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アメリカのホリデーシーズンに店頭に並び出すモノ



もうすぐサンクスギビング♪

来週の第4木曜日、11月23日はThanksgiving (サンクスギビング)です。日本語にするなら感謝祭。実りへの感謝、日頃のありとあらゆる状況や、人への感謝を改めて心に刻みながら、家族が集って食卓を囲む、アメリカではクリスマスに並ぶ祝日です。日本ではハロウィンがそれなりの形で定着し、イースターも少しずづといった印象を受けますが、サンクスギビングはなかなか日本にはなじまないでしょうね。理由は仮装とかエッグハントのような、これといった目立ったイベントがないから。おそらく、一体何を誇張したらいいのだろう?…という、謎のイベントに映るのではないでしょうか。

アメリカ人にとって、いうならば、サンクスギビングは日本人にとってのお正月のような、無条件に心待ちにする大切な日のようです。あたりまえかもしれませんが、アメリカに住んで10年が経つものの、私にはまだこの感覚が芽生えてきません。今でもまだお正月のほうが心が踊ります。なので、サンクスギビングに働かなくてはいけなくてもなんてことはありません。アメリカ人にとってはサンクスギビングに働くなんて、悲劇でしかないようなんですけどね。
とは言え、この時期特有の雰囲気、そして、サンクスギビング時期限定で登場する食べ物の数々はウェルカム。日本でかろうじてイメージができるサンクスギビングの食べ物と言ったら、七面鳥(チキンではない!)とパンプキンパイがいいところかもしれませんが、他にもいろいろあるんですよ。
ということで、今日はこの時期になると店頭に並び出す、サンクスギビング商品をいくつか紹介したいと思います。

①謎の需要?! 昔ながらのPNETTONE(パネトーネ)

まずはこちら。

店頭に並んだパネトーネ


「あら~おいしそう。フルーツケーキね~!」という日本の母の声が聞こえてくる気がしますが…
これはPANETTONE (パネトーネ)と呼ばれる、ホリデーシーズンになると登場する甘いパン。まぁ、フルーツケーキとも言えるのかな。元をたどれば、イタリア発の、クリスマスに食べる贅沢なお菓子となるようですが、サンクスギビングが近くなると、どのお店にもパネトーネの山が登場します。さぞかし人気があるのだろうと思うでしょうが、それがそうとは思えないのが謎。商品自体はというと意外にも、結構パッサパサ。日持ちすることを重視してのためかとは思いますが、味気ないというかなんというか… 
私が知る限りで、PANETTONEはもちろん、フルーツケーキが好きというアメリカ人は、アメリカにはほぼいないように思われます。『ホリデーシーズンにフルーツケーキ』というイメージはあるにもかかわらず、フルーツケーキと聞くとアメリカ人の誰もが「なんだ、フルーツケーキ?じゃぁ、いらな~い」って感じなんですよ。
にもかかわらず、ホリデーシーズンになると店頭にはPANETTONEが並び、いつのまにか売切れているこも珍しくありません。でも、売切れ後に「PANETTONEはないの?」というお客さんは、私の経験上では、みなさんお年を召されたお客様。多分、そういうことなのでしょうね。

もう何年も前になりますが、このアメリカ人の「フルーツケーキはおいしくない」概念に対抗したくなり、試作を重ねて超おいしいフルーツケーキを作ったことがありました。フルーツとナッツたっぷりで、ラム酒もほどよく使って、しっとり&ずっしりの私好み。そして勇んで旦那さんファミリークリスマスパーティーに持参しましたが、「何作ったの?」「フルーツケーキ」「えぇ~?フルーツケーキ… (あきらかな落胆)」の会話を、兄弟、従妹と繰り返すはめとなりました。恐るべし、アメリカ人のフルーツケーキ嫌い… 半ば強制的に食べてもらいましたけどね(笑)。
でも、そのフルーツケーキを「今まで食べた中で、間違いなく一番おいしいフルーツケーキだった!」と大感激で大絶賛したのが、お隣に住む、仲良しのおばあちゃま。そう、やっぱり、そういうことのようですね。


②これは一体…? Stuffing (スタッフィング)

お次は、こちら。

なんじゃこれ?でしょうか…


ちょっと分かりづらい写真ではありますが、何だか分かりますか?
「クルトン!」という声が聞こえてきそうですね。これはStuffing (スタッフィング)と呼ばれる、七面鳥の中に入れる材料のひとつです。ダイス状にカットし、乾燥させたパンのこと。味はついていません。七面鳥の中に入れるよくある他の材料は、ソーセージや小さくカットした野菜などになるようです。
変わりどころとしては、七面鳥 (ターキー) の中に、あひる (ダック) を入れ、そのあひるの中に鶏 (チキン) を入れる、「ターダッキン」なんていうものがありますが、これはよほど凝った人でないとやらないでしょうね。おいしいのかなぁ。食べてはみたい。

私が働いているベーカリーでは、数年前まではこのパンのスタッフィングも作っていました。作ると言っても多めにパンを焼き、それをスライサーで細かくし、オーブンで焼き上げるだけですけどね。今でも、ホリデーシーズンになると「フレッシュなスタッフィングが欲しい」というお客さんが現われ、その場合は、通常のパンを細かくスライスして袋に入れて売っています。

⓷特大の香り付き Pine corn (パインコーン)

最後は、食品ではなく、飾り物というか香りものというかの、この一品。

見、見えない…

行きつけのスーパーで売られている状態を撮ったので、分からないですね。要するにこれのこと。


でかくないですか?もちろん、本物ですよ。


はい、松ぼっくりのことです。ただし、特大のアメリカンサイズ。ホリデーシーズンになると、シナモンの香りづけをされた、特大の松ぼっくりが店頭に並びます。このシナモンの香りだけで「あ~、ホリデーシーンだぁ」って思いますね、私でも。買ったことはありませんが、みなさん実際にはどうやって使っているのでしょうか。やっぱり、家の中やお庭の飾りつけかな。
1個、2個で買えるのなら欲しいものです。
最近では、私も見慣れてきてしましましたが、アメリカの松ぼっくりはとにかく大きいんです。手のひらサイズ、当たり前。初めてアメリカに来た時に、写真を撮りまくった記憶がありますね。今となっては、日本の松ぼっくりがやたら小さく可愛く見えるものです。
そういえばですが、秋になるとよく落ちているどんぐりは普通サイズですねぇ。どんぐりも特大だったらおもしろいのにな。日本のうさぎサイズのアメリカのリスたちにしても、特大のどんぐりは望むところでしょうしね。

感謝、感謝のサンクスギビング

こんな感じで、今のシーズンのアメリカの店頭には、期間限定の楽しさがあります。当然のことながら客足も一気に増えるので活気もあります。外国人のみなさんには、できるものなら日本のお正月を体感してもらいたいと思うように、日本人のみなさんにはアメリカのホリデーシーズンを体感してもらいたいと思います。それくらい独特なものがあるのです。

さて、1週間後のサンクスギビング、今年は何を食べるのかなかぁ。
とにかく、どんな状況であれ、毎日、美味しく食べられるものがあることに感謝。
理解ある職場の仲間に感謝。
そして、いつでもどこにいても、寄り添い、応援してくれる、大切な家族や友達に感謝。
今年は特に、そんな特別なサンクスギビングになりそうです。良き良き。


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