#11 メンタル不調の話(うつ・摂食障害・睡眠障害)
こんにちワッフル、マリエです。東京から青森へ移住してはじめての冬、氷点下の気温に震えています。
今日は精神不調についての話題です。
精神疾患の人が増える日本
厚生労働省の資料を参考にすると、2017年の精神疾患総患者数は約419万人、過去7年で100万人増えているというデータがある。
人口は減る一方、精神疾患患者が増えるこの現状は、きっと身近に起きた経験のある人や、当事者としてサバイブしている人も多くいるのではないだろうか。
「精神疾患」とは、特別な病気ではなく、誰にでも起こりうる可能性のある身近なものだ。本当に、いつ自分が当事者になるかわからない。
18歳でうつになった話
私は高校2〜3年生のとき、軽度のうつ病と診断され、ほぼ学校に通えない期間があった。受験真っ盛りの時期にメンタルを壊してほぼ不登校になり、案の定志望校には受からず、その後1年浪人した。
「うつ」というのは突然やってくる。
ある日、いつも通りに制服を着て、靴を履いていざ学校に行こうとしたら、なぜか玄関に座り込んでドアを開けられない。
靴を履いて玄関にしゃがんだまま、どうしても動けない。頭はぼーっとしたまま、気がついたら授業の始業時間を過ぎている。
なんとか玄関を出れたとしても、学校に向かうことがままならない。あてもなくふらふらと道を歩く。でも「何がイヤだ」とか「どこがツライ」とかがまったくわからない。原因が不明だけど、どうしても身体が思い通りに動かない。
今まで通りに学校に行けない自分に焦りはじめる。完全にダメ人間。遅刻や欠席がつづき焦るけど、なぜ自分が学校に行けないのかわからないから対処のしようもない。そのうち不眠が悪化して、精神科の病院へ自らいくことにした。
人間は思ってる以上に簡単に壊れる
その頃、あまり睡眠がとれず毎日1〜2時間置きに覚醒してた。平均睡眠時間は合計しても4時間に満たない。さらに症状が悪化すると、一睡もできない日が2〜3日になる。48〜72時間覚醒しつづけ、突然パタリと寝たりする。
少し前から、授業中の居眠りが過剰だった。授業がはじまった途端に睡眠のスイッチが入る。クラスの誰よりも授業中に寝てた。起きたいと思っても、身体が言うことを聞かない。学校では寝て、家では覚醒して、生活リズムがぐちゃぐちゃだった。
病院で軽度のうつと診断されたときも、「ほんとかなぁ」と半信半疑だった。うつというものが自分の身に起きるなんて、実感がなかった。ただ、あとから考えれば、そりゃあうつになる要素をふんだんに含んだ高校生活だったと思う。
食べない、動く、でみるみる痩せる
「痩せる」ということを自分の最たる目標として生きてた10代。52キロあった体重は39キロになり、痩せた自分に自信を持っていた。ただ、あまりにも健康的ではない痩せ方をしたため、その反動はすごかった。
食べ物への執着が止まらず、学校帰りに買いもしないのにスーパーのスイーツコーナーをウロウロ。とにかく食べ物に脳みそが翻弄されて、食べないのに食べ物の情報ばっかり収集する。
だんだんと歯止めが効かない食欲が沸いてきて、過食がはじまった。過食というのは、一般的な食事の量をはるかに超える量を無我夢中で食べる行為だ。始まると意思の力では止められない。
大量に食べたあとは自己嫌悪に陥り、這い上がれないのではないかと思うほど闇に堕ちる。自分の姿はむくみで醜くなり、後悔と自責の念で押しつぶされそうになる。だけど、同じことを繰り返す。
自己嫌悪と自分の容姿に嫌気がさし、さらに外に出るのが億劫になった。
投薬治療と時間で解決を目指す
当時通った精神科で処方される薬は、身体にぜんぜん合わなかった。(医師とも相性が悪かった)
睡眠導入剤はうまく効かず、夜寝るために時間を調整しても、飲んでから実際に効く時間にタイムラグがあり、朝まで一睡もできず、学校にいくタイミングで気絶するように睡魔に襲われることも多々あった。
何度も薬の種類や量を調整したけど、わたしの体はうまくコントロールできなかった。
