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医療系の小論文におけるポイントとは

医療系における小論文の意義

今回は小論文のポイントといっても、そのジャンルを『医療・看護』に絞って解説していこうと思います。ここで述べている内容を正確に理解することができれば、看護・医療系の大学や専門学校、または病院採用試験の基礎知識は構築できます。

近年の大学入試の特徴として、「小論文」を書かせる大学は増えていますが、医療・看護系の大学、または専門学校では必ずと言っていいほどこの小論文試験があります。これは、大学入試や専門学校入試のみならず、病院採用試験の際にも課せられる内容です。つまり、医療従事者を目指すなら避けて通れないのが、「小論文試験に合格」することなのです。

では、実際にどのようなポイントを抑えていけばよいのでしょうか?
もちろん、多くのサイトで一般的に取り上げられている小論文の書き方やポイントなども大切ですが、「医療・看護」はまた特異な部分があり、しっかりとポイントを踏まえなければ合格することが難しくなってしまいます。

余談ですが、自分の在籍している病院の採用担当と関わる機会が多くよく話をするのですが、筆記でわなかなかわからない医療という特殊な職務を果たす上で重要な要素が面接や小論文で分かるのだ話していました。また大学や病院独自の出題形式だからこそ、よりそのような点を厳選できるということで小論文試験は奥が深いなと感じました。

では、なぜ「看護・医療系」には小論文がつき物なのでしょうか?
採用担当との話の内容も踏まえて、そこについて言及していきたいと思います。

看護・医療系に小論文が必要な理由


看護・医療系に小論文が必須の試験となっているのには理由があります。
これは私の個人的な考察によるものですが、医療従事者は「人の命」を預かる仕事だというのが大きな原因だと考えます。

新型コロナウイルスなど医療は時代ごとに様々な逼迫した状況に陥っています。そんな状況の中でも医療従事者は国民の命を救い、元の生活へ復帰できるようサポートをしなければなりません。医療は人対人の仕事であり、且つ命も預かるとても重要で信頼関係あっての仕事です。

そこで医療従事者に問われてくるのが、「医療における専門的な知識」「コミュニケーション能力」「倫理観」などです。以上挙げた3つの点においては、医療従事者になる者として念頭に置いておく必要があり、採用する側もその要素を持ち合わせた人材を雇いたいのは至極当然のことです。ただ、実際に働いてない為、その価値が分かりづらいのも現実です。そのため、大学や専門学校では、その第一段階として、「医療従事者になるための心構え」を面接で試し、小論文試験では医療従事者になり得る要素を測る手段として用いられているのだと感じています。

現在の知識偏重型の「問題を解く」という試験から、この尺度を計ることはできません。そのため、小論文試験を利用しているのです。「文は人なり」という言葉もあるように、文章は人を表す。つまり、医療従事者としてこれから「命」を預けることができる人物なのか、文章から先ほどの要素をみられているのです。

では、医療系の小論文試験に合格するためにはどのようなポイントを押さえれば良い印象を与えられるのでしょうか?求められる要素を踏まえて解説していきます。

説得力のある文章を書くためには


説得力は小論文において最も大切なことです。小論文に求められるのは「論理性」です。そのため、主観的で感情的な文章を小論文と呼ぶことはできません。

見出しにもなっている「説得力のある文章を書くためには」この「論理性」が必要不可欠です。では、何を意識することで説得力のある文章を書く事ができるのでしょうか?

看護・医療系における、説得力のある文章を書くために勉強するべき内容は下記の4つです。

①医療におけるキーワードの意味や定義を把握する
②必要性や問題点について理解する
③必要になった背景を探る
④問題点の解決策を考察する

この4つのポイントを抑えることができれば、医療・看護系の小論文で説得力のある文章を書くことができます。

定義の把握


定義の把握とは、試験で課される問題のキーワードにおける意味内容を把握することです。

例えば、問題に「チーム医療」というキーワードがあった場合、「分担や分野の異なる医療従事者が対等な立場で協力して、患者への医療にあたること」と定義することができます。

この定義を知っているか否かで、問題提起が大きく変わるため、できるだけ多くのトレンドキーワードにおける定義を頭に叩き込むようにして下さい。

また、先ほども述べたように大学や病院独自の出題形式である為、その対象の特色なども加味してよりキーワードを厳選していくことも大切です。高度救急に力を入れているのか、地域医療に力を入れているのか、 その病院の地域の役割なども参考にしてみるといいかもしれません。

必要性と問題点への理解


「定義」されるものには、その必要性と問題点があります。小論文ではここを言及し、自分なりの意見を論理的に述べなければならないため、試験前に予め知っておくことで、よりスムーズに小論文を書く事ができるでしょう。

例えば、「出生前診断」についてであれば、「胎児の異常の有無を知ることにより、出生前から経済的、心理的な負担を考慮することができる」という必要性があり、「それによって人工中絶をした場合などは、優生学的な視点から倫理観に欠けるのではないか」という問題点もあります。

この必要性と問題点を把握することが、小論文の本論に大きく関わってきます。

必要性における背景を知る


背景を知るためには、歴史的な事実を知る必要があります。
そもそも、それが現在定義としてあるということは、そうする必要性があったからです。したがって、過去にどんな背景があったかを知ることにより、その対策が現代社会においても必要なのか、その考察を深めることができます。

例えば、先ほどの出生前診断を取り入れたのは、出生後の経済的・心理的負担から、育児放棄や児童虐待の件数が年々増えてきているという背景があった為です。

こういった背景と現代社会の実状を照らし合わせ、では現在その取り組みはどうなのかという考察に入るのです。過去と現在を二項対立的に考えることによって、より客観的でリアルな内容になります。

問題点の解決策を考察


試験が小論文であるかぎり、この要素は絶対です。課されたお題の問題点について、自分なりの解決策を考察し、述べる必要があります。
解決策の内容に関しては、あまり突拍子のないものにしないことが重要です。非現実的で理想論に捉えられてしまうと、中々良い点数はもらえないでしょう。

この4つのポイントを試験では確実に抑えなければなりません。そのための訓練を日々行っていきましょう。

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