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#006 最も簡単なペルソナ設定

拝啓 ペルソナに翻弄ほんろうされている方へ


長い間(約30年)広告業界にいるので、ペルソナは理解しています。
映画やテレビで「FBI のプロファイリング」がすごく流行はやって、
そのあと、徐々じょじょに、
この言葉[ペルソナ]が使われ始めたような気がします。

■プロファイリング=過去の犯罪データから具体的な犯人像を導き出すこと
■ペルソナ=設定ターゲットを深掘ふかぼりした具体的かつ特定の人物像
(より具体的な人物像ってところが似ています)

広告業界はもちろん、商品開発~販売において、
また経営コンサル界隈かいわいなどで使用されるペルソナは、
マーケティング戦略上、重要かつ実効じっこう性があります。
企画立案りつあん時、プレゼンする時、チーム内の共通認識のためなど、
いろいろマジで役に立ちます。

ちなみにわたし、リクルートという会社にぞくしていた頃、
ペルソナに限らず、さまざまな最新カタカナ用語を、
社内外問わず、ちょくちょく使っていました。
理由は、便利だから。しかも頭良さそうで、何だかカッコいいから。
いま振り返ると、 ハズっ! ダサっ! なヤツです。

さてさて、本題です。
小説を執筆しっぴつする前の「ペルソナ設定」についてです。

爆発的なヒット作が生まれると、雨後うごたけのこのごとく、
似たような作品がわんさかわんさか出現します。
映画も、ドラマも、音楽も。もちろん小説も。

出版社や編集者は、マーケティング戦略上、
似たような作品を書いてほしいとせまってきます。
すでに「ペルソナ設定」できている読者に向けた作品であれば、
しかも成功事例にならった作品であれば、
ある程度の効果(販売実績)を期待できるからです。
ブームに便乗びんじょうすることは間違いではありません。
むしろ王道。大正解です。

これから小説の執筆しっぴついどもうとする方も、
①いま、このジャンルが流行はやっているから、自分も書いてみよう
②自分も、このジャンルが好きだから、書いてみたい
とても自然で、高いモチベーションで執筆しっぴつできる動機だと思います。

しかし、いざプロットを考え始めると、あるいは書き始めると、
「オリジナル作品のつもりなのに、既視感きしかん真似まね?」
類似るいじ作品? まさか盗作とうさくだと思われる?」
などなど、不安にられると思います。
こればかりはいたかたありません。
だって、そもそも二番煎にばんせんじなのだから。
てか、二番煎にばんせんじの作品であることを自覚しつつ、
その恥ずかしさは割り切って、
プロット作成~執筆しっぴつのぞむべきだと思います。

ここで、ぜひとも注目していただきたいのが、
前述ぜんじゅつの、
②自分も、このジャンルが好きだから、書いてみたい
という動機の部分です。
すでにお気づきの方もおられると思いますが、
まさしくコレが「ペルソナ設定」になっています。
つまり、その作品のペルソナは「あなた自身」。
具体的かつ特定の人物像が設定されています。

だから、たとえ二番煎にばんせんじの作品でも、
ちゃんと「ペルソナ設定」できているので、ぱしっても構わないのです。
二番煎にばんせんじでも、面白い作品に仕上げることはできます。
「でも、やっぱり二番煎にばんせんじは、ヤだな~」
そうした後ろめたさをぬぐいきれない方も多いと思います。
わたしもブームに便乗びんじょういやですから。

ならば、そのジャンル、やめましょう。
あなたは、他のジャンルも好きでしょうし、
気になるテーマや、心が動いたトピックなど、いろいろあると思います。

ペルソナは「あなた自身」のままでOK!
自分をペルソナに設定したまま、
違うテーマや、違うネタ、違うジャンルで、
プロット作成に(不安なく自信を持って)向かってください。
プロフィール、ライフスタイル、価値観、趣味嗜好しこう、性格など、
ご自身のことなので、ペルソナ設定は、しっかりちゃんと終わっています。

さて、この記事のタイトル「最も簡単なペルソナ設定」というのは、
自分をペルソナにすること。つまり、

ペルソナ=自分自身

です。その上で、お伝えしたいことが、2つあります。

■1つ目
自分自身(=ペルソナ)が読みたいものを書こう
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自分が読みたいものを、自分で書き進めていると、
登場人物に自然と感情移入してしまいます。
わたしは、笑いながら、ときには泣きながら、書いています。
コレ、なぜだか、読者に届きます。
知人・友人から「笑った」「泣いちまった」と言われたこともあります。

■2つ目
その小説の一番最初の読者に自分がなれる
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コレ、実はスゴいことです。
自分で小説を書くからこその「特権とっけん」です。
世界初の、ナンバーワンの、オンリーワンの読者になれるのです。


★ショパンのノクターンがきたくなる小説★
新井あらい 素子もとこ 著「グリーン・レクイエム」


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