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「好き」には勝てない

●「ランバイク」の体験会にて

今日は、息子(長男・3歳)が保育園からもらってきたチラシに載っていた「ランバイク」の体験会に出かけました。

「ランバイク」というのは、ペダルのない自転車に乗って足で地面を蹴って進むもので、歴としたスポーツです。

隣町ではランバイクのチームがあるほどで、今日もそのチームの子供達がたくさん来ていましたが、走る走る。
ものすごいスピードでサーキットを駆け回っていました。



来ていた子供達が持っているランバイクはほぼ全てが「ストライダー(STRIDER)」。
どうやら2万円前後する、結構高価なものらしく、とってもかっこいい。

一方、うちの息子は近所の西松屋で買った5千円のなんちゃってランバイク。笑
もともと、自転車の練習に買ったものだったので、バランス感覚さえ養えればなんでもよかったのですが、親としてはちょっと恥ずかしかったです。笑



練習会は、初級・中級・上級の3コースが設けられ、ランバイクチームのインストラクターらしき人が初めに各コースの説明をしてくれます。
それを緊張の面持ちで聞く息子。と、僕。

説明が終わり、いよいよ実際に走ってみることに。
息子が最初に選んだのは「上級コース」。
大丈夫か。。。

少し年齢が上のお兄ちゃんお姉ちゃんたちの列に、息子も並びます。
ちょっと不安そうだったので、一緒に順番待ちしてあげることに。


「スタートの合図はパパがやってあげてください」


インストラクターさんに促されるまま、スタートラインに並ぶ息子と僕。


「ピ、ピ、ピ、パァーン…」


レースっぽく合図を出してみたけど、これで合っていたのでしょうか。
兎にも角にも、息子がサーキットを走り出します。

上級コースはコーナーが多く、うまく足を使いながらスピードを調節し、細かく角を回る必要があります。
真剣な顔つきで、次々にコーナーを回る息子。

途中、コースがわからなくなり、危うく逆走しかけましたが、後ろからきたお兄さんに追い抜かれたのをみて、順路を見つけて再スタート。

最後のストレートは、しっかりと地面を蹴りながら無事にゴール。

完走した後の息子はとっても嬉しそうに、「今度はあっち!」と言って、中級コースに並びました。



その後も、コースを行ったり来たりしながら楽しそうに走り回る長男。
僕が一緒に並ぶ必要もなくなり、少しずつ距離をあけ、最後は一人で列に並んで自由に走るようになりました。

もともと、大人数の中に入ることや、知らない人と関わることが他の子よりもちょっとだけ苦手な息子が、自分から人の中に入って行く姿を見て、「なんだか成長したな」と感じました。



●とにかく「良い顔」だった

感心して眺めていたのもつかの間、ひとしきり走った後は、みんなの列に並ばず、サーキットも何もないスペースをひたすらぐるぐる回る息子。

「もう走らないの?」と声をかけようかと思いましたが、何もないスペースを走る姿がとってもとっても楽しそうで、声をかけるのをやめました。

普段、家の団地の周りをランバイクで走るときは、団地に出入るする車が多いので「一人で行っちゃダメ!」とか「あんまりスピード出さないで!」と縛られることが多いので、何の制約もなく、自分の思うがままに走れる今日のこの時間が心から楽しいようでした。

と同時に、「この子は『早く走りたい』とか『他の子に勝ちたい』という気持ちではなく、純粋に『楽しい』から乗っているんだな」と感じました。

ランバイクのチームに入っているわけでもなく、当然レースにも出たことがないので、競争心をそもそも抱く機会がないから当たり前なのですが。

でも、「やっぱり 『好き』には勝てないな」と思わせるくらい、とにかく良い顔で走っていました。



●もっと「絶対的な価値」に目を向ける

僕たちは日頃、相対的に物事を見過ぎなのかもしれません。

あの人より仕事ができるとか、できないとか。
あの人より給料が高いとか、低いとか。
あの人より人生が充実しているとか、していないとか。
あの人より大きな夢を持っているとか、持っていないとか。

学校では子供の力が「点数化」され、順位を競い合わされる。
誰かが用意した正解を導き出せたるかどうかをテストで測られ、その結果によって進路が決まってきた。
仕事によっては、今でもノルマがあって、日々競い合っている人もいるかもしれません。



日本が、社会が、成長していく過程の時代はそれで良かったのかもしれません。
他人と競い合い、利益を追求することが、個人または社会全体の幸福に繋がっていました。

でも、今後はそれで幸せになれるのでしょうか?


日本が先進国となり、これから緩やかに縮小していく今後の社会においては、息子のようにもっと「絶対的な価値」に目を向けるべきだと感じています。

「自分はこれが好き」「何と言われようとこれが楽しい」といったものにもっと関心を寄せ、時間を使い、探求して行くべきです。

子供は本能的にそれを知っています。
社会が、大人が、余計な知識を与えすぎているのかも知れません。

僕も息子を見習い、自分の心の声にもっと素直になりたいと思います。

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