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一人一台端末によって想定されるトラブルと対処方法

 高校で一人一台端末を始める場合、基本的には小・中学校で一人一台端末を使ってきているはずです。しかし、使い慣れているとはいえ個人差があるでしょうし、今までにない新しい問題やトラブルが起きるはずです。そこで、生じうるトラブルを予想し、学校としてどう対処するかを考えてみましょう。

1 端末の電源が入らない、画面が映らない

 充電がされているかを確認。強制終了から再起動を試してつかなければ故障の可能性があるので、学校端末を貸すなどしてその日は乗り切る。

2 落下によって壊してしまった

 メーカーや販売店等に自分で連絡してもらう。直るまでは学校端末を貸し出す。

3 ネットに繋がらない

 特定の生徒のみか、特定のクラスのみか、学校全体かを確認。特定の生徒のみならWi-Fiの接続先が正しいか確認し、OSのトラブルシューティングを実行。特定のクラスのみの場合は、その教室のルーターだけ繋がらないのか、他の教室も繋がらないのか確認し、可能ならWi-Fiルーターの再起動。学校全体の場合は県やルーターのメーカーの不具合情報を確認。一時的な問題かもしれないので、とりあえず直るまではネットに繋げなくてもできることをする。あるいは予備回線があればそちらに繋ぐ。

4 端末がフリーズした

 再起動を行う。それでも直らない場合は修理に出してもらう。必要に応じて学校端末を貸し出す。

5 端末やアカウントの貸し借りをした

 セキュリティリスクがあることを教え、何かあったときに互いに不幸だということを説明してやめさせる。

6 盗撮や盗聴、SNSへの不適切な投稿をした

 初期指導で情報モラルについて教える。法令遵守への意識を高めさせる。

7 授業中などに関係ないソフトの閲覧などした

 注意してやめさせる指導をするが、そもそも無関係なサイトを閲覧する気を起こさせない魅力的な授業づくりをする。あるいはグループワークなどを利用し、授業構成的に不可能な状況にする。授業中に寝たり絵を書いたりする生徒に対する指導と同様に、細かく粘り強く指導していく。
  

トラブルと指導方法の共有が大切


 7つのトラブルと対処法について述べました。他にも細かい問題はたくさん出てくると思いますが、新しいことを導入する際に多少の混乱はやむを得ないです。その都度、きちんと対処し、その対処方法について振り返りと共有をしていくことが大切です。

デジタルシティズンシップ教育へ

 今まで学校現場の基本的な態度としては、ICTは学校生活に不要であり、不適切な使用をするかもしれないので使用禁止するというものでした。しかし時代は変わり、ICTは学校生活や学業に有効活用できるもので、今後社会でも必要なスキルという認識にアップデートしなければなりません。その際に大切なのは、「べからず論」になりがちな従来の「情報モラル教育」ではなく、「情報技術の利用における適切で責任ある行動規範」を教える「デジタルシティズンシップ教育」をすることです。つまり、「してはいけない」ことを教えるのではなく、「このように使うと学びや生活が豊かになる」ということを日常の教育活動を通じて教えていこう、学ばせていこうという共通認識を持つべきです。



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