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フロンターレ 見てたら、うつの治し方がちょっとわかった。

当たり前なのですが、サッカーを見ているとフォワードの選手は点を取るケースが多いですし、ミッドフィルダーはパスが上手い人が多い。そしてディフェンダーはディフェンスがうまくて、キーパーはボールを止めるのがうまい。

もう10年以上前になるのですが「うつ」の手前くらいになっていたことがありました。私は21年間会社員をする中で、いつも非常に優秀な同僚に囲まれていて「こんな人たちと働けて幸せだー」と思っていました。一方、そんな優秀な人に囲まれていると、優秀ではない自分を卑下するようにもなりました。

「同い年の彼はもうあんな難しいプロジェクトを回している」「2つしか違わない先輩は、大きなプロダクションとの交渉を一人でまとめてきている」なのに、僕はいつもこれくらいの仕事しかできておらずに燻っている。なんて僕はだめなんだろう。

って、思ってました。

そう思っていると夜も寝られないから酒量も増え、朝は起きられない。いつしか、会社に遅刻することも増え、特に週明けの月曜日には午前半休をとることが多くなっていきました。

そうなってくると、遅刻する自分が許せなくなり、午前半休を取る自分が許せなくなり、仕事そのもののクオリティも落ちるとまた自分が許せなくなり。という悪循環にはまっていきました。いつも(実は今もですが)「なぜ、自分はだめなのだろうか」を考えていたように思います。

そんなとき自分の部署が担当しているクライアントさんの関係で、川崎フロンターレのチケットが無料でもらえる(部署が買わされたチケットを社員に配ってた。ともいう。)ことをしりました。川崎フロンターレ のスタジアムは調べてみたら私の家から歩いででも行ける距離。早速1枚もらってスタジアムへとでかけました。

そのとき、おそらく10年ぶり3度目くらいのJリーグ観戦。当時のフロンターレ はJ2から上がって間も無く、人気の浦和レッズ戦、横浜マリノス戦でも満員になるか、ならないか程度で、普段の試合は1万人(当時のスタジアムのキャパは1.8万人)くらいだっと記憶しています。とはいえ、約1万人の観客がスタジアムに集まり、ボール1つと22人のプレイヤーの文字通り「一挙手一投足」に一喜一憂しています。いまもそうなのですが、この1万人(コロナ前だとほぼ毎試合2.5万人)が、同じものを見て、様々な喜怒哀楽を表現している場所は、まさに生きていることを感じられる場所で、またマイナスの感情を忘れさせてくれる場所でした。

私は毎試合、フロンターレ の試合を見にスタジアムに足を運ぶようになっていきました。

そして、ある試合を見ていたときにふと冒頭に書いたようなことを思いました。

フォワードの選手は点を取るケースが多いですし、ミッドフィルダーはパスが上手い人が多い。そしてディフェンダーはディフェンスがうまくて、キーパーはボールを止めるのがうまい。

そして「それでいいのか」って、思いました。

ある選手は密集の中でドリブルで突破をするのが得意、でもシュートはうまくない。ある選手は密集は苦手だけど、ゴールからも敵からも少し離れたところから決定的なパスを出したりしてる。

「サッカーというゲームにはいろいろな役割、役目があって、それを得意な人、得意じゃない人がいる。でも、それはそれでよくって、人ができているとかそういうことよりも、自分の得意なこと、そして与えられた役割をやりきればいいんだ。」

って、ことに気付きました。

私はシュートを上手い人を見ては「あんなシュートは打てない」、パスが上手い人を見ては「あんなパスは出せない」と悩んでたようなもので、ただ私は私で私の得意なこと、できることでどう貢献するかという視点でやっていけばよくて、パーツパーツを卑下して落胆する必要がないと思うようになりました。

そこから、うつを完全に脱したかというと実はさらに悪くなっていったのですが、フロンターレ を見て「それぞれに得意なことも不得意なこともあってそれでいい」と気づけたことは、今に至るまで、私のこころに余裕と、やる気の素を与えてくれています。


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