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海外生活のコツ?!         アメリカの接客スタイルに思うこと

日本語で日本人向けのnoteではありますが…

当然のことのようですが、私はこのnoteの読者を日本人と想定し、日本語でのみ書いています。題材は、アメリカで生活する上で実感した日米の違い、外へ出ることで改めて見えるようになった日本や日本人の姿、そしてもちろんアメリカでの驚きの光景や出来事、更には、人種は関係ないんだと実感する純粋な人間の姿などなど。
私のnoteには、私のアメリカでの同僚や友達も登場しています。日本語のみでの執筆なので、彼らが読むことはありませんが、だからといって、というか、もしかしたらそれ故に、あくまでも私の視点からではあるものの、彼らの姿が誤解なく伝わることを心掛けています。
頻繁に登場するのは、日系二世のうちの旦那さま。彼は、私がnoteを書いていることは知っているものの、自分が読めないことに多少なりとも面白くないと思っているご様子(笑)? 少なくとも表向きは「自分には関係ないし…」という姿勢です。とはいえ、なんだかんだで結果的には、なにかにつけてネタ提供をしてくれているありがたい存在。ありがとう!今日はそんな感謝の気持ちもこめて、そんな彼が「書くべきだ!」と珍しく強く勧める、アメリカで目にする驚きの接客スタイルについて書くことにします。

とあるセブンイレブン編

私のnoteには積極的に関わろうとしてこないうちの旦那さんが「日本の人に伝えるべきだ!」と声を大にするのが、彼がよく利用しているセブンイレブンのレジ店員のこと。私も目撃したことがありますが、いつもレジにいるインド人とお見受けするお兄さん、スマホで電話しながらの接客が当たり前。しかも、電話をしていたところにお客さんが来て「ちょっと待ってね」と電話を一時中断することもなく、電話での会話を続行しながら接客するのです。片手間なのは接客の方。あり得ないですよね~
ところが、この彼ほどとは言わないまでも、レジ店員が電話をしている、またはスマホゲームをしているなんてことが、あり得るのがアメリカ。お客さんとしても、気持ちがいいはずがないのですが、あえて騒ぎ立てるでもなく見過ごしている感じかな。うちの旦那さんにしても然り。感情表現が得意とか、時には、文句言いとも言われるアメリカ人ですが、そこについては不思議と寛容なような… 日本だったら、上司に見つかれば大問題だろうし、それよりも先にお客さんからの苦情が入るのではないでしょうかね。

嘘でしょ?のバス運転手編

続いては、私の10年のアメリカ生活において、目が点というか、思わず我が目を疑いたくなった出来事を。
アメリカ移住1年目のことでした。車の免許も車も持っていなかった私は、当たり前のように、自転車と電車、バスで移動する毎日を送っていました。そんなある日のこと、仕事帰りのバスの中、バスがバス停ではないところで停車しました。どうしたんだろう?と思っていると「予定より時間が早いので少し調整します」とのアナウンスを残し、バスを降りた若い黒人運転手さん。そして、しばらくすると、なんとポテトチップスの袋を片手に戻ってきたのです!運転を再開したものの、もちろんポテトチップスを食べながらの運転です。まじか… でも、気づいているのかいないのか、その件に関して腹を立てたり、不審に思っているお客さんもいない様子。ある意味、たいしたものですね。これまた日本だったら、即苦情→問題→ニュース→クビだろうな、なんて思っていた私でした。

バスは、アメリカでは基本的にあんまり好まれない公共手段ですが、そんな中で、ほのぼの光景に出くわすこともありました。おかげさまで最近ではバスにもほぼ乗らなくなったので、状況は変わっているかもしれませんが、当時は現金での運賃支払いにはおつりが出ないものでした。よって、小銭を持ち合わせていないお客さんがいると、たいていの場合は、運転手さんが「他のお客さんに聞いてみて」と言うのです。そして、小銭なしのお客さんは、なるほどとばかりに「誰か両替してもらえませんか~?」となり、無事に小銭を手に入れます。同じ停留所で降りる他のお客さんが「あなたの分も払ってあげるよ」なんていうこともありましたっけ。人と人との距離が近いというか、フレンドリーというか、柔軟性があるというか… 
私が「アメリカっていいな♪」と思う部分ですね。

