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こうやって『3日目』に来た早起き挫折克服

3日目の早起き挫折実体験を基にストーリーを作成しています

ふふっ。完璧だ。

昨夜、僕は早起きを
習慣にすることを心に決め、
21時前に床に就いた。

結局寝付けず24時まで
目が覚めていた。

だが今日起きた時間は

5:00

これは誰が見ても・・・

そう・・・

早起き。

今までの僕は仕事に行く時間
ぎりぎりまで寝ていた。
こんな清々しい気分はいつぶりだろう。

早く起きたらやりたいことがあった。
それは早朝のコーヒーを飲むこと。

旨い。早朝のコーヒーは味が違う。

自分自身で決めたことを達成できたせいか
なんとも言えない自信が溢れ出る。

すごいぞ、早朝。
すごいぞ、早起き。

今までとは違う気持ちで
家を出て会社へ向かった。

昨日しっかり睡眠をとったので
1日体調が良かった。
これが早起き効果か。

その夜、僕はスマホのアラームをセットして、
昨日同様、21時前に布団に入った。
相変わらずすぐ寝付けるわけではないが、
気付いたら眠っていた。

翌朝。
僕は5時に起きた。

2日続けて早起き。

朝というのは不思議なもので
起きただけで謎の自信がみなぎる。

今日もスマホのアラームで
すんなり起きた。
もはやスマホは相棒だ。
相棒と呼ばせてくれ。

2日目の早起きはコーヒーのみならず、
朝食を作った。

自炊なんて何年ぶりだ?
一人暮らしを始めた
最初の3日間は意識高く自炊していたが、
その後はカップ麺やコンビニ、
外食がメインだ。

朝早く自分で作った朝食。
旨い。旨すぎる。
あまりに健全で体が喜んでるのが
わかるぞ。

数年間できなかった自炊ができた。
朝起きれば何でもできる気がする。

そうだ、明日はもう1時間
早く起きよう。
そして何か新しいことを始めよう。
早起きして会社に行く前の
モーニングルーティンをつくる。
素敵だ、素敵すぎるぞ。

そんなことを決意し、
今日も家を出て会社へ向かった。

その夜、僕は昨夜よりも
1時間早く布団に入った。

まだ20時だというのにもう布団。
3日前の僕なら考えられない。

よし、寝よう・・・。

人間というのは不思議なもので
寝ようとすると寝付けない。

明日の朝から何を始めようか

そんな高揚感と興奮で全然寝れない。
寝たいときに限って頭がよく働く。
抜群のアイデアや妙なやる気が
布団に入って寝ようとすると
なぜか湧いてくる。

気が付くと眠りに落ちていた。
最後に時計を見たときは
深夜2時くらいだっただろうか。


翌朝。
目が覚める。

7:00

おいおい、何だこの時間は。
4時にセットしたアラームに
気付かなかったのか?
そもそもアラーム鳴ってたか?

何にせよ、こんなんじゃダメだ。
7時は早起きとは言わない。
昨日のような高揚感、自信は得られない。

何かを始めようにも、
時間通りに起きられていないなら
始める気がない。

明日こそ5時前に起きなきゃ。

その日の夜、
僕は昨日同様、早めに布団に入った。
昨日ほどではないものの、
やっぱり寝つきが悪い中、
気づいたら寝ていた。


翌朝。
僕は起きた。

ん?朝日が眩しすぎないか?
今何時だ?

8:00

おいいいぃぃぃ!!
何なんだこの時刻はぁぁぁ!!
早起きを決意する前の起床時間と
一緒じゃないかよぉぉぉ!!
どうりで早朝にしては
明るいと思ったぁぁぁ!!
太陽が登り過ぎてるんだよぉぉぉ!!
これじゃ新しいことを始めるどころか、
歯磨く時間しかないぞぉぉぉ!!!!

いつもの起床時間と
変わらない時間に起きる。
そんな日が2日続いた。
もはや早起きとは呼べない時刻。

もうだめだ、やっぱり早起きなんて
僕には向かない。

結局何かを変えられる奴には
才能やらセンスやらがあるんだよ。
凡人の僕には早起きすらできない。

もう早起きなんてやめよう。
明日からは余計なことを考えずに、
今まで通り生きていこう。

『このまま諦めていいの?』

そう書かれた広告が目に飛び込んできた。
ダイエットの広告だった。
僕は全くダイエットに関心はないけど、
そのフレーズだけは心に刺さった。

そうだ。
諦めるのはいつだってできる。

どんなときにもある選択肢を
今選ぶ必要はない。
そんな選択つまらないじゃないか。

考えよう。何か方法はあるはずだ。

まず現段階では
『朝5時に毎日起きること』
これができないのはわかった。

『いつもより早く起きること』
これはできる。

つまり早起きが向かないというよりも
やり方が向かないだけだ。

なるほど。
いきなり早朝に起きようとしても
続かないのか。

決めた。
毎日5分早く起きよう。

今日は8時に起きたから
明日は7時55分に起きよう。
明後日は7時50分に起きよう。

そうして毎日5分ずつ早く起きれば、
30日後には150分、
つまり2時間半早く起きれる
という計算だ。

これならできるかもしれない。

翌朝。
僕は起きた。

7:55

もはや早起きなんて言ったら
人に笑われるレベルだ。

でもそれでいいんだ。

何かを達成しようと思ったら
人に笑われるレベルの進歩を
積み上げるしかないのかもしれない。

少なくとも僕はそうだ。

世界の誰も気付いていない。
見向きもしない。

でも僕だけが知ってるんだ。
昨日の自分よりも
一段だけ階段を登れたことに。

もしかしたら成功者と呼ばれる人たちは
この一段一段を大切に
歩いてきたのかもしれない。

たった5分。
この価値は僕だけしか感じられない。
だから自分だけはこの進歩を肯定しよう。
肯定して毎日5分だけ積み上げてみよう。

前より変わった自分になれるかもしれない。

それでいいんだ。


翌朝。
僕は起きた。

8:10

後退してるじゃないかぁぁぁ!!
昨日5分の価値に気付いたばかりで
もう後退してるじゃないかぁぁぁ!!
まずいぞこれはぁぁぁ!!
モーニングルーティンどころか仕事にも
遅刻する時間だぁぁぁ!!

そんなこんなで
『前日よりも5分早起き』作戦
を2週間続けてみた。

5分早く起きたり、起きれなかったりを
繰り返していくうちに
最初よりも30分早く起きれるようになった。

なかなか思った通りには進まないもんだ。
だけど、確実に前には進んでる。

それもまたいい。

(続く)

このストーリーは第3話です。
第1話「早起きなんて絶対しない」
第2話「早起きのきっかけって突然くるよね」
も併せてお楽しみください。

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