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父の日にあたり、お父さんへ

お父さんが旅立ってから2回目の父の日を迎えようとしています。去年の今頃は、店頭に並ぶ「父の日カード」にやたらと目が行ってしまい、もう送らないんだ…と改めて寂しさを実感したものだったよ。今年はね、、、

昨日、Youtubeで何気なく懐かしいJ-Pop巡りをしていたら、お父さんが好きだったハウンドドッグの「ff」に行きつき泣けてしまった。抗癌剤治療初日の夜だったかにYoutubeのリンクを送ったよね。見れる状況ではないだろうとは思っていたけど、誰かのために曲を選曲するのは得意なんだ。あの時はそれぐらいしかできなかった。「ff」が流行っていた頃、私はまだ10歳そこらで、全く理解できず「お父さんはなんでこれが好きなんだろう?」って不思議だったけど、大人になって聞くと、とにかく熱くてかっこいい。一見そんな風には見えないけど、内に眠るお父さんの「情熱」に響いたのかな、なんて今は思うよ。私の高校時代の仲間からは「トトロに出てくるお父さんみたい」なんて言われていたけどね。お父さんの容態が急変したってお母さんから連絡をもらったときも、ただ「ff」をかけて「頑張って」って思ってた。「お兄ちゃんが行くまで頑張ってよ」だったのか「お兄ちゃん早く行ってよ」だったのか、「お母さん頑張って」だったのか、ただ単純に「お父さん頑張って」だったのか。岩崎宏美とかサザンオールスターズ、ユーミンとかもお父さんのお気に入りだったけど、なぜか私の中では、お父さんの主題歌はハウンドドッグの「ff」なんだ。

そんな昨日、お兄ちゃんはお兄ちゃんで「なんとなくお父さんのことを考えながら歩いていた」なんて言っていたよ。お父さんに対する思いに関しては、私とお兄ちゃんはやっぱり似ているみたい。同じような時期に同じようなことを感じたり、考えたりしていることが多い気がする。そういうものなのかね。

今日は、父の日に向けて大きなスイカを買ってきたよ。スイカ好きのお父さん用ね。お母さんはもちろん、お兄ちゃん一家もスイカ丸ごと1個は手に余るということだから、私がスイカ担当。お母さん曰く、冷やして「志村けんスタイル」にカットするのがお好みということで。明日の朝に切るから一緒に食べようね。でも、本当はね、私、普段は「志村けんスタイル」にはしないんだ。スイカは好きだよ、大好き。でも、ほっぺたにスイカ汁がつくのがなんだか嫌で、一口サイズに切ってタッパーに入れちゃうの。意外とお上品でしょ。私の記憶にはうっすらとしかないのだけど、お母さんが私は赤ちゃんの頃から裸足で芝生に降りるのを嫌がったって言っていたじゃない?素足が汚れるのが嫌だったんだよね。変なところが神経質。でも、明日の朝は「志村けんスタイル」に付き合うから楽しみにしていてね。

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今日買ってきたスイカだよ~♪


お父さん、インスタグラムにスイカの写真を投稿したの覚えてる?その年3個目のスイカに満足、翌朝に冷えたスイカにかぶりつくことを妄想しながら重いリュックを背負って帰る、なんて書いていたよね。それが2020年の7月の頭。そして、その年の11月には逝ってしまったんだから信じられないよ。更に言ってしまえば、その年の春には検査結果がよかったことに喜んで、コロナ渦にも関わらず、つい桜を見に行ってしまったという投稿も。毎年桜の季節が来るたびに、そしてスイカの季節が来るたびに、改めて思い返さずにはいられない。本当にあっという間だったなって。

私のことを長年知る人も、お父さんのことを私から聞いたことしかない人も、私は「お父さんっ子」だったと思う人が多いみたい。どうなんだろう?子供の時から「お父さんとお母さんのどっちが好き?」という質問には答えが明確に出たことがなかった気がする。子供時代、青春時代、そして大人になってからも「お父さんの方が好き」とも思ったこともなければ「お母さんの方が好き」と思ったことがもい、と思う。父と娘の関係と、母と娘の関係は全くの別物。だからこそ、どちらも大切。なんて幸せ。

お父さん、勝手にだけど、夏のスイカと年末のシクラメンは、私が後を継いだ気でいるからそのつもりで。

                お姫様のように育つはずだった娘より

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