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八月のシンデレラナイン(ハチナイ)のヘルプが素晴らしいという話

■はじめに

 こんにちは。花倉みだれです。
 今回は、ドラゴンボールドッカンバトルロマンシング サガ リ・ユニバースなどでおなじみアカツキ様のオリジナルタイトル、「八月のシンデレラナイン」のゲーム内ヘルプをひたすら褒めちぎります。
 私はカスタマーサポート(CS)関係の業務を他社で行っていたことがありますが、これだけ充実していたら一次対応にしろ二次対応にしろいかに楽できるか……と羨ましく思います。

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私の推しメンは岩城良美。どことなくモデルがいることを彷彿とさせる名前と風貌、小さいながらパワーヒッターでちょっとウザいものの一生懸命なチョロ可愛さ。学ランに帽子に下駄に無造作ヘア。変化球を投げられないというゲーム的に弱さを隠せない個性的な能力。何をとっても可愛い。最高ですね。パワプロ的に言うとFACCFFみたいなイメージの右投げ左打ち三塁手兼投手です。


※免責
 私はフューチャーフォン(以下FP)向けのゲームデビューが「シンデレラナイン」スマートフォン(以下SP)向けゲームのデビューが「サウザンドメモリーズ」と携帯電話向けネットワークゲームにおいてはアカツキ様によって起こされ育てられた人間で、控えめに言ってかなり贔屓しているところはあります。
 就職・転職活動の度に、その時の収入や立場などは投げ売ってバイトでも入りたいと応募しているもののご縁は結ばれず……。中の人として貢献できないのは心苦しいですが、何にせよユーザーのほうを向いた素晴らしい運営をしている企業だと心底思っています。そういう補正がないとは言い切れません。
 今でも思いは強いので、人手足りなすぎることにお悩みのアカツキの人事の方がいたら引き抜いてください!(ど真ん中直球)

■ハチナイはそもそもどういうゲームなのか

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公式が用意しているゲーム説明PVのサムネイルですべて語られていると言っていと思います。

 FP向けゲーム「シンデレラナイン」の流れを組みつつ、リッチにリファイン、設定なども全く新規に作り直されているSP向け美少女野球ゲームです。
 パワプロの「サクセス」を彷彿とさせる「デレスト」でキャラを育成してチームを作り定期的に開催されるPvPやイベントでのNPC戦を繰り返したり、キャラごとのストーリーを見たり……とそんな感じのゲームです。
 マネタイズはガチャと育成時短に使える課金石。私は結構育成時短に石を使ってしまいます。
 さすがに「シンデレラナイン」よりやることは多いのですが、それでもゲームとしての枠組みは実は結構シンプルです。玄人ほど選手の組み合わせなどで工夫のしがいがあり難しくなっていく点、「デレスト」でのレアスキルの習得が意外とシビアであるなど、良くも悪くもFPで流行ったゲーム性を彷彿とさせる部分もあるにはありますが、アクション要素はなくゲームが進行することも含め、敷居は昨今のSP向けゲームの中ではかなり低いです。
 
つまり、新規ユーザーを殊更意識したヘルプの必要性という観点ではその他のタイトルと比較してそこまで求められていない性質のタイトルとも考えられます。

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不具合と更新情報くらいに分かれているお知らせはよく見ますが、4分割は結構レアだと思います。実際アクセスしたい情報にアクセスしやすくて見やすい。ヘルプ以外が不親切ということはないです。

 イベントなどの紹介やお知らせも丁寧で、チュートリアルも雑な感じもなく大筋そこで理解できてしまうと思うので、そういう意味でも丁寧なヘルプを用意する必要はあまりないと考えることもできます。
 なのに手を抜かず、更にヘルプにリソースを割いているところにアカツキのハチナイへの本気度を感じずにはいられません。

■ハチナイのヘルプの充実っぷり(他タイトルとの比較)

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複数タイトルのヘルプを見て項目の有無をまとめた図。調べたのが1年以上前なので現在では状況が違うタイトルもあるかもしれませんが悪しからず。ゲーム内で完結せず外部サイトに誘導されるものを「△」としています。
「第一階層の項目数」はFAQで最初に目にする項目数です。例えば、「攻略情報」「課金関係」と1ページ目にあり、そこから細部に分割されている場合は「2」としています。
海外デベロッパーであることが外からも明らかなタイトルほど簡素な傾向にあります。

 意外と、各社各タイトルでヘルプの扱いにはばらつきがあることがわかります。扱っている要素もバラバラです。
 そんな中、私が抜き出したほぼ全ての要素をゲーム内(FAQのみ外部サイトに誘導されるため)のヘルプで補っているタイトルこそがハチナイなのです。
 ヘルプは読まない人も多いものの、逆に言えば読む人はそのタイトルに対する温度感が高い方であると考えられます。そこに対して適切なアプローチをできることは体験の良さを底上げすることに繋がりますね。
 ヘルプに掲載されている情報は大きく分けて3分割されると思います。「チュートリアルの補足情報」「よりゲーム体験をよくする補足情報」「課金やデータ削除などカスタマーサポートに向かうまでに読ませたい情報」です。


●チュートリアルの補足情報 について

 主に「ゲームサイクル」の話です。ユーザー的な言葉で言うなら「で、何すればいいの?」という部分ですね。
 これがそもそも用意されていないゲームも多い中、ハチナイは「遊び方」→「初心者ガイド」で解説を用意しています。

