本日は晴天なり。

 ふと思い出したから、またなんともありふれた1日だけど残していく。
 今日は2限のオンライン講義の後、友人と一緒にすき家に行った。一年半ぶりくらい、実に久しぶりのすき家である。私にはかねてよりずっと食べてみたかったものがあった。児嶋だよ!チャンネルで推しに推されているねぎたま牛丼だ。彼らがそれはそれは美味しそうに食べるものだから気になってしょうがなかったが、その気になればいつでも行けるすき家というのは、逆に私にとってわざわざ行かない場所であった。そうして目の前に差し出された念願のねぎたま牛丼。いつもの牛丼の上に青々とした刻みネギがこんもりと盛られている。卵を割り、銀色の黄身分け器に落とす。白身はまだ卵黄とともに溜まったままだ。持ち上げ、傾けると隙間から卵白がとぅるーんと伸びたがそのまま落ちない。更に傾けたらどぅるんと黄身ごと落っこちた。なるほどそんなこともあるかとやり直し、今度は角度は程々にねぎたま牛丼を完成させるべく丼の方へのせた。いざ実食である。卵黄がネギと、牛肉と絡むようにかき混ぜ、そのままがっついた。なるほどうまかった。少し辛味が効いているのが良い。もともと甘めの牛肉にピリ辛のコチュジャンたれ、ほんの少し苦味のあるネギの組み合わせは、なるほどたしかにうまかった。友人とは女性向けアダルトビデオのストーリー性について語らった。時間停止系は我々の判断ではナシである。あっという間に平らげ、店をあとにした。

 その後は3,4限の授業を一緒に受けた。そこにはもうひとり友人がいる。昨晩とりとめのない思考に邪魔されてほとんど眠れなかった私は、満腹感も相まって眠気と必死に戦うので精一杯だった。体の角度は変えないように注意していたつもりだったが、斜め後ろの友人にはしっかりばれていた。

 続く5限も授業があるというという二人を見送って私は、3駅先のカフェへアルバイトの面接のため向かった。西日がきつく眩しかったので唯一影となってる簡素な待合室に逃げた。中には二人の女子高生がいた。終始何やら楽しそうに笑っており、自撮りやおしゃべりに励んでいた。電車がまもなく着くという頃、彼女らがまず立ち上がった。引き戸に手をかけると悲鳴を上げしゃがみこんでいった。静電気に手をやられたらしかった。さらにけたたましく笑い合う二人。西日がきつかった。

 肝心の面接は手応えがまるでなかった。就活控えた3年生。長期休暇は帰省を優先させたい旨、週には2,3回なら出勤可能という旨を伝えるたび、渋い反応が帰ってきた。しかしこちらだって交通費の支給がない点においては納得していない。縁がなかったのだ、自分を慰めた。

 電車に揺られ、駅に戻ると空にはあたたかなオレンジ色の雲が細くたなびいていた。それは地表に近づくたび色濃くなり、ピンク色の雲が絵筆で塗られたように一筋、頭上でもまたたなびいていた。明日も晴れるだろうか、と家路を急いだ。

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