカリーなので、味見と称したパクリだとか、廃棄商品のお持ち帰りとかもありがちなので、その分、家で食べる(自分で買う)スナックには、気を付けるようにはしています。スナックというのは、いわゆる、間食としてちょこっと食べるおやつ的なもののこと。驚くことなかれ、アメリカにだってヘルシーなスナックがあるんです!砂糖たっぷり、着色料や香料たっぷりのジャンキーなスナックだけではないのですよ。いくつか紹介しますね。
まずは、Apple sauce(アップルソース)。ソースと聞くと液体を思い浮かべるかもしれませんが、いわゆるリンゴのすりおろし。うちの旦那さんに言わせると「ベビーフード」とのこと。まぁ、そうですね。100gちょっとのカップの6個セットが定番で、加糖、無糖、シナモン入りなどのバリエーションがあります。私はもっぱら無糖派です。リンゴのシャキッとした食感こそありませんが、超手軽に食べられるリンゴそのものって感じです。アメリカの家庭では「子供のおやつ」的な位置付けなのかもしれませんが、私にとっては、手軽にちょこっと食べられる健康的なデザートの位置付けです。アイスクリームの代わりにアップルソースを♪
続いては、String cheese(ストリングチーズ)。スティックタイプの裂けるチーズのことです。個別包装になっているので、子供がランチに持って行ったりもするのかなぁ。基本的にチーズを好まないうちの旦那さんも、これなら食べるので、それこそスナックに持たせたりしています。小腹がすいたときや、甘くないものを食べたいときに便利ですよ。以前一緒に働いていたアメリカ人の女の子も、スナックにこのストリングチーズをよく持ってきていましたね。でも、その彼女、裂けるチーズであるにも関わらず、裂かずにストレートにパクッと食べるのです。「えぇ~?」と思うのは私だけ?まるで、キットカットを割らないで食べるかのような… 人の食べ方にケチをつけるつもりはありませんが、裂けるチーズはとりあえず裂いて食べるし、キットカットはとりあえず割って食べる私としては、ちょっと気になったのですが…
更に健康的なスナックもありますよ。ずばり、べイビーキャロットやセロリのような生野菜。アメリカのニンジンって、日本のニンジンと少し違くて、普通のものは日本のニンジンのように太っていなくて、むしろ痩せているんです。細~い感じ。根っからのニンジン嫌いの私なので、ニンジンに関して自信を持って発言することは憚られますが、その細~いニンジンよりも重宝されているのがベイビーキャロットと呼ばれる、小っちゃいニンジンなのではないかと思います。2~3㎝程度で、皮も剥かれた状態で袋に入って売られています。この小っちゃなニンジンをスナックとして、生でポリポリ食べるのがアメリカ式。同じようにセロリもスナックとしてポリポリ食べられます。私がこのベイビーキャロットとセロリをポリポリ食べる姿を始めて目にしたのは、アメリカへ来て最初に働いていた翻訳会社でのことでした。アメリカ生活が長い日本人の同僚の女性が、ランチの時にジップロックバッグで持参したニンジン&セロリのポリポリをしていたのです。彼女はディッピングソースを使っていましたが、初めて見たときはちょっとびっくりしましたね。ついつい見入ってしまったというか。心の中では「あなたはうさぎですか?」って(笑)。先日、今働いているお店の休憩室で、久しぶりにニンジンポリポリ姿を目撃しました。その彼女の場合、ジップロックバッグではなく、購入時のベイビーキャロットの袋そのままを持参して、ディッピングソースもなく、ひたすらポリポリ… かなりの上級者。ニンジンは苦手な私ですが、アメリカに来て、セロリはポリポリできるようになりました。日本ではセロリを食べた記憶自体がほぼなく(母がセロリ嫌いだったのか???)、理由もないままにセロリは嫌い、というイメージだったのですが、セロリをポリポリする同僚に触発されてトライしてみたところ、意外とイケました。なんでも、アメリカのセロリは日本のセロリよりも癖がなく食べやすいそうで、アメリカへ来てからセロリが食べられるようになった、という日本人も結構いるのだとかいないのだとか。あ、でも、セロリポリポリのときは一番外側を薄く剥きたいですね。セロリ自体が筋の塊のようなものなので、筋とは呼ばないのでしょうが、空気に触れていた外面の固い部分のことです。な~んて言っているのは、まだまだ初級レベルなようでして。飲食店で付け合わせで登場するセロリは、ほぼそのまんま。少しぐらい固かろうが、土がついていようが、容赦なくガリッガリッするのがアメリカ式?一皮むくだけで結構違うんだけどなぁ、なんて言っているのは、甘ったれた日本式なのでしょうかねぇ。
私は、子供の頃からおやつが好きで、間食も好き、そして夕飯の後にはデザートが欲しいなぁ、なんて思ってしまいます。アイスクリームやチョコレートなどはもちろん、ときにはポテトチップスの塩っけが無性に食べたくなったりすることも。そんなわけで、うちの旦那さんは間食欲求がほぼないにも関わらず、我が家には何らかのスナックがスタンバイしているのが常です。私にとっては、あくまでも楽しみのために食べるのがスナックなので、そこで過度に健康志向に走るつもりはさらさらありませんが、それでも、無理ない範囲で体に良さそうなスナックを選ぶようにはしています。おやつだって、いろいろな意味でバランスよく♪
あぁ、「おやつばかり食べていないで食事をちゃんとしなさい」と言われそうだ。食べてる、食べてるよ、ちゃんと。って、でもね。このスタイル、間違いなく母親譲りだと思うんだけど?
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