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 ビジュアルが多く大変わかりやすい……!
 細かいところながら読み終わったら流れるように次の項目読ませてくれるのもストレスフリー!
 ヘルプの作成を一任される立場として考えると、ビジュアル面で訴えかけるのは(デザイナーへの発注しなきゃいけなかったり、そもそも工数増を上に相談しなきゃだったり、実装面で負担をかける割合が増えそうだったり)そのほうがユーザー体験が良くなることを踏まえても意外と面倒です。これが出来るというだけで、アカツキ様の風通しの良さやユーザー体験の重視っぷりを察することが出来ます
 実際、他タイトルのヘルプはテキストベースなことが多いのでお察しです。
 この初心者ガイド通りにプレイすればサイクル面で何をやればいいのか迷うということはもう発生しないと思います。
 その上で更に、各項目に関する解説も不足なく揃っています。初心者脱出後も不安なくゲームを続けることができます。

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ゲーム内でわからないことをゲーム内で参照して理解できる、というのは大変ありがたいものです。特にSP向けのゲームで外部サイトを参照しながらプレイするのは操作的にも結構面倒なので、それが嫌で辞めたくなるゲームは結構あります。


●よりゲーム体験をよくする補足情報 について

 ゲームのチュートリアルや攻略とは直接関係ない、IPに対しての説明や小ネタなどのことです。最初に提示した表で言うところの「世界観説明」「キャラ紹介」にあたる部分ですね。  

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ハチナイでは「遊び方」→「選手情報」から確認することができます。

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クラス別の名簿、ポジション別の名簿、コンボが発生する組み合わせごとの解説、一人ひとりの詳細プロフィールと様々な角度で紹介されている。ビジュアル多めなのも良いです。

 普通に本編のストーリーを読むなり、イベントストーリーを読むなりすればわかる部分ではあるものの、こういった補足情報は愛着を生むのに役立ちます。地味にコンボ関係の攻略情報となっていることも見逃せません。
 「好きなキャラ1人選べるガチャチケット」みたいなのに釣られてゲームを始めたものの、どのキャラも知らん! みたいなことはSP向けのネットゲームにはありがちです。そういう時に、こういう形でキャラ紹介を見られると能動的に推しキャラを選べて機会損失を最小限にできそうです。
 また、時折ゲーム内設定についてのお問い合わせがカスタマーサポートに届くという話を聞くことがありますが、ゲーム内に掲載されている情報だと開発・運営にエスカレーションすることなく躊躇なくすんなりお客様に案内できるので大変よろしいです。 
 美少女モノだから、学園モノだから必要なのでは? という考えもなくはないですが、血で血を洗うような世界観の話であっても、勢力ごとにキャラをまとめてくれたりするとありがたいと思います。スポーツ物であれば選手名鑑的に、ロボものであればロボ名鑑的に楽しめるコンテンツまで昇華することも可能でしょう。


●課金やデータ削除などカスタマーサポートに向かうまでに読ませたい情報 について

 トラブルを未然に防ぐ、ないしトラブル後の問い合わせ内容を絞るものです。
 最初に提示した表で言うところの「課金石について」「引き継ぎについて」「ユーザーIDについて」「ユーザーネームについて」にあたる部分ですね。
 この項目は国産のタイトルなら絶対にあるものではあります。
 これを読んでもらえるかどうかで、カスタマーサポートの人たちの労力がかなり変わります。 

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ゲーム内のヘルプ。過不足なく説明があります。

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ゲーム外部のFAQの画像。トラブル関係に関しては「よくある質問」として対処法が掲載されている。こちらもビジュアルが掲載されておりわかりやすい。カスタマーサポートのメール対応で画像つきで対応するのを聞いたことはないので、参照先として誘導するwebサイトに画像つき解説があるというのはとても良い。

 よくあるお問い合わせに対する回答の詳細がゲーム外部にあるのは、お問い合わせ対応をする側としては非常にありがたいものです。ゲーム内での遷移をお伝えするより、URL貼り付けるほうが間違いないですし(アカツキのCSがどういう運用をしているかはメール送ったことないのでわかりませんが……)。
 実際、プレイできない、課金が反映されない、引き継ぎができなかった、といったようなトラブルではあまりゲームを触りたくはなかったり触れなかったりするものです。
 ゲーム内外に参照先があり、外部からも詳細が見えることや、その内容や見やすさなどトータルで考えて模範的なものに見えます。

■まとめ

 私が見てきたSP向けゲームのヘルプの中では圧倒的に「ハチナイ」のヘルプは出来がよい、という根拠についてご理解いただけたでしょうか。
 コンサル的な提案、あるいはUX向上に向けた自社タイトルの改善提案、そういったものを超スピードで提出しなければならない方がいたとしたら「ハチナイライクにヘルプを改修しろ」ということを言葉を変え表現を変え提案するだけでもかなり有意義なものになると考えます。
 
ヘルプはゲームそのものに比べれば改修コストは低いと思われます。一方で、触れるユーザーの絶対数も少ない。ですが、触れたユーザーのUX向上に対する影響は小さくありません。手を抜いた印象のタイトルが多いからこそ、力を入れることでユーザーのことを考えているのだとアピールできるチャンスです。
 私が触れるタイトルのヘルプがハチナイくらい親切なものになる未来を夢見て、この記事を終わりとしたいと思います。

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