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私のイメージを漏らしたヒーラー氏(2018年 49歳)

絶望の人生ダンジョンを、満身創痍でソロ攻略していた頃。
体感1億光年の時点で、理由もなく予感が起こった。
「もしかして、今まさに人生の岐路に立ってるんじゃ!?ここで思い切って軌道修正すれば、ようやくこの暗闇ループから抜け出せるんじゃ!?」

それにいち早く反応したのが体。光の速さで、怒涛の断捨離をスタートさせると、お次は心が「内面浄化もはよはよ!」と猛烈に要求。
そこでひらりと閃いたのが「クリスタル(水晶)製の音叉ヒーリング」
3カ月ほど前に、都内のヒーリングサロンにて出逢った、癒しの手法であった。

サロンを知ったきっかけは、実に偶然だった。
その頃ちょうど知り合ったレイキヒーラーさんが教えて下さった、とあるスポットを訪れた際、たまたま通った細道にて看板を見つけたのだ。

看板には「クリスタルボウル+カウンセリング体験30分。時間が合えば予約なし・立ち寄りOK!(←意訳)」とあった。
「おおっ、面白そう!サクサク体験大好物!」
素早く別のボードにて空き時間の一覧を確認……おお、ちょうど空いている!お導きでは!?
……と言った具合に、トントンと飛び込み体験をさせていただいたのだが、その際、メインコースのひとつに前出の「クリスタル(水晶)製の音叉ヒーリング」があることを知ったのだった。

ただし、その時は「金属製じゃない音叉があるんだ~。ふーん」と思ったにすぎず、記憶から殆ど消えていた。
なのに今、脳内に急浮上したということは、今まさに使うべくして刻まれた記憶。きっとやりなさいってことだろう。
私は、すぐさまサロンを検索して予約した。そして、1週間後に向かったのであった。

ところで。
実はこの頃、ちょっとした「ヒーリングマニア」であった。
様々なセッションを受けては、毎度キツメな好転反応(毒だしが起こる際の、一時的な心身の痛みや辛さ)をうんうん唸りながら乗り越え、己を変化させ、“生き方”をどんどん楽に、軽やかにしていく。
それがもう楽しくて楽しくて、もはや趣味と化していた。

特に今回は人生の分岐点らしいし、『果たしてどんな変化をもたらしてくれるのか!?』と、ワックワクが止まらない。
「2度目まして」にして、ほぼ初対面な男性ヒーラー氏(推定40代半ば?)よりご説明を受け、いよいよセッションはスタートしたのだった。

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まずは楽な姿勢で座り、目を閉じる。
「リラックスしていてくださいね」
ヒーラー氏はそう告げると、私の体から少し離れた空間(オーラ層)のチャクラ部分に、ゆっくりと音叉をかざしていった。
事前説明によると、頭頂からスタートし、徐々に下へ進めていくようだ。


※チャクラ:人のエネルギーが集結し、出入りしている部分。
頭頂・眉間(第三の目)・喉など、主なものは7つある。



ちなみに、音叉(主に金属)での一般的なヒーリングだと、「その音」で人や場を浄化したり癒したりするのだが、今回は鳴らすことなく、ひたすら「かざすオンリー」である模様。

『……あれ、音叉なのに鳴らさないの?クリスタル製だから?』
その珍しいであろう音色を味わいたかった私は、ちょっとモヤモヤ……。
しかし、徐々にそんな雑念も薄れ、後半、急にもったりとした心地よさに襲われた。

それは“緩み”によるもののようで、体はおやすみ3秒前の様にダル~ッと重く、脳内はほわ~ん……。ガッチガチの思考が、お湯を注がれたフリーズドライ卵スープのようにふわわ~っと解きほぐれ、やがて形を失い溶けて消えた。

