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【DEI】 沖縄から福岡に転校して1秒でマイノリティへ。たった1秒で人は異物になる。
1秒でマイノリティを自覚した転校初日
小学校5年のときに、父の転勤で、沖縄から福岡に引っ越しました。
福岡では、町並みや歩く人のファッションなど、すべてが洗練されて見えました。空港に降りたとき、自分が田舎からやってきたことがみんなにバレているような、ソワソワした気持ちでいたことを今でも覚えています。
憂鬱だったのは、間もなく転校初日を迎えなければならないことでした。もともと超内向型の私には、転校初日というあのプレッシャーは耐え難いものがありました。
そして事件は、転校初日に起きました。
内向型の私は、初対面の中に放り込まれるだけで、その刺激に圧倒されて言葉がでなくなります。それなのに、教室で交わされるのは、聞いたことのないイントネーションの博多弁。それがますます私の口をつぐませました。
「沖縄から来たなんて、バレてはいけない」
そう決意してからほどなく、隣の席の女子が、ハイテンションで話しかけて来ました。
「プリント持ってきとーと?」
私は、数時間前まで自宅で使っていた沖縄なまりのイントネーションから、すべてのクセを排除して、慎重に返事をしました。
「そのプリント、もらってないかもしれん」
何とか切り抜けられたと胸を撫で下ろした次の瞬間、その子がクスリと笑ったのです。私はたった1秒で悟りました。ダメだ、私はここでは、異物なのだと。
その日から始まったマイノリティとしての苦悩
転校初日の一言目から、私のマイノリティとしての苦悩が始まりました。なまりだけでなく、着ている服、履いている靴、髪型、色の黒さなど、すべてが私のコンプレックスになりました。
毎日毎日、恥ずかしい目にあわないように、言葉を発さず、目立たずに過ごそうと努めました。苦しい毎日でした。
幸いその後は、カリスマ的な先生や、良い友人たちとの出会いのおかげで、私の殻は破れていくのですが、それでも、いわゆる「心理的安全性」を感じるまでには、長い期間を要しました。
たった一言、たった1秒で、人は排除される。だから「インクルージョン」を実践したい
私たちが自覚していないたった一言で、意識してもいないたった1秒で、私たちは誰かを排除できてしまいます。そして人知れずその人を長きにわたって苦しめるのです。
研修ファシリテーターとして、「人の最高」を引き出すお手伝いをしている者として、自分の経験した苦しみを大切に活かしていきたいと思っています。
排除された人を見つけ、再び輪に連れ戻す「インクルージョン」を、自分の半径5メートルで実践していきたいと思っています。
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