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片田舎セクマイ発達障害無学歴ヒッキー鬱で人生詰みかけたけど、上京→生活保護&障害年金&就労移行支援→未経験からITエンジニア正社員まで漕ぎ着けた話

こちらの続き。


アルバイト

引越のときお世話になった不動産会社に、上手いこと拾われてアルバイトが始まった。「デジタルサイネージがやりたい(意訳)」とのことで通っていたが、肝心の社長がITにとても疎いので計画はさっぱり進まず、ほとんどの時間は山と溜まったOA事務の手伝いをしていた。
通常、就労移行支援を受けながら働くことはできないそうで、私はきちんとその点を事業所の指導員さんに確認を取ったのだが、支援計画を立ててくれるプランナーさんには「書類には載せないでおくね」と言われた。本当によかったのだろうか。
ちなみに、バイト代はそのまま、生活保護費返還となった。……今思えば、付き合いのために休日を潰す行為は無駄でしかなかったな?

スーツ

ユニクロ|オーダーメイド感覚で選ぶ、ジャストサイズ
ユニクロで店員さんにサイズを案内してもらい、セットアップのジャケットとパンツを買った。ついでにスーパーノンアイロンシャツとネクタイも。
ジャケット、合わせてもらったらXXSとかで、ああうん、これ選んで正解だったな多分、となった。フツーのスーツ屋行ってもサイズないだろこの身体。
代金は、東京都の「生活保護を受けられている方を対象とした法外援護事業」からの「就職活動用の被服等」という援助金¥25000を充てた。

就活

就活には、 EN:TRY という、書いたコードを見た企業からスカウトが来るスタイルの転職サービスを使っていた。
しかし、どばどば押し寄せるスカウトメールに "マルチタスクできない人間" である私はフリーズ。並行して何社も受けるのは無理だと判断し、1社づつこなしていくことに。
そして、2社目を落ちた辺りでストレスが限界に迫った。3社目へ動けない。書類を用意しようとしながらずっと泣く寸前のままでいる。「遮断桿揺れる向こうを死が走る」 とか詠むような状態に。
これはまた自殺衝動が跋扈するやつだと考え、主治医と事業所の指導員さんに話して一旦就活を休むことに。webコースを受講してスキルアップの勉強を続けつつ、事業所経由で受けられる案件に携わる方向へシフトした。

企業実習、そして就職

そして、社会がコロナ禍に呑まれていった2020年05月、事業所から企業実習のお話を貰った。書類をpdfで送り、zoomで面接して、05月末からの参加が確定した。3ヶ月をクリアすると、そのまま就職できる。
実習先オフィスは新宿。エンジニアとして、webのフロントからバックエンドまでを手掛ける。ありがたいことに、07月半ばの段階で、上司から「森野さんの能力や人柄は分かったので、インターンを2ヶ月で繰り上げてうちに来ませんか」とお声掛けいただいて、それはもう二つ返事で了承し、08/01付で契約社員になった。

就職と障害

性同一性障害と発達障害のことは職務経歴書の特記事項に書いていた。しかし特に引っ掛かることなく就職までできた。どちらもクローズで、知っているのは上司と社長くらい。
「学歴・職歴の空白期間にて ~ 性別移行を行っておりました」と書くと、ホワイト履歴書のカバーができて美味しかった。

発達障害(注意欠陥多動障害・精神3級)があります。症状に応じて薬を服用しております。通院頻度は月1回です。現在症状は安定しており、就職に問題はないと主治医に言われております。
性同一性障害があります。生まれ並びに戸籍上の性別は女性になります。学歴・職歴の空白期間にて、通院、カウンセリング、ホルモン療法、乳房切除術、改名といった性別移行を行っておりました。

セクシャリティについてはだいぶ気を使っていただいていて、飲み会などでの話題で、私にまで順番が回らないように上司が流れを御してくださっている。訊かれたのは、少人数の飲み二次会にて上司から「好きな人とかいないの?」と、社長と2人の喫煙室(煙草休憩目的で vape を吸っている)にて、これは個人としての興味で訊くんだけれど、答えたくなかったり不快に思ったら言ってね、という前置き込みの「トランスジェンダーであることってどんな感じ?」の2回だけだ。

生活保護卒業

毎月頭、先月の収入を申告しにケースワーカーさんを訪れる。最初の半年である契約社員での手取りは22万ほど。ここへ障害年金の6万が加わると、私の最低生活費を完全に上回る。休止期間を設けてもらい、就労が上手く継続できるか、収入が安定して得られるか、3ヶ月様子見してもらった。
そうして無事、2021/01/01付で、生活保護が廃止となった。

正社員へ

何事もなく半年が過ぎ、契約を更新し、02/01付で正社員となった。最終学歴中卒が、正社員雇用を果たした瞬間である。記念すべき日だが、実際は感慨もなにもなく、やべえ月曜だ仕事だオンライン朝礼出なきゃと飛び起きてバタバタしていた。年明けに発令された緊急事態宣言を受け、職場は完全リモートだ。出勤間際まで惰眠を貪る生活を送っている。
給与は、契約社員から2万増えたので手取り24万くらいと予想される。今度の更新で障害年金が無くならなかった場合、合わせて手取り30万。履歴書ホワイト24歳にしては快挙ではなかろうか。

振り返って

渡りに船を八艘飛びして今があるなあ……と、これは一般化できない例だなあ、と思う。上手くいき過ぎた。未経験の求人がゴリゴリ減っていく中、実習を採ってくれたこの会社には感謝に堪えない。
そして、こんな立ち回りができたのは、やはり都会ゆえだと感じる。片田舎には船なんてない。本当に。
しかし、詐欺被害で貯金吹っ飛ばしの憂き目に遭っているので、これがなければ今頃口座に余裕の7桁あってSRS予約できてたのになあ……と悔やまれる。裁判で勝ちたい。

これから

貯金してSRSして、資産形成して大学と院行って、脳神経科学やってフルダイブ技術の基礎理論に人生を捧げたい。ITエンジニアという職業は、理系馬鹿という趣味と、所得獲得 & 経歴ロンダリングという実益を兼ねた手段であり、人生の終着ではないと考えている。たぶん、人生の終着とするのも向いてはいると感じるが。


前の記事に書き忘れたのでここへ書くが、この部屋は狭い。生活保護申請を手伝ってくれた職員さんが、契約書を見て「えっ、14平米? ……ちょっと待ってね」と確認に行ったくらいだ。理由は面積で家賃扶助基準額が変わるためで、つまり額を覚えない程度にレアな狭さということになる。前の記事に書いたが私は狭い方が好きだ。実に素晴らしい部屋に巡り会えた。

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