『なんかもう、全部どうでもいいや~』
私は身も心も溶かしながら、果てしなく自由な世界をゆるゆると漂い始めた。
……かと思ったら、今度は後方から何かに吸い込まれているかの如く意識がフワーッと遠のき、眠っていそうで外界の音はぼんやり聞こえるという “半醒半睡”状態に。
そのまま終了を迎えた。

ヒーラー氏の合図で目を開けると、好転反応なのかなんなのか、更に意識は遠のき、貧血のような、あちらの世界に旅立ってしまいそうな、ちょっとした危うさがあった。
体もひたすら重だるく、寝込むまでではないが眠気が尋常ではないので、少しだけ横になって休ませていただくことに。

『いやはや、鳴らさない音叉でこんなに効果があるなんて。……これが水晶パワー!?いや、だったら音叉の形じゃなくてもよい気が……。よし、後で聞いてみよう……』
そうぼんやり思いながら軽く目を閉じ、心身の回復を待った。

数分後。まだ全体的にボンヤリしているが、気力はかなり回復。
ゆっくりと体を起こし、一息つく。
そこへすかさずヒーラー氏、興奮気味にご報告下さった。
「セッション中、頭辺り(特に額の前)でクリスタルがすごく熱くなりましたよ!ビックリしました!!」

瞬間、私も『ヒーラー氏よ!そうなのだよ!』と内心ヒートアップした。
と言うのも、頭周辺の時だけ圧力がグッとかかったのをはっきり感じており、『あれっ?』と思っていたのだ!

その不思議な現象を、まだ少し朦朧としながらとろとろと伝えると、ヒーラー氏は驚きを隠さず、更におっしゃった。
「ええっー!?やっぱりそうですか!!すごいですね!……いやぁ、それにしても、あんなにクリスタルが熱くなるなんて、ものすごく頭を使われる方なんですね~!見た感じと違って……」

『…………』
私は追求したかった。
キミの瞳に、一体私がどう映っていたのかを……。

だが、彼のあまりに真剣な表情を前に、愚問であると察知。
せめて笑い話としてツッコミを入れようかとも思ったが、このなんとも言えぬ心身の心地よい浮遊感の中では、そんな些末なコミュニケーションなどどうでもよい。

結局私は、ひっそりと質問を吞み込んだ。
そして、『まあいいか。こんなに効果もあったし……』とボンヤリと納得し、手を尽くして下さったヒーラー氏にお礼を述べ、ふらふらとサロンを後にしたのであった。



余談その1:完全に聞きそびれた質問

セッション中に抱いた「鳴らさないのに、音叉の形なのは何故?」という疑問。
事後の朦朧と、ヒーラー氏の「見た目と違って……」発言により、すっかり忘失し、結局聞きそびれてしまった。
好奇心旺盛なだけに、今でもそれだけが心残りである(うぐぐ……)。

余談その2:実は何度かある「意識(魂?)が飛び出そう」体験

本エピソードの時以外にも、意識(魂?)が遠くへ旅立ち、『やばい!あの世に片足突っ込んどる』と焦ったことが何度かある。
その中で、最もギリッギリだったのが、このセッションより約9カ月前。
とある精油(アロマオイル)を嗅いだ時である(もちろん合法)。

場所は、銀座のとあるプライベートアロマサロンだった。
きっかけは、当時たまたま知り合ったご婦人(現役のアロマセラピストさん)からのお誘い。
「アロマの勉強会に参加した時、なんだかすごい精油があると教えてもらったの!その正規代理店が銀座にあるらしくて、今度買いに行ってみようと思うんだけど、ご一緒にどう?」
好奇心旺盛な私は、もちろん前のめりですぐさま返信(実はアロマ資格保持者でもある)。共に訪れたのだった。

サロンの棚には、膨大な種類のサンプル精油瓶がズラリと並んでいた(おそらく200本以上)。
「ここのメーカーのものは、日本で殆ど出回っていないんです。しかも、日本で一般的に販売されているものよりとても“波動と精製度”が高いんです。だから、直接塗布することも可能なんですよ(←日本では、一般的に精油を直接肌へ塗布することは不可)」
オーナー兼ヒーラーさんはそうご説明下さると、カタログをパラパラと見せて下さった。
……どれどれ……おお~確かになんだかすごそう!おっ、キュウリの種の精油なんて初めて聞いたぞ!

