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公立小学校の「トンデモ」見聞録(4)

(2012年5月17日「松ちゃんの教室」ブログ記事再掲)

昨年、拙ブログの記事「無言で集中力向上!?」で地元福島にもあった「トンデモ」校則を紹介したことがあった。

しかし最近、実はまったく他人事ではないことが判明した。

なんと、長男のクラスでは全員黒板側(前方)を向いて黙々と給食を食べているらしい。しかも、しゃべった子は前に出されてみんなの方を向いて食べさせられるらしい。

いずれも小1男子の拙い報告によるものだから、実のところは定かではない。が、複数の証言から察するにあながちウソでもなさそうなのだ。

確かに、初めての保護者会で、年配の担任教諭から「給食で『もぐもぐタイム』というのを設けているんです」的な説明はあった。しかし、そのネーミングといい語り口といい、およそ「無言給食」を想起させるようなものではなかった。

百歩譲って、始まったばかりの学校生活に慣れさせ、まずは集中して食べられるようにという教育的指導として、わからないではない。

先の記事で書いたように、元教員としては動物園かと見紛うような給食タイムを避けたいという気持ちも、まぁわかる。

しかし、学校はお寺修道院ではない。清掃や給食は修行苦行ではない。

念のため家庭訪問の機会に、この道約30年というベテランの担任教諭へ直に聞いてみることにした。

「消化に悪いのでは?」
「せっかくの給食が美味しく食べられないのでは?」
と聞いたら、これまでも何度か繰り返してきたとおり
「時間内に食べさせなければならない」
「学校は保育園と違う」旨を強調したあげく……
「食育です」
と言い切った。

子どもの頃、牧師であった厳格な伯父には「黙って食べるな」とよく注意されていた。当時は、何を話したらいいかわからずに困ったものだ。しかし、外国文化にも通じていた伯父一家にとってはそれが国際的なマナーであり、礼儀であり、しつけでもあった。

長男は保育園の卒園式で、「ひらけ!ポンキッキ」で放送されていた「ドキドキドン!一年生」という歌を歌った。

歌詞にはこんなフレーズがある。

サクラさいたら 一年生
ひとりで 行けるかな
となりにすわるこ いい子かな
ともだちに なれるかな
だれでも さいしょは一年生
ドキドキするけど ドンと行け

(中略)

チョウチョとんだら 一年生
かばんは おもいかな
ねむたくなったら どうしよう
きゅうしょくは うまいかな
みんなも おんなじ一年生
ドキドキするけど ドンと行け

不安と期待の入り混じった卒園児たちを温かく励ます応援ソングである。

ランドセル、教科書、授業、宿題、そして給食。すべて初めての体験。せっかく小学校生活のスタートを楽しみにしていたのに…。

(つづく)






そんな思いが頭をよぎる。

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