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女子ラグビー日本代表の勝利の陰にあるもの(日記2022年8月31日)

秩父宮集合!

大学時代のラグビー仲間からメッセージが来ました。
「女子代表のアイルランドとの試合を秩父宮に身に行こう。
どうもチケットの販売が芳しくないらしいから、みんなで
行って応戦しようよ」

こういう時のアクションは体も重くなったオジサンたちでも
実に素早いです。
あっという間に結束してみんで集まって一緒に見に行くことになりました。

そして、この試合は歴史的なものになりました。
2022年8月27日。

ラグビー日本女子代表はアイルランドに完勝しました。

日本ラグビーの聖地と呼ばれる秩父宮ラグビー場には
代表ジャージを着たサポーターが5000人近く集まりました。
その光景は4年前にアイルランドで見た女子ラグビーワールドカップの
時以上の高揚感がありました。
日本女子ラグビーにとってこの試合が持つ
意味を、この日、桜のジャージを
身につけた23人の代表メンバーはずっしりと感じていたと思います。
その重圧に押しつぶされることなく、
キックオフからあきらかにサクラジャパンの
メンバーには何かが乗り移ったかのような
気迫が溢れていました。
大きな相手に全く怯むことなく挑み続ける戦士は、
80分間勇敢であり続けました。
もはや女子ラグビーは、迫力がない。
とか、スピード感がないとか、思うことは全くありませんでした。
強く、早く、激しい。
そのあまりにも美しい姿に私の涙腺は簡単に崩壊しました。


泣いてますね(笑)


そして彼女たちは文句のつけようのない完勝を手にしました。
ラグビーには番狂わせは起こりにくいと言われるけど、
日本代表は男子も女子も完璧な番狂わせを見せてくれました。
今日の秩父宮にはエネルギーが溢れてましたね。
応援の力は、人に計算できない力を発揮させるのかもしれません。


不遇の女子ラグビー環境を支えた人たち

そして、この試合に私の感情が高まったのには、もうひとつ理由がありました。
それは、この日、これまでの女子日本代表に日本ラグビー協会から日本代表の証であるキャップが贈呈されるという特別なセレモニーがあったことです。

女子ラグビーは長く不遇の時代を重ねてきました。
ラグビーという競技は男子がやるものという伝統的な価値観のもと女子が加わるということは日本だけでなく海外のラグビー強豪国でもなかなか受け入れられませんでした。しかも男子だからこそのパワフルなシーンは女子ラグビーでは当然迫力不足。スポーツエンターテイメントとしての魅力もあるものとは思われていませんでした。
当然、プレイヤーの環境はよくありません。当初、女子代表チームはワールドカップにさえ自費で行っていました。

今から7年前に地元のラグビーチームNECグリーンロケッツのOBである藤戸恭平さんが日体大女子ラグビーチームのコーチに就任しました。日体大という日本を代表するスポーツ大学でも女子の環境は決して恵まれていませんでした。
企業が大学の女子チームをサポートするという実績を作りたいので、なんとか少しでもサポートしてくれないか?と相談され、もし自分の会社が女子ラグビー発展のきっかけになれれば素晴らしいなあと思って、ほんの少しですがサポートしました。
伝統ある日体大ラグビー部のジャージに企業スポンサーのロゴが入ることに反対意見をあったようですが、女子ラグビーの環境を考え、日本協会からも了承頂きました。
以来ファクトリーギアは日体大女子ラグビー部をサポートし続けてきました。そしてこの日秩父宮のグランドに立ったメンバーの中には日体大OGもたくさんいました。

この日出場した、ファクトリーギアがサポートしてきた山本実選手は、
女子プロラグビー選手として単身英国に渡りました。
このサポートも、これから果敢に世界にチャレンジしようとする女子選手を
サポートするきっかけになりたい。そんな思いからでした。

忘れてはいけない人たち

ファクトリーギアがサポートしたことは本当に小さなことでしかありません。
それよりも、この日の勝利の陰には、もっともっとたくさんの人たちのサポートがありました。そしてなによりも、決して恵まれた環境とはいえない中で、ラグビーが好きで、ずっと努力を続けてきたこれまでのプレイヤーの皆さんの日々があっての勝利だと思います。

目の前の勝利は、決して目の前のプレイヤーだけのものではなく、
これまでの歴史で重ねてきた沢山の人の思いと時間があったからこそだと思うのです。

この歴史的な勝利がそういった、これまで女子ラグビーに情熱を注いだ、沢山の人の前で見せられたこと。
これは本当にドラマチックなことだったと思います。

そして、そんな応援を背に戦う気高い姿に人は心を動かされるのですね。
素晴らしい瞬間に立ち会えてホントに幸せでした。

ラグビーの神様はピッチ上のプレイヤーだけでなく、
観衆であった私たちにも、
大切にして、思いを寄せるべき人たちの存在を教えてくれたのかもしれません。

ホントありがとうしかないです。

ありがとう!!


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