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アメリカのスーパー、量り売り事情



好きなものを好きなだけ!

基本的にアメリカ人は、好きなものを好きなだけ購入することを好む印象があります。サンドイッチ、ピザなどは、トッピングからソースまで自分で好きなものを選んで作ってもらう『Build your own 〇〇』スタイルはあたりまえ。普通のカフェやレストランでも、サラダドレッシングを別容器で頼んだり、注文を自分好みにカスタマイズする人も珍しくありません。例えば白身だけのオムレツとか。そして、基本的にお客さんの要望通りにするのが、アメリカのキッチン仕事なのです。随分前になりますが、ベイエリアの日本食のお弁当屋さんでお弁当の受け取りを待っていたとき、大人気の照り焼きチキン丼を「皮なし」でリクエストしている人の多さに驚いたことがありました。中には「皮なし、ブロッコリー多め」とか「皮なし、ブロッコリー多め、ご飯少なめ」なんていうのもあって、どこからか料金はかさましするのだろうか?なんて思ったものでした。

前回日本に一時帰国したときに旦那さんと立ち寄った抹茶を得意とする甘味処で抹茶が苦手な旦那さんのために料金を追加してもいいからソフトクリームを抹茶&バニラミックスからバニラのみに変えてくれないかとお願いしたところ、「メニューにないからできません」と一蹴され、予想はしていたものの融通の利かない日本人と、どこまでもフレキシブルなアメリカ人の違いを痛感したものでした。

買物だって、好きなものを好きなだけ

アメリカでは、スーパーでの食料品の買物にしても、好きなものを好きなだけがごくあたりまえ。お魚コーナーやお肉コーナーでは、日本と同じように欲しい部位を選んで欲しい分量だけをとりわけてもらいます。あらかじめパッケージされているものもありますが、私は大ぶりの海老が欲しいときとか、特別な時用にいつもよりちょっといいステーキが欲しい時などは、このカウンターでお願いするスタイルを利用しています。二人分のリブアイステーキを探していると相談したら、極厚のリブアイステーキを横にスライスしてあげようか?と提案してもらい、値段的にも品質的にも大満足した経験があります。ちなみに、日本ではあたりまえの薄切り肉というものが存在しないアメリカですが、事前にお願いすれば、肉の塊を凍らせて薄切りにしてくれるお店もあります。Shabu-shabu用とかKorean BBQ用とお願いすれば、アメリカでも望みの薄切りが手に入ります。

さて、好きなものを好きなだけはお肉やお魚に限ったものではありません。英語ではBulk foodsと呼ばれる、いわゆる量り売りコーナーがたいていのスーパーにあるのがアメリカです。ちなみにBulk (バルク) には「かさ、体積、容積、容量、多量、大量」といった意味があります。専用の容器やビニール袋に欲しいものを欲しいだけ取り分けて、その量に応じて金額を支払います。無駄がなく、また環境にも優しいとされるこのスタイルは、日本ではどちらかというと「環境にも配慮しています」を売りにしているような、今時のおしゃれなお店スタイルのようですが、アメリカではもっとシンプルに「好きなものを好きなだけ」スタイルとして好まれているように思いますね。自分で袋に取り分けたり、品番号を記入したりすることを面倒くさいと思わない限りは、無駄なく安上がりです。
私が週一で愛用しているスーパーのBulk cornerの充実度合いは、私の自慢(勝手に)。本当にありとあらゆるものがあるんですよ。

①コーヒー豆

私のお気に入りスポットでもあるのがコーヒー豆コーナー。
見てください、この種類の豊富さ!

右横に見えるのは紅茶です


王道のフレンチロースト、コナコーヒー、コロンビアコーヒーはもちろん、フレイバーコーヒーだって選びたい放題。フレイバーコーヒーの定番といったらヘーゼルナッツですが、その他にも、ココナッツフレイバーだったり、シナモンフレイバーだったり、とにかくいろいろあって楽しいです。秋のパンプキンスパイスのように期間限定フレイバーがあるのも嬉しいところ。好きな分量だけ購入できるので、気になったものを気軽に試せます。コーヒー豆は、種類を問わず均一料金なので自分ブレンドを作ることだってできます。セルフのグラインダーマシーンも常設していているので、曳き立てのコーヒーがより身近な存在になるわけです。ちょうど買い物半ばに位置するこのコーヒーコーナーでコーヒー豆を挽きながら、その香りに癒されるのは、今や私のショッピングの一部となっています。

