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▼ほとんどの企業は広告予算の決め方が曖昧
広報やマーケティング部が集客をする上で、最も手っ取り早い方法が、広告を使っての集客です。社内の仕組みがしっかりしている会社は月ベース、年ベースで広告予算が決められており、それを効果的に使っているのかが評価へとつながります。その予算は企業によって異なりますが、多くの場合、社長や役員の裁量によるものです。しかし私が感じているのは、多すぎて無駄遣いをしているか、少ないがために集客が中途半端になってしまい、これまた無駄遣いをしているというイメージです。確かに、広告予算をどうするかも経営者の腕の見せ所ではありますが、明確な基準がないため、どうしても曖昧になってしまいます。

▼よくある広告予算の決め方
 「広告予算 決め方」で検索するといくつかの方法が出てきます。

・CPAを基準とする決め方

・売上高から算出する方法

・競合と同程度の予算にする方法

・根拠のない50万円や100万円

上記がざっと見た感じのWebにある広告予算の決め方でした。まず、CPAを基準とする決め方ですが、そもそもCPAの適正値が広告によって異なるので、掲載する広告ありきの決め方になってしまいます。そのため、チャレンジをしにくく、広告戦略の幅を広げる事が難しくなってしまいます。次に、競合と同額という決め方ですが、スパイでも送り込まない限り決めるのは、不可能。しかも、競合と同じ予算を使っていたら、差別化が図れず、競合と同じような客を同じように集めてしまうので、結果的に効率が悪いと思います。根拠のない数字は論外です。私が経営者だった場合、上記の中では売上高から算出する方法が最も実用的なやり方だと感じていますが、企業によって利益率が違うので、割合を間違えると大けがをしてしまいます。少し前ですが、旅行会社の「てるみくらぶ」が売上を取り戻すため、

自信のキャパシティーを超えた広告費を新聞広告に投じていたことが話題になりました。

顧客へのPRは広告が早いが、それでもPRのやり方は様々なので、赤字を作ってまでやるものではありません。では、売り上げからどのように広告予算を算出すればいいのか、私の考えをお伝えしていきます。

▼売り上げからどうやって広告費用を導くか
売り上げと言っても、会社によって規模や人数、原価など様々です。ですので、一概に〇〇%と決めてしまうのは危険です。そこで、会社によって、もしくは店舗規模でも算出できるような目安をお伝えいたします。また、広告は市況や季節などによって効果が変わってきますので、必ず一定の値にするわけではなく、ある程度の最大値と最小値を設けさせていただきました。

まず顧客には大きく分けると3種類の顧客がいます。それが以下の3つです。

① 見込み客

② 新規顧客

③ リピーター&紹介客

売り上げは、基本的にこの3つのうちの②、③から成り立っています。そして、顧客の流れは矢印のようになっています。私の考えでは、広告費は②の範囲で留めるべきだと思っています。そもそも広告費は①と②を獲得するための費用です。③の利益は今後の設備投資費用や従業員のボーナス等に使うべきであって、広告費に使うと、経営状態や社内環境が悪化する恐れがあるからです。ですので、広告予算の最大値は、どんなに使ったとしても、②部分の営業利益がゼロにならないくらいにしておくべきです。また、モノに溢れた現代で広告宣伝費を全く使わなくてもいいというのは現実的ではありません。③部分の必要経費が②で補われ、さらに余力があるようであればその余力分を広告費に充ててください。説明がややこしくなってしまいましたが、以下の図の通りです。

もし、現在運営しているビジネスモデルで②までしかなく、売り上げの全てを②に依存してるのであれば、会社の経営として絶望的な運営をしています。その場合は、広告予算を考える前に、売り上げの仕組みを考えるべきだと思います。また、総売上はわかっているけれど、②からの売上と③からの売上が明確に分けられていない場合も、マーケティング戦略が機能しませんので、マーケティングを担当している部署に言って、数値が出せるようにしましょう。会社によっては不動産収入などの雑収入がある会社もありますが、その部分はまだ上手な算出方法が見つからないため、今回は記載しませんでした。

▼広告費は使い切らなきゃいけないのか
多くのWebサイトには広告費は使い切った方がいいと書いてありますが、はっきり言ってそんなわけありません。広告会社が広告費を使って欲しいがために書かれた内容なので、使い切る必要は全くありません。広告費が少なくて済むのであれば、余ったを設備投資に使ったり、社員に還元する方がよっぽど有意義です。

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