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自転車を漕いで出力(ワット)を出すってどういう事?

■先に結論:ペダル(片足)にかかる荷重はケイデンス90の場合
3W/kg⇨体重の約0.3倍
5W/kg⇨体重の約0.5倍

自転車を漕いで(ペダリングして)出力(W)を出すってどういう事か?Zwiftをそれなりに長くやっていれば、100Wはこれくらいで、200Wはこれくらいで漕ぐと感覚的には分かっていますが、これってどれくらいの力を出しているのでしょうか?考えてみました。

1.仕事(エネルギー)とワット(仕事率)の関係

出力(W)は1秒あたりの仕事(J)です。

■問1
体重60kg+自転車8kg=68kgを10m持ち上げるのに必要な仕事は?
■回答
仕事(J)=質量(kg)×重力加速度(9.8m/s^2)×高さ(m)
68kg×9.8×10m=6664J
■問2 
68kgを10m、20秒で持ち上げるのに必要なパワー(仕事率)は何W?

仕事率(W)=仕事(J)÷時間(秒)

6664J÷20秒=333.2W

2.ペダリングとワットの関係

画像1

簡略化の為に、ペダリングは図のように上死点から下死点まで真下に同じ力を加え続けていると仮定します。
※実際には回す様ににペダリングをし引き足も使うわけですが、メインとして使う力は重力方向(真下)への力になるので、実際と大きくは外れていないと思います。

クランク長さは標準的な170mmとします。直径に直すと2倍の340mmです。
ケイデンスは90回転/分とした場合、毎秒1.5回転です。
右足で340mm落とす、左足で340mm落とす、右足で340mm落とすと合計で、毎秒1020mm落とす(下向きの力をかける)事になります。
ペダリングが上から下への力のみで行っているとした場合。
例えば体重60kgの人が、体重の半分30kgをケイデンス90でかけ続けると
30kg×9.8×1.02m=300W
とちょうどキリの良い数字にになります。これはPWRに直すと5.0W/kgです。
何が言いたいかと言うと
5W/kg で走り続けるというのは
ケイデンス90で左右の足に体重の0.5倍の荷重を切り替えながらかけ続ける行為、
と解釈することができます。
 
これを基準に考えれば、

・3W/kgだとケイデンス90で体重の0.3倍の荷重をかけ続ける
・荷重をそのままでケイデンスを1割増せば、パワーも1割増し
  ケイデンス99で体重の0.3倍の荷重をかけ続ければ3.3W/kg

10W/kgだと全体重をケイデンス90でかけないと出ないわけです。全力立ち漕ぎはこのイメージに近いですね。
 それ以上出す為には腕の引き付けを使う、引き足を使う、ケイデンス90以上にする等が必要になってくるわけで、だいたい10倍付近に限界が来るのも納得です。

また、体重が違っている人、例えば体重50kgの人体重80kgの人がいた場合
 体重80kg FTP320W(PWR4.0W/kg)の人はけっこうたくさんいます。
 体重50kg FTP320W(PWR6.4W/kg)の人はまずいません。
この事からも、ペダリングは自分の体重比率と関わりが大きい事を示しています。体重が違っても、だいたい似たようなPWRに限界がくるのは今回の考察のような理由だと考えられます。

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