②ピーナッツバター

実は数週間前に初めて挑戦したのが、ピーナッツバターマシーンです。そう、ピーナッツがその場で曳かれて、曳き立て新鮮なピーナッツバターを購入することができるのです。

左上から時計回りにアーモンドバター →ピーナッツバター
→ハニーローストピーナッツバター →カシューバター


ピーナッツバターをこよなく愛すアメリカっぽさ。市販のピーナッツバターにはクリーミータイプとクランチタイプの2種類がありますが、このマシーンで曳かれたピーナッツバターはその中間を行く感じでした。全体的にざらっとしたピーナッツの食感が残っています。あたりまえですが、甘みはゼロ。曳き立てなのでピーナッツの香りがプンプンします。とにかく体に良さそう。この超濃厚ピーナッツバターなら、PB &Jellyと呼ばれるピーナッツバターと甘いフルーツジャムを挟んだサンドイッチを食べたいものですね。
ちなみに、お値段は1パウンド(約450g) 2.18ドル。アメリカンなピーナッツバターが好きだった父なら大喜びでこのマシーンを愛用したことでしょう。

⓷ハチミツ、オイル類

まだ試したことはありませんが、ハチミツやオイルなどの液体ものにも量り売りがあります。意外な気もしますが、アメリカではハチミツの種類がどこでも結構豊富にあります。決して安いものではありませんが、だからこそ量り売りを利用したほうがいいのかもしれないですね。
探していたライスオイル(米油)はありませんでしたが、よく見るとアボカドオイルなんていうのもあって興味深い。今度、試してみようかな。

上段がハチミツ 下段がオイルとお酢のようです


④ナッツ&ドライフルーツ

量り売りのド定番と言えば、ナッツやドライフルーツですね。種類も豊富だし日本と比べたらかなりお買い得だと思います。最近カリウム摂取に励んでいる私はよくドライマンゴーを購入しますが、パッケージ済みで棚に並んでいる商品よりはるかに安いし、自分好みの出来栄えのものを、なんとなくより分けて袋詰めできることも気に入っています。
その日の気分によって、デーツやプルーン、クルミやカシューナッツなども買いますが、とにかく何を買っても食べ過ぎない程度に買えるのがいいところ。あれば食べちゃう、なければ食べない(笑)

左上が私が好きなドライマンゴー。
その隣はチリパウダーがまぶされたドライマンゴー。その下は砂糖がまぶされたドライマンゴー。


⑤チョコレート、キャンディーなど

糖質はできるだけ控えたいので、最近はできるだけ足早に通り過ぎるようにしていますが、チョコレートやキャンディー、グミ類も充実しています。私のお気に入りは、ダークチョコレートコーティングされたコーヒー豆やクランベリー。旦那さんのお気に入りは、ミルクチョコレートでコーティングされたプレッツェルとスイカ味のグミ。時々思い出したように買って帰って、恩に着せるのにはとても良い量と値段です(笑)。

右下が旦那さんお気に入りのチョコレートプレッツェル


⑥調味料

Bulkコーナーで見逃せないのが調味料です。ありとあらゆる調味料がそろっています。そんな調味料コーナーで私が買うのは、Poteto starch。なんのことだか分かりますか?片栗粉のことです。アメリカでStarchというとCorn starch (コーンスターチ) が主流で、片栗粉はアジア系のスーパーにいかないと手に入りません。日本食レシピって片栗粉の利用度が結構高く、以前はコーンスターチで代用していましたが、片栗粉と比べると若干弱くて。仕方ないかと諦めていたので、このBulk cornerでPoteto starchを見つけたときは嬉しかったですね~。

これ、ぜ~んぶ調味料。
ちなみに片栗粉は左下(蓋のみ見えています)


⑦ベーキング材料 & more…

小麦粉、砂糖などもありますよ。ちなみに英語では、強力粉はBread flour (パン用小麦粉)、中力粉はAll purpose flour (多目的小麦粉)、薄力粉はCake flour (ケーキ用小麦粉)と呼ばれます。たいていのものはAll purpose flourで作ってしまう大胆なアメリカ人なので、店頭で薄力粉というものを見かけることが少ない中、量り売りで薄力粉を購入できるのは助かります。私は米粉もここで購入しています。

他にも、お米やパスタ、グラノラやシリアル、そしてなんとワンちゃんのおやつコーナーもあって、たいていのものはそろうのではないかという勢いです。よほど急いでいない限り、何があるんだろう?と物色するのは楽しいものです。何度も言いますが、気になったものは少量で試せるので、実質的なお楽しみもついてくるわけですしね。

ただ、白い粉系は後々袋の中身が分からなくなりがちなので、要注意。
久しぶりに整理したパントリーから正体不明の白い粉が見つかることになりますからね。白い粉だけに気を付けたい。ここ、アメリカだし…(笑)

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