他の薬もメンタルがバグることがあり、無心で髪を切り出したり、過食がはじまったり、自分じゃない誰かが現れたみたいだった。わたしの場合、薬では解決できないと早い段階で悟った。
睡眠障害・摂食障害は何年も引きずる
結局、大学受験に落ちて、浪人期間というある意味フリーな時間を手にし、その間に少しずつ暮らしを立て直していった。
学校に行く必要もなく、アルバイトはしながらも自分にできる範囲でおこない、何かに制約される暮らしから解放されたことは、私にとって大きな治療の一つだった。
1〜2年をかけてうつの状態はよくなったものの、その後【睡眠】と【食事】の課題は、約10年ほどずっと格闘することになった。
ショートスリーパー、深夜に記憶のない食事
今、あたりまえに夜眠れて、朝起きれて、食事が摂れる。
それが、当時の私にとってはまったく当たり前じゃなかった。ぐっすりと眠り、きちんと食事をとるなんて、まるで夢みたいなことだった。
20代の頃は、基本的に2時間以上続けて寝るのが困難だった。夜中に、何度も目が覚めて朝を迎える。もはや、寝ること自体が苦痛だった。
(でも寝ないと調子は出ないので睡眠は取りたい)
しかも、寝ている間に無意識で何かを食べている。朝、ゴミ箱に捨てられた食べ物の袋や、空になったタッパーなどをみて、まったく記憶にない自分にドン引く。怖すぎる。
調べてみると、おそらく「睡眠関連摂食障害」というものに当てはまる。高校生のときのダイエットのダメージが、ここまで影響してくるとは、人間の防衛システムというか、生命維持システムというか、そういう機能ってすごいんだなぁと思った。
普段の食事をとるにも抵抗感が抜けず、飲食店や市販の食事で「一人前を食べること」というができなかった。お腹がいっぱいとかそういうことではなく、「太るんじゃないか」という恐怖にずっと襲われていた。
食べること自対に抵抗があるので、人との食事もとても苦痛だった。(人といるときはなんとか普通に食べるフリをしてた、心から食事を楽しいと想えなかった)
体型を気にせず、自分が食べたいものを、食事としっかり向き合いながら、心身が満足するまで食べる。そんな自然なことができるようになったのは、本当にこの数年のことだ。
症状がよくなったきっかけ
結局私は、以前の記事にも書いたが「頭で考える」生き方をしてた。頭を優先すると、知らない間に心が犠牲になってる。
心を犠牲にしつづけると、心身に不調がでるのは当たり前だった。でも、心を犠牲にするのは手軽で便利だし、心を優先する大切さなんてだれも教えてくれないから、人は簡単に心を潰す。
頭で考えたほうが、自分を納得させるのも簡単だったりする。頭って、思ってる以上に厄介だ。私の場合は、自己肯定化訓練や、子どもが生まれたことによる影響が自分を解放させてくれた。
自分の心を、とにかく無視せず、ちゃんと耳を傾け、(たまに他人の声はスルーしながらも)その尊厳を自分がきちんと守る。これは、これからもずっと継続的に取り組んでいかなきゃいけないこと。
メンテナンスの重要性
精神疾患は、誰にでも起こりうる。
そして、大切なのは精神疾患には【治癒】がないということ。
心の根っこに、その原因の核は誰しも抱えつづける。「もう治ったから大丈夫」ではなく、その根っこを発動させないように、常にうまくメンテナンスしていかなくちゃいけない。(発動したことがない人も同様)
病気の症状が治まっている状態のことを、【治癒】ではなく専門的には【寛解】というらしい。この、【寛解】の状態を維持することがサバイバーには必須だ。
私は最近、「人権」や「尊厳」について、子どもたちが学べる資料をつくりたいと思ってる。なぜなら、人間一人ひとりがもつ「人権」や「尊厳」を学ぶことで、他者だけでなく自分自身にも、その人権や尊厳が適用されることを、客観的にも理解できると思うからだ。
自分の心身を、すべての人類同様尊重する。そんな風にできたら、闇落ちせず生存できる人が増えるのではないかしら。そんなこんなで、本日もディープなネタでした。あでぃおす。
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