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メキシコ料理「Menudo」とは?


帰国までアメリカをEnjoy!

Time flies. (時間が経つのは早いです)
帰国まで残り1ヶ月をきりました。帰国準備で忙しいものの、今はアメリカ生活をEnjoyする最後のチャンス。会いたい人に会うことと食べたいものを食べることが重要。時間とお金に余裕があれば、アメリカ国内旅行といきたいところですが、今は近い将来の日本国内旅行に時間もお金もとっておくことにします。
食べたいものと言っても「あそこのアイスクリームをもう一度」とか「新しくオープンした紅茶屋さんをトライする」とか「あそこのお手頃ランチセットをもう一度」なんていうかわいいものばかりなのですが、残りの日々にそんな小さな楽しみを積極的にプラスしていこう、というのが夫婦の取り決め。

メキシカン料理「Menudo」とは?

メキシコが近いため、カルフォルニアに比較的多いのがメキシカンレストランです。私たちの生活圏内にも数多くありますが、私たちがリピートしているお店は2軒ほど。どちらに行っても「2 soft tacos with chicken (チキンタコ2つ)」が私のお決まりなのですが、実はずーっと気になっていたメニューがありました。それが「Menudo (メヌード)」というスープ料理。数年前のことですが、いつものメキシカンレストランでふと見ると、どのテーブルでも謎のスープが食されていたのです。それが私とMenudoの出会い。
調べてみると、やたら人気の謎のスープはMenudoという牛の胃袋入りのスープということが判明。日本人の私はそれを聞いても「えぇぇ?!」とはなりませんが、アメリカ生まれでアメリカ育ちの旦那さんにはあり得ない一品。ベトナム料理のフォーにも牛の胃袋は定番なので、内臓まで食べつくすのはアジア的なのでしょうか。あ、でも、メキシコもか。
まぁ、とにかく、日本でいうところのモツ煮みたいな感じなのかなぁ、と。

後日、一緒に働いているグアテマラ出身のPabloに私とMenudoの出会いを話すと、彼の第一声は「それって週末だったでしょ?」というものでした。そういえば確かに土曜日か日曜日の午前中の光景でしたねぇ。
なんでもMenudoは、飲んだ(多分テキーラ)翌日に食べるものなのだとか。二日酔いに効くっていうことなのでしょうか。とにかく、メキシコ人の日常生活に根差したそんな話を聞いて、私の好奇心は爆上がり。

Now or never!

MenudoにTryするなら帰国前の今しかない。Now or never!
ということで「今日はMenudoを食べる」と心に決めてメキシカンレストランへ行ってきました。Tryが今になった理由はいくつかありますが、メキシカンレストランでもMenudoを提供しているお店が少なく、私たちが時々行くお店でも週末限定なのです。それに加え、私としては値段と量に躊躇していたことも大きかったですね。珍しいからなのか、結構いい値段するのですよ。私のお決まりの「2 soft tacos with chicken」が5~6ドルくらいなのに比べ、Menudoとなると小さい方を選んでも16ドルはします。そして小さい方と言っても食べきれるだろうか?の量で、万が一好きな味ではなかった場合のことを考えて踏み切れずにいたのです。それを後押しするように「本当に食べられるの?牛の内臓だよ。大丈夫なの?」としつこく尋ねる旦那さんが隣にいましたしね。
でも、シチュエーションは、Now or never。今回ばかりはブレずにMenudoをオーダー。ところがオーダーが少してこずりました。オーダーをとってくれたラティーノの女の子が「Beef and Hominy?」と聞いてきたのです。Beefは分かるけど、え?何?もうひとつは何て言った?
何度聞き返しても「Beef and Hominy?」のみ。
アメリカに住んで実感したことのひとつは、言語が得意なタイプの人と苦手なタイプの人がいるということ。比較的得意とするタイプの人はこんな場合、違う言葉で言い換えるか、理解されていないと思われる言葉を易しい言葉で説明してくれます。一方で、同じ言葉を同じアクセントでひたすらリピートするのが言語下手タイプ。らちが明かないので、横にいた旦那さんに助けを求めるも、彼も何のことか分からなかったようで、終いには「いいからYesって言いなよ!」となりました。私としては、何か他のオプションを見逃しているのではないかという懸念と、分からないままにYesと言って、とんでもないものがでてきて、とんでもない金額を請求されたらどうするの?という思いでねばっていたのですが、ならば「Yes」と答え、やっと先に進むことができました。ほんのささいな言葉の問題のせいで自分が必要以上にお馬鹿さんだと思われているような感覚にさせられるのは、海外在住あるある。最近は随分減りましたが(慣れただけなのか?)、それで悔しい思いも味わってきたものです。
ちなみにHominyというのは、乾燥したとうもろこしでできた食品の名前のことでした。要するに「牛の胃袋とHominy入りでいいですか?」ということだったようですが、牛以外の選択肢があったのか、またはHominy以外の選択肢があったかは不明のまま。料理を待っている間、旦那さんとこの件について話し合いましたが、お互いに英語を母国語としない私と店員さんの会話だから必要以上に手こずったのではないか、というのが彼の見解。だから、助けてもらいたかったんじゃん!と言うと、彼も何と言っているのか聞き取れなく、予測をすることはできたけどHominyが何なのか知らないから何とも言えなかったのだとか。