映画の1シーンのようだった電車の運転手さん編

同じく移住直後の電車通勤での経験をもうひとつ。当時、私が利用していたCaltrainという電車は、自転車専用車両もある大型の電車でした。思わず「よいしょ」と言いたくなる高い階段を上って乗車するタイプ。よって、運転席も2階席のような高い位置にあります。
ある日の夕暮れ時、いつものように下車し、楽し気な声に魅かれて目を向けた先頭車両に、なんとも素敵な光景を見つけてしまいました。いかにもな感じの白い髭のおじさん運転手さんが、運転席から笑顔で上半身を乗り出しています。その運転手さんに向って、こちらもいかにもな気のよさそうなおばちゃんが、何かをを投げ渡そうとしているのです。どうやらクッキーか何か、お菓子の差入れのようですね。思うように運転手さんの位置まで届かずに「あらやだ、もう1回!よいしょっ!」「もう1回いくわね。しっかりとってよ~!」なんて。顔なじみのお客さんと運転手さんなのかもしれませんが、そうでないのかもしれません。「そうだ、今日はクッキーを持っているんだった。じゃぁ、これをあげよう。毎日ご苦労様!」ってところではないでしょうかね。夕暮れをバックに、まるで映画の1シーンのような光景でした。
これにしても、日本だったら「業務防回だ」なんていう他の乗客からの苦情にもなりかねない、なんて思ってしまいましたが、それもせわしない都内の電車を思い浮かべるからなのでしょうか。

「Laid-back」なアメリカ接客スタイルに思うこと

他に、日本とは違うなとつくづく感じるのは、レストラン、スーパー、ファーストフードなどで、休憩中だからといって従業員が制服を脱ぐ習慣、または、決まりがないということ。お客さんと同じエリアで制服姿の店員がランチをしていたり、買い物をしていたりすることも普通にあります。お客さんも「この人は休憩中なんだな」と察して、話しかけたりしないのが暗黙のルール。
そんな、「ゆったり」「のんびり」のリラックスした感じを表現する英語に「Laid-back」という言葉があります。椅子の背もたれにどっぷりと身を沈めて座っている姿をイメージしてくださいね。
日本の接客スタイルがどことない緊張感をともなう、背筋もシャキッとの正座スタイルなら、ソファーに腰深く掛けたLaid-backスタイルがアメリカ式。どっちがいいということもありませんが、行き過ぎないように注意はしたいところです。もちろん、受け手側がどう受け取るかにもよりますしね。真面目な正座スタイルだとお客さんも正座していることが多いので、あるべき姿を逸した光景には「あり得ない」「けしからん」ともなるのでしょう。
一方、お客さんもどっぷりとソファでくつろいでいるLaid-backスタイルだと「ま、いっか」となる率も高いよう。

アメリカに住む日本人にしても、日本に住む外国人にしても、チリも積もればのストレス要因にもなり得る、基本的なスタイルの違いなかもしれませんね。言うは易しと言われるかもしれませんが、これに関しては「ほぅ、そうなんだ~」「そうくるか!」「まじか」「すごいな」と、これも一経験と受け止めるのがおススメです。個人的には「郷に入っては郷に従え」というのはあまり好きではありません。生まれ育ってきた環境や考え方を変えるのはそんなに簡単なものではないですからね。
そこでキーとなるのが「open-minded 」。柔軟な頭と偏見のない心、とでも言いましょうか。外国に住んだからといって、なんでもかんでも郷に従う必要はなし。ただ、心を開いて人を見て、柔軟な思考で対応を決める。
それが、日本人アイデンティティを保ちつつ、海外で、それなりに楽しく生活するコツのひとつなのかもしれませんな。

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