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【K領域/U領域】基本的な考え方まとめ

こんにちは、馬渕です。

今回は、私が普段使用している【K領域/U領域】というシンプルな対概念をご紹介したいと思います。

以下でお話する通り、これは「既知と未知の区分」に対応する言葉で、
大まかに言うと

K領域」とは、既知の領域(Known area)
U領域」とは、未知の領域(Unknown area)

をそれぞれ意味します。

知識・情報を分かりやすく整理することに関心がある方には、ぜひお読み頂ければと思います。

【K領域/U領域】とは何か?

物事について思考したり、知覚認識したり、理解しようとするとき、私たちは常に「2つの領域」に関わっています。

その2つの領域とは、「既知の領域」と「未知の領域」です。

この2つの認識の領域を、私は【K領域】と【U領域】と呼んでいます。
KとUはどちらも英語のイニシャルからとっています。

K領域」とは、既知の領域(known area)のことで、「既に認識されていること」がすべて含まれる領域です。

既に知られていること、見えていること、気付かれていること、理解されている事、考えられていること、、、

このように自分がこれまでに獲得したあらゆる考え・気付き・学び・理解・把握などの認識が含まれる領域です。

U領域」とは、未知の領域(unknown area)のことで、「未だ認識されていないこと」がすべて含まれる領域です。

未だ知られていないもの、見えないもの、気付かれていない事、理解できていない事、考えられていないこと、、、

このように自分がまだ得られていない「新しい認識」の領域です。

以下は簡単なイメージ図です。

※補足①K領域/U領域は、認識主体(誰にとって?)によって変わります。
※補足②U領域は無限に広がっており、勿論常にK領域よりも大きいためにU領域>K領域という不等式が覆ることはありません。

【K領域】と【U領域】の具体的事例

【K領域/U領域】は、私たちがもつ様々な知識・情報などを整理するための概念です。

幾つか事例を挙げてみたいと思います。

■0.目の前の景色
自分の観点から見える、眼前の景色は「K領域」で、それ以外の自分の位置から見えないところは「U領域」に属します。
「K領域」➡自分の視界(目の前の景色)に含まれているもの。
「U領域」➡自分の視界に含まれていない、見えないもの。

■1.失くしもの
自分のスマホや財布を失くしてしまったとします。すると視覚的にはそれらは見えない(視認することができない)ため、「視覚的なU領域」に属することになります。もし見つかれば「視覚的なK領域」に移行します。

■2.生物の細胞
私たちが肉眼で生物を観察する限りでは、細胞の構造というのは目に映ることがありません。視覚的には、そこは「U領域」にあります。電子顕微鏡を覗き確認するとき、その構造は視覚的な「K領域」に入ることになります。

■3.書物の頁
書物を繙くとき、開かれているページは「K領域」にあり、閉じられたページは「U領域」にあります。

・・・

■1.ミステリ小説の犯人
読み始めたばかりのミステリ小説の中で、「犯人が誰であるか」という認識は「U領域」にあり、小説を読み終える頃にはその認識は「K領域」に含まれることになる、と言えます。

2.学習のシーン
例えば、新しい分野の勉強をする時、既に知識があること・学んだこと・理解できたこと等は「K領域」に含まれ、未だ知識がない箇所・学んでいない事・理解できていないことは「U領域」に属するという感じです。

■3.新種の昆虫
昆虫学者が森林で新種の虫を発見した場合、これまでその昆虫の存在についての認識は人間にとって「U領域」に含まれていたものですが、発見によって「K領域」に移行することになります。

■4.新しい天体
同様に、天文学者が新しい天体を発見し命名するとき、その天体に関する認識は「K領域」から「U領域」に移行することになります。

■5.数学の問題の答え/未解決問題の解法
自分が解くことができる数学の問題の解は「K領域」に含まれ、解くことができない数学の問題の答えや考え方は、「U領域」に含まれます。

また数学の未解決問題の解を導く考え方は、人類にとって思考上の「U領域」に属すると考えられます。

・・・

【K領域】と【U領域】の使い方

この概念は、私たちが思考するシーンではいつでも使うことができ、様々な使用方法が考えられます。

①知識&情報などを整理するための図式&記号法として
②問題解決のプロセスを記述する方法として
③新しいアイディアを生み出すための枠組みとして
④既存の思考の枠組みを外すための図式として
などなど。

ここでは、この中でも特に重要な①知識&情報などを整理するための図式&記号法としての使用法について解説していきます。

K領域とは、既存の知識・情報・知覚・理解・記憶・経験・概念・考え方・アイディアなどの認識がすべて含まれる領域でした。

U領域とは、未知の知識・情報・知覚・理解・記憶・経験・概念・考え方・アイディアなどの認識などの認識がすべて含まれる領域でした。

そこで、このKとUという文字をこのように使用します。

K→既知(知っている、理解できてる、認識できていること)
U→未知(知らないこと、理解できてない、認識できていないこと)

こうすると、例えばA,B,C,D,Eという5つの言葉(概念)があったとき

言葉A、言葉B、言葉C、言葉D、言葉E
  K    U   K   K   U

こんな風に簡単に、自分の知識を整理して把握することができます。

K領域/U領域という概念は、私たちのあらゆる認識(知識・情報・概念・考え方)を分かりやすく整理し配分するための概念なのです。

【K領域】についての重要な補足

実は、この【K領域】というのは、もともと「懐疑的な考え方」を身に着けやすくするために開発した用語です。

そのため、「信じていること」を疑うことと深い関係にあります。

K領域とは「既に認識されているもの」全体の領域のことなのですが、実は
K領域の中にも「未だ認識されていないこと」が多く含まれています。

既に知られている、既に理解している、既に見えている、、、というように「既知であると信じられている事」の中にも、実は無数の「未だ認識されていないこと」が含まれているのですね。

そのため、【K領域】について考えるうえで極めて重要なのは、
「K領域の中にもU領域に属する新しい認識が含まれていないだろうか?」と疑う自覚的な思考、あるいは自覚的な認識となります。

【K領域】に含まれている「【U領域】に属する新しい認識」

・・・

【U領域】についての重要な補足

「U領域」には、定義上、私たちにとってのあらゆる「新しい認識」が含まれています。

そのため、私たちが取り組むどんな問題についても、次のように想定することができます。

「あらゆる問題についての「新しい認識」は必ず【U領域】に属している

このように想定することで、思考を促進する手立てが得られます。

【K領域/U領域】という概念の最大の意義はここにあり、私がこの対概念を用いているのは、このような想定をするためです。

【U領域】に含まれる新しい認識

ここで次のような問題に直面します。

「どのようにして【U領域】に属する「新しい認識」に到達すればよいか?」

このように「自分が取り組む問題に関する「新しい認識」を得るために、どのような方法&ルートで【U領域】を踏破するか」ということが次の課題となりますが、これは思考法の問題であると言えます。

・・・

最後に

この対概念は、非常にシンプルでありながら汎用性が高く、上手に活用すれば自分の思考をより展開しやすくなるため、重宝しています。

もともとこの概念は、教育現場やアカデミズムの世界、あるいはビジネスシーンや日常会話など、あらゆるシーンで活用してもらえるように想定して開発したものです。

※現在、私はこの概念を含めて幾つかの概念を普及するための活動を行っています。

実際に、学校の授業で/会社での共通言語として/イベントなどで活用してみたいという方は、法人・団体様向けサービスも行っていますので、ぜひ気軽にお声掛けください。




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