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[Portugirl]~EU最西端での小娘ひとり旅奮闘記~[002]

前回のつづき。

2018年4月25日 


 リスボンの空港に着いた私は、真っ青なトロッターを引っ提げてタクシーに飛び乗り、ステイ先の住所を書いた紙とスマホで地図を見せていざ出発。
空港からはバスで市内に出る行き方もあるが、時刻は深夜過ぎており日付はもう25日。バスはもうないし、リスボアカード(市内交通乗り放題券)も買えない。

ので!有無を言わずにHola Taxi!

タクシーは日本ほどばか高くなく、だいたい14ユーロくらい。(別途荷物代プラスされる)

 私が飛び乗ったタクシーのドライバーは俗に言う”当たり”の人だろう。なぜなら道路に出るや否や窓は全開、往年のABBAの名曲たちを大音量で流し、一緒に歌えよ!!と(知ってる曲ばかりなので)言うので、単調なタクシー移動ではなく、時にはノリノリで歌い、息の続き具合でタクシーの運ちゃんと勝負し、ポルトガル語とスペイン語と英語のごっちゃで喋ったりの一緒にノリノリの楽しい移動時間だったからだ。

なんなんだポルトガル!!!

初っ端から楽しいぞ!!!!!


 宿に着いて呼び鈴鳴らすとホストのALEXが迎い入れて荷物を持って上がるのも手伝ってくれた。今回の宿はバイロアルトという地区から歩いてすぐの街の中心街。予約した部屋はヨーロッパ特有の両開きの窓が真ん中にあり、丁度ベッドに光と風が降り注ぐ。

(写真は翌朝)

 ここにはALEXの他にももう1人奥さんと猫のイファがいた。このイファは人懐っこい猫で、なぜかいつも部屋のドアを開けると待ち構えている。そして少し目を離すといつも私のベッドの下に潜り込む。ALEX曰く、かくれんぼの天才らしい。「少し大きめの猫なのに不思議だよね。」と笑っていた。

この到着した日の夜は疲れ切っていたので顔を洗って歯磨きだけして寝た。(夜中なのでシャワー使えず。)

翌朝はゆっくりめに起きてシャワーを浴び、準備万端。11時にステイ先を出て向かったのはサンロケ教会。



出口から出てすぐ右に進むと右手にリフト(路面電車;サンフランシスコみたいな)のグロリア線を眺めて、日本ではあの消臭力のCMでお馴染みのミラドウロ・デ・アルカンタラという丘に着いた。一頻り写真を撮り、あのフレーズを口ずさみ、まず一つ目の目的は達成。

 今日4/25はポルトガルでは国民の祝日に当たる。自由の日。4/25革命の日。カーネーション革命の日。言われ方は様々だ。

カーネーション革命は、1974年にポルトガルで発生した軍事クーデター。同革命はヨーロッパで最も長い独裁体制『エスタド・ノヴォ』をほとんど無血に終わらせた。カーネーションが革命のシンボルとなったのでこのように呼ばれる。別名「4月25日」、「リスボンの春」。

この日街には赤い服を着て、カーネーションを飾ってお祝いするらしく、この広場も例外ではない。



 ここポルトガルの首都リスボンは7つの丘で形成された街。アルファマだけ唯一地震の被害を免れたので古い町並みが残っているが、他の建物は建て直されたので比較的新しい。


 坂ばかりのこの街は坂を下って行くと自動的に海へとたどり着く。


足が少しばかり疲れたので海沿いで休憩しているとアメリカのボストンから来たDavidに話しかけられた。彼もひとり旅らしい。見た目アラフォーくらいだが、時々こうして旅に出るらしい。1年くらい世界中を旅して、こないだはメキシコらへんを一ヶ月旅したという。今回のポルトガルは初めてだが五日間だけ。しかもリスボンだけ。話してたら隣の酔っ払いカップルに絡まれ、気まずくなったので会話もそこそこに私は逃げることにした。


 逃げた先はリベイラ市場。その中でもTIME OUT Marketというフードコートでランチを済ませた。食べたのはポーククリスピーとフライドポテト。ポルトガル料理にはよくパクチーが付け合わせで乗っているというが、本当だった。重い料理もパクチーのおかげで少し軽くなってる気がした。


 続いてマーケットから出てタクシーに飛び乗って向かったのは、ジェロニモス修道院。ここは「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」として世界遺産にも登録されているので1時間くらいチケットに並んだが、中庭は見事だった。この日は日が燦々と照っており、少し疲れていたので石に彫刻を施したベンチに腰掛けると思いの外ひんやりして気持ちよかったため、数分フリーズした。そよ風に吹かれながらする昼寝はなんとも心地よい。


 二階のテラスから教会に入ると、天窓からイエスの磔の像へ光が降り注いで実に美しかった。見とれていると聖歌隊が突然現れて歌い出した。びっくりして振り返った途端、あの大きな教会に響き渡る音色を聞いて鳥肌がたった。気付いたら私は二階から一階へ向かい、着席して聞き入っていた。


 次に歩いて向かったのは目と鼻の先にある発見のモニュメント。(だが実際は見た目に反して少し歩く。)この発見のモニュメントには歴代の航海者達の大きな彫刻が海に面して彫られている。


 そして数キロ先歩いて向かったのはベレンの塔。昔要塞だったので内部も見学できるが、ここもまた数時間待たされそうだったのでパスし、外観だけ。

ここでもうくたびれてしまったので早々に切り上げ、またタクシーを捕まえて宿に戻った。

 宿に戻ると宿の鍵に苦戦。ヨーロッパに来るといつもだ。ただ回して開けばいいのに、何かとコツを要するのでだいたい初回は5分くらいドアの前で格闘する。今回は幸いにもホストたちが来たので開けてくれた。コツも教えてくれた。(最初に教えてくれ。)

部屋に戻り、一休みしようとベッドでうとうとしていると、気付いたら朝だった。なんと14時間も寝ていたらしい。


つづく。

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