と言った具合に、初めて知るようなマニアックな種類も多数あり、一挙にときめくご婦人と私。
「まずは、気に入ったものをこの中から選んでみてください。ご自由にどうぞ!」とのご提案いただき、あらためてワクワクと大量のサンプル瓶に向き合ったのだが、やはりその種類の多さと見慣れぬ英語表記のラベルに戸惑い、選ぶ手がなかなか伸びず。

すると、ヒーラーさんがおススメの選び方をご教示下さった。
「これだけ種類があるので、ひとつひとつ香りを嗅いで好みのものを選ぶのは難しいと思います。なので、ツラーッと瓶を眺めて、直感で気になるものを何種類かピックアップするといいかもしれません」
その方法に若干戸惑いながらも、各自数本をピックアップした我々。1本ずつ香りをシェアしながらヒーラーさんから解説を伺い、耳裏や手首、眉間などに塗布したりしてワイワイと楽しい時を過ごした。

……が!終盤、事は起こった。
自分が選んだ最後の1本(ブッダウッド)を嗅いだ瞬間、本体(私)から意識(魂?)が少しずつスーッと抜け出したのだ。

『あ……こりゃ、まずいかも?』
うっすら危機感を覚える私。しかし、持ち前の旺盛すぎる好奇心には勝てず、『せっかくだし』と手首に塗布。
そしたら本格的に意識は離脱を開始し、あれよあれよと遠くへ。目の焦点が合わなくなった。

『あ!これ、たまになるやつだ!やばし、あの世へ行ってしまう!』
慌てた私はヒーラーさんに、
「は、早く拭き取って下さい、やばいです。早く!」
と、初対面にもかかわらず、少々命令口調で要求。(自分で拭き取る余裕もなかった程の緊急事態だったので、すみません😅)
イマイチ事情がのみ込めていないヒーラーさんに丁寧に拭いていただき(ありがとうございました)、なんとかこの世に自分を繋ぎとめたのだった。
※ちなみに、ヒーラーさんもご婦人も、その精油をいくら塗ろうが何ともなかった。

で、我ながらちょっと不思議だったのが、そんな意識(魂)の緊急事態下でも、ちゃんと辻褄の合った会話を交わしていたこと。
ただ、頭はまるで働いていなかったのだ。脊髄反射のように、脳を介さずコミュニケーションをとった感じ。
つまり、話してはいるが、話そうとする意志やこう伝えようとする意図はなく、言葉が勝手に口から出るという、変な感じの状態であった。

そのことを、心身が落ち着いた後、ヒーラーさんにご報告したところ、こうおっしゃった。
「それがイナダさんにとってベストな脳の状態なんですよ。そうなることが必要だったから、精油が作用して調整が入った(バランスをとった)んですよ」
要するに、常に頭で考えすぎなのを強制終了させたのだそうだ。

おお、なんたる精油パワー!きっと、選ぶ時も私を呼んだんだろうなぁ~。
精油さんありがとう……。
とは言え、私的には日々この脳の状態だと、命が危険にさらされる気がするが、究極の生き方とはそういう状態なのかもしれない……。
なーんてことを学んだ、究極の朦朧体験であった。


余談その3:「結構頭を使っている」ことの裏付け

「結構頭使っている」という件。
それを裏付けるようなエピソードがもう二つだけある。
①ヨガの先生に「パッと見た感じ、頭にエネルギーが集中しているのが気になる」と言われた。
②レイキヒーリングの先生にも施術後、「クラウンチャクラ(頭頂)にエネルギーが行き過ぎいて、グランディング力が足りていない(地に足がついていない)」と言われた。

そうなのだ、意外と使っているのだ。こう見えて……( ̄、 ̄)。