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【日記】夏の記憶

夏。

素足にサンダルを履くのが好きなので、サンダル焼けをしないように、とりあえず足先の日焼け止めを塗る。

その手で、服から出ている部分にも塗る。
ふわりと日焼け止めの匂いがする。

その昔、水泳部だった頃の遠い記憶が突然蘇る。


暑い夏の日差しの中を、ざぶざぶ泳ぐ心地よさ。
塩素の匂い、日焼け止めの匂い。
プールの中の、光の揺らぎ。
ゴーグル越しに見える、水中に浮いた一枚の葉。
遠くに聞こえるタイマーの音と笛の音。
真っ直ぐに引かれた水底の白い線。
呼吸も惜しんで、腕をかき足で蹴った水の感触。
腕力だけでがばりとプールサイドに上がる瞬間。
凍らしたスポーツドリンク。
がぶ飲みした麦茶の味。
ぺたりと体に引っ付く水着の感触。
ジリジリと容赦のない陽の光。
あっという間に乾いていく水に濡れた肌ーー。

…蝉の声は、今もあの時から変わらない。

夏の日差しの下と、頬を撫でるぬるい風と日焼け止めの匂いだけで、どこまでも記憶の裾は広がる。

その裾を引き摺ったまま、蝉の声が降るような公園の横を歩いて、いつものスーパーへ買い物に出かける。

日傘があるだけで、随分と過ごしやすいことを知ったのは、最近のことだ。
私は、荷物になりやすい傘そのものが好きではないのだ。

ただし、不承不承さした日傘でも、木の影がちらちらするのが目に楽しい。

緑が豊かな点は、いま住んでいる土地の一番好きなところ。

風が木々を揺らし、足元の木陰がそれに合わせて揺らぐ。

熱く焼けたアスファルト。
むせ返るような木々の匂い。

そういった諸々を全身に浴びることで、夏がきたことを実感する。

それにしても暑い。そしてスーパーは遠い。

ああ、夏は来ぬ。


昨日の記事を投稿した後、31日連続投稿できてるよ!の通知が出て、思わず連投した。

あのまま連続投稿できていたら…と、正直今でも思う。カウントしたくなる。

それでもヘソを曲げずに今なお、言葉と向き合い続けている自分を素直に少し認められた。

そんな、夏の日の夜。

じわじわ夏の予定が入っていく。嬉しい。
会いたい人にはもれなく会って、行きたいとこには迷いなく行きたい。

いま、夏は来ぬ!

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