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Girl with Hay Rake/Winslow Homer

まばらに木の生えた斜面に農婦姿の少女がひとり立っている。
左手で熊手を肩にかつぎ、もう一方の手を腰にあてて背筋をのばしている。
熊手のかたちが現代にはちょっと見受けられないものでおもしろい。

斜面を登る途中で、ふと立ち止まったようにもみえる。
なにか一息ついているようにもみえる。
風がふいたからだろうか、草や葉が空中に舞っている。
吹き上げられているのか、木から散っているのかはわからない。
緑色の葉と黄色の葉が混じっている。

静止する人物と舞い踊る葉の対比がおもしろい。

日の光が少女の服にあたり白く反射している。かなりつよい日差しのようだ。
日光は空中を舞う葉の数枚をも白く輝かせている。
左腕と熊手の柄が上半身に落とす影から、日光の入射角度は推定できる。
少女の顔はフードで隠されており、その表情を読み取ることはできない。

少女のいる一帯に比べて、前面と背景は暗い。
うしろの木にあたる光の量は白い反射光が描かれてないからやはり少ないのだろう。
つまり、上空には雲がある?

木々のすきまを通してみえる遠くの空はくすんだ赤茶色をしている。
晴天とはいかないようだ。

この絵の場面を想像すると、雲が多い空のわずかな隙間を光がぬけて、少女と地面に光をあて、他方で雲の影をよりきわだたせているようだ。

風がつよく、雲のうごきがはやければ、地面のかげもはやくうごく。
光があたるのは一瞬のできごとだ。
その一瞬を描いているのだろうか。

雲のはざまに少女が立っている。

とも言えそうである。

・直感的に良いなと思った作品を選んでいます
・芸術に関しての知識はない素人です
・観て感じたことを文章化する練習として書いています
・ゆえに以上は完全なる個人の感想であります
・読んでいただきありがとうございます

その他雑感

この絵がホーマーを好きになるきっかけであった。
地面の斜めの構図が好き。光の表現も好き。
他の絵も好きなので、いずれまた書きます。

この熊手のサイズ、作業しにくくない?
腰を痛めそう。腰痛いから、手をあてているのかな?

斜面がきつそうで登るのも大変そうだなあ。
でもそれが生活の一部になっているんだろうな。

すてきだなって思ってしまう。

生きるために働く人の姿って勇気もらえるなあ。
わたしもちゃんと生活せねば、働かねば。

作者についてのメモ

農村に住んで農民の姿を描いたバルビゾン派の画家に影響を受けた。アメリカに戻った後、特に1870年代は農村の風景や農民の姿を描いた。

ちょうど今回の絵も1878年の作品ですから、ばっちりこの記述にあてはまりますね。

バルビゾン派、好きなのです。

構造的観察

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スライド4

パワーポイントで絵画鑑賞するの楽しいですね。

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