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なぜあの子は人の目を見て話が聞けないの?
こんばんは、Mihoです。
今週は妙に気ぜわしくて貴重なお友だちからの連絡をスルーしてしまっており、今日慌てて連絡したら
友「うっかり事故でブロックされちゃったのかと思って心配してたよ~😊」
わたし「〇〇ちゃんをブロックしたら友だちいなくなるからそれはないよ~😊」
とほっこりした会話になりました。
たまに忙しくなると細かいこと(どうしてもやらなくちゃいけなくはないこと)に気が回らなくなってしまうのですが、こういったポンコツさを理解してお付き合いしてくれているお友だちには圧倒的感謝です✨🙇♀️
さて、今日は小ネタを1つ。
保護者の方から
「うちの子は人の目を見て話せないんです。
これだと話を聞いている感じがしないし、接客業をするときなどに困るので、どうにかならないんでしょうか……」
とご相談をいただきました。
発達障害の方は人の目を見るということを自然にしない人が一定います。
その理由はいろいろありますが、ぱっと思いつくのは4つくらいでしょうか。
①生まれつき人の目を見るという機能が弱い(共同注意をはじめとする認知能力の弱さ)
②人の目を見るのが怖い・恥ずかしい(正視恐怖)
③人の目を見ることをしようとすると、他のことができなくなる(集中力のリソースの不足)
④「目を見る」ことの社会的な意味を理解していない
①生まれつき人の目を見るという機能が弱い(共同注意をはじめとする認知能力の弱さ)
まず考えられるのは、脳機能に由来する違いについてです。
これは心理学の実験で明らかになっていることですが、非発達障害児は一定の年齢になると他の人がどこを見ているかということを気にし始めます。
この他者の注意がどこに向いているのかを気にすること、そして自分と相手が同じものを見ている(注意を共有している)ことを理解している状態を、共同注意といいます。
共同注意は最も初期の段階だと、乳幼児の頃から見られます。
つまり、赤ちゃんがお母さんの視線を気にするということです。
そしてこの他者の視線を気にするという行為が、人の目や表情から感情や思考を推測することへとつながっていきます。
そして、