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音が愛として機能する、形について





名前を呼ばれるたびに発生する湿度や温度

窓から入る風が揺らした水晶のような光が

パッと空気に拡散されてゆく時の

その振動


見えない幸福な粒子を
全身に浴びながら

心で受けとめて
感じ取ったもの


射す(形がない)
なでる(形がない)
込み上げる(形がない)



(形がない)



そうかあれは

愛だったんだ




手元の手紙をもう一度確認する

透けたカーテンは階下を歩く学生の声を拾わないし部屋へも入れない



彼に名前を呼ばれるたびに発生する湿度や温度


風に気を取られ過ぎていたのかもしれない








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