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建築か建築家か。(before展覧会:菊竹清訓 山陰と建築展)

はじめに。

こんにちは。
アートブロガーの町平亮です。
2021年1月22日(金)~3月22日(月)の期間で島根県立美術館で開催されます「菊竹清訓 山陰と建築」展。
今回も開催前の予習記事を書いていきます。

菊竹清訓氏は福岡県久留米市の出身ですが、島根県とはゆかりが深く、ここ《島根県立美術館》も設計されています。
建築に詳しい方なら、《スカイハウス》《出雲大社庁の舎》《東京都江戸東京博物館》《九州国立博物館》などが有名かもしれません。

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私は建築には疎いので、今回どのようにbeforeを書こうかとても頭を悩ませました。素人の一夜漬けの浅知恵を披露しても、すぐに底がばれてしまうので自分なりに建築系の展覧会をどうすれば楽しめるのか、という視点で考えてみようと思います。
(↓下記の建物は九州国立博物館)

九州国立博物館4128594_s

山陰地方にある菊竹清訓氏の建築物。

1、東光園(1964年・米子市)
2、島根県立図書館(1968年・松江市)
3、萩市民館(1968年・萩市)
4、島根県立武道館(1970年・松江市)
5、萩市庁舎(1974年・萩市)
6、田部美術館(1979年・松江市)
7、出雲大社神祜殿(1981年・出雲市)
8、境港マリーナホテル(1985年・境港市)
9、島根県立美術館(1998年・松江市)

上記は山陰地方にある代表的な菊竹清訓氏の手による建物です。
私のホームグラウンドなのでご了承ください。
全国的にはまだまだありますので、良かったら調べてみてください。
お住まいの近くにもあるかもしれません。

メタボリズムと未来都市の構想。

とは、本展覧会のチラシの中に書かれていた見出しのひとつです。
菊竹清訓氏のことを調べていると、どうしてもぶつかってしまうのがメタボリズムという建築運動です。
このことについては実際に展覧会へ行ってから、そこで自分が何を思うか、感じるかをafter展覧会の記事で書こうと思っています。
何はともあれ、当時(1960年代~)の建築における現状のある側面を打破しようとしてのアウトプットの数々ではないかと勝手に認識しています。
それでは、その現状とは?いったい、どんな時代だったのか?

1960年代。

菊竹清訓氏がメタボリズム建築運動を仲間とともに始めたのは1960年代に入ってからです。
私は1977年の生まれなので、1960年代を知るためには誰かの創造物を介さなくてはなりません。私は時代というものは客観視できないと思っています。例えば、1964年に初めての東京オリンピックが開催されました。良い思い出を残している人もいれば、苦い思い出として記憶されている人もいるでしょう。つまり、時代を語ることはその人の主観を語ることに他なりません。
菊竹清訓氏は1960年代前後から新しい建築や設計のアプローチ方法を模索し、実践をはじめます。そこから浮かび上がってくるのは、それまでの建築をどう捉え、何を変えていきたいのか、といった話にとどまらず、氏が見ていた1960年代の日本をもしかすると追体験できるのかもしれません。

1960年代を知るためには、その時代を背景にした映画や小説などをきっかけにすることができます。例えば、『Allways三丁目の夕日』シリーズ、『コクリコ坂から』『ノルウェイの森』など。
あるいは、当時に公開された同時代の映画や小説や音楽などを見ることもできます。例えば、『ウッドストック・フェスティバル』『ティファニーで朝食を』『猿の惑星』『俺たちに明日はない』など。
しかし、私自身を振り返ってみると前者の作品群はよく見ても、後者の映画等はほとんど見ていないことに気付きました。何か1960年代に表現されていたもので既に見たり読んだりしたものがないだろうかと必死に調べてみました。。。ありました。
1962年から1966年にかけて産経新聞夕刊で連載されていた、司馬遼太郎先生の『竜馬がゆく』!!

建築(系展覧会)をいかに楽しむか。

建築系の展覧会は、絵画や工芸品の展覧会とちがい、作品(=本物の建物)は美術館で展示できません。当たり前ですが。
ただ、この展覧会を鑑賞したあとに実際に本物を目にする機会があれば、きっと見るべきポイント、見たい位置がより明らかになっているはずです。
建築系展覧会を楽しむとは、美術館で完結するものではなく、その先にある建築物探訪も含めてのことになるのでしょう。

さいごに、
上記は島根県立美術館の公式Twitterです。
イメージを目に見える形にすること、それは建築物も展覧会も同じなのかもしれません。
開催が待ち遠しいです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

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