実食!

何はともあれ、ついに念願の「Menudo」が目の前に。それがこれ👇

これに、いわゆる薬味的な感じで、ライム、チリ、オレガノ、
玉ねぎのみじん切りがついてきました。

まずはスープから。
真っ赤な見た目通り、辛いには辛いものの、おいしい辛さ。私は強いか弱いかは別として、辛い味わいは好きなのです。そういえば、一年前、抗癌剤治療が始まって味覚障害とドライマウスが深刻になってきたころ、ついいつもの調子でスパイシーなチキンウィングを口にして、えらい目にあいましたっけ。あれでしばらくの間スパイシーなものは一切食べられなくなりましたが、今ではキムチもホットソースも、そしてMenudoもWelcome。幸せ。

スープに続いて、これぞMenudoと言えるTripeと言われるハチの巣のように見える胃袋を。これはフォーに入っているのを食べたことがあるので、目新しいものではありませけどね。まぁ、特別好きというレベルではないけど、おいしく食べられました。
そして、苦労させられたHominyはというと、小さなジャイアントコーンの見た目ながら、トウモロコシが原材料なのがはっきりと分かる味わいでした。
大きな骨の塊は多分出汁を取るためのもので、食べられる部分はありませんでした。
注目は、胃袋ではない謎の部位。これが美味!何に近いかと言ったら軟骨なのですが、コリコリとプニプニの中間というか混合というか… 
コラーゲンの塊って感じ。
後日、写真をPabloに見せて聞いたところ、牛のスジ肉だったことが判明。アキレス腱やらの腱がついたお肉なので、コリコリ&プニプニの美味しさだったのですね。肉というほどの肉もついていなかかったので、ほぼ腱だったような気もしますが、Pabloもその部位が一番好きだと言っていました。

また、忘れてはいけないのがライムの仕事。途中でスープに絞ることでさっぱり感が加わって、より食べやすくなっただけでなく、Tripeの食感とスープの味わいに飽きがきそうなところで、搾り後のライムを吸うことで口の中が一新され、その後のMenudoも美味しくいただくことができました。
テキーラのShotにはライムが必須ということは知っていますが、もしかしたら、メキシカン料理全般、ライムとの相性がいいのかもしれないですね。

右側にあるのが、私とPabloが絶賛する牛筋部位


中央が骨。周りにあるたっくさんのハチの巣が胃袋。

ご当地料理の魅力

Menudoは牛の胃袋のスープなので、日本でいうところの「モツ煮」に近いのかなぁと思いましたが、もしかしたら位置付け的にはラーメンに近いのかも。というのも、後日、同じンベーカリーで働くメキシコ人のケーキデコレーターのEddieにMenudoの話をしたところ、彼女のホームタウンのMenudoはスープが白いのだそう。辛いスープであることに変わりはないとのことですが、地域によってMenudoに違いがあると聞くと、札幌ラーメン、博多ラーメンと、地域によって特徴が異なるラーメンが想像されます。
マレーシアにはLaksa (ラクサ)という、同じように地域によって特徴が異なる麺料理がありますが、Menudoにも同じような印象を受けますね。国内の旅行先で食べ比べを楽しめるのは魅力的。

私はお酒は飲まなので、飲み後のシメのラーメンとか、二日酔いに食べたいものなんていう経験もイメージもほぼ皆無。また、モツ煮好きでもないので、メキシコ旅行にでも行かない限り、Menudoは縁のない食べ物なのですが、日本へ帰国したらそれこそ皆無となるであろうMenudo体験をアメリカでできたことで、十分に満たされたのでした。
あ~幸せ。

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