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え、えっ~! まさかの折込チラシ    in アメリカ

新聞はもういらない? 

今時の世の中、新聞の定期購読をしている家庭は激減しています。今や何新聞をとっているかではなく、新聞をとっているかいないかが分かれ目。日本の私の実家は朝日新聞派。個人的には、新聞を隅から隅まで読むなんてことはしたことがありませんが、普通に家にあるものという感覚はありましたね。特に新聞を読む父の姿は、我が家の朝の定番風景で、私だったか兄だったかは子供の頃、父の仕事は会社で新聞を読むことと思っていたとか。今や母の一人暮らしとなった実家ですが、未だに天声人語を切り抜き、ノートに貼って、自筆で書き写すのが、母の日課のひとつ。
新聞はさておき、子供の頃から本好きな私ですが、どうにも電子書籍には慣れることができず、何度か試みてはみたものの、やっぱり重みと匂いのする「紙」でないと、という思いを実感するに至っています。

アメリカでも新聞需要の低下は同じこと。アメリカの新聞配達というと、早朝に新聞配達の子供が住宅街を自転車を走らせながら、各家の庭先にポーン、ポーンと新聞を放り投げる姿が印象的。といっても、私は実際に見たことはなく、あくまでも映画の中の記憶ですが。でも、庭先に投げられたと思われる新聞の実物は見たことがあるので、本当の話なのですよね。

新聞折込チラシ、日米の違い

さて、新聞につき物といえば、折込チラシ。少なくとも日本ではそうですよね。またしても実家の話になりますが、大量の折込チラシを一枚一枚仕分けするのも父の日課だったような。何を仕分けるのかというと、まず第一に利用しそうな店のものと縁がなさそうな店のもの。そして、第二には、紙質。というのも、私が2年前に一時帰国したときは、紙質の良い折込チラシは、丁寧に角型の箱に折られ、テーブル上のゴミ箱という第二の人生が与えられていました。薬の殻やお菓子の包み紙などを、その元折込チラシのゴミ箱に溜め、一日の終わりには箱ごとポンと捨てられるのが良いとのこと。私も実家滞在中にこのゴミ箱折りに参加しましたが、広告チラシにも関わらずなんて良い紙を使っているんだ!と改めて感心したものでした。

というのも、アメリカの折込チラシはというと… 新聞は取っていない我が家ですやが、折込チラシにあたるものは、毎日のように郵便受けに投函されます。内容はだいたい同じもので、スーパーマーケット、ファーストフードがメインです。クレジットカードや保険への加入を勧める郵便物と合わせて「ジャンク」という認定を受け、ゴミ箱に直行するものがほとんど。あえて取っておくものは、利用するかもしれないファーストフード店のクーポン付きのチラシくらいでしょうか。実家での折込チラシゴミ箱方式に賛同した私は、アメリカへ戻ってから、これは是非我が家でも、と思ったものでしたが、どのチラシの紙もペラッペラで、あり得ないレベルで無理でした。

こんなモノが折込チラシに?!

つい先日、たまたま旦那さんと一緒に郵便受けをチェックしたときのことでした。出がけだったので、何とはなしに取り出したものを確認しながら駐車場を歩いていたのですが、あるものに私の目が釘付けに。
それがコレ👇

思わず、口は開き、瞬きを忘れました…

そう、どう見ても拳銃とライフルです。ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って、と旦那さんに確認すると「そうだねぇ」と。それ以上答えようもないでしょうが。一体どこのチラシなのかと確認するとスポーツグッズ店のよう。次のページにもライフルがたくさん、そのまた次のページになってやっとスエットシャツや靴、アウトドア用品やグリルなどが出てきました。
聞くところによると、私たちが住むサクラメントあたり、またはもう少し北の方になると、趣味でハンティング(狩り)をする人も多いとのこと。旦那さんの前の職場では、ライフルなどの銃器が家にない従業員は、彼を含む二人だけだった、なんて言っていましたからね。それにしても…でしょ、というのが正直な私の気持ちですけど。
しかも、このチラシによると、一番安いライフルは99.99ドル(1万円以下)、そして一番安い拳銃が429.99ドル(4万円以下)。銃撃事件のニュースが後を絶たないアメリカ、銃規制の改正への賛同を求めるテレビコマーシャルはバシバシで、銃規制の改正を前面にアピールして選挙に参戦する政治家たち。これに関しては、一体アメリカはどこへ向かおうとしているのだろう?何が本当なのだろう?と思わずにはいられません。ちなみに、うちの旦那さん曰く、アメリカの銃規制は "No teeth" だそう。つまり「歯がない」=踏ん張りがきかない、ふにゃふにゃのものということのようです。

銃撃事件に備えるのがアメリカ

アメリカで生活して10年、私と銃の最短距離は、銃器を販売しているお店を外から見たこと。私の感覚としては、数は少ないにしても、タトゥーショップやサイキック(占い)ショップと同じ感じで、街中に普通に存在するもので「え?ここで銃を買えるの?」と旦那さんに聞いたことが何回もあります。少し調べたところによると、カリフォルニアで銃器を買うには年齢、犯罪歴、病歴などの確認、カリフォルニア在住であることの証明、銃器の所持にあたっての資格の取得などの条件はもちろんあるようですが、それにしてもそれでいいんですか?って感じ。誰でも買えちゃうじゃん。。。

もうひとつ、私のアメリカでの銃との関連といえば、今の私の職場であるWhole Foodsでは、年に1回、銃撃者に備えてのトレーニングの受講が必須です。トレーニングといっても、パソコン上で講義を受講するだけですが「ここはアメリカなんだ」と実感させられますね。
その時の画面の一部がコレ👇

これがアメリカの常識か

銃声を聞いたと思ったら「Run (逃げろ), Hide (隠れろ), Fight (戦え)」とのこと。テレビドラマなどで、学校に銃撃者が現われて、生徒がそれぞれに教室やトイレに隠れて、机や椅子でバリケードを作って、電気を消して、、、みたいなシーンを見たことがありますが、トレーニングの内容は全くその通りのものです。アメリカで生まれ育った人は、子供の頃から、このトレーニングを受けてきているのですね。日本の学校で定期的に防災訓練があって、地震がきたら当然のように机の下にもぐりこむのと同じこと、ということか。
地震などの天災にしても、銃撃などの人災にしても、どちらも恐れるべきものですが、まさに住むとこ変わればって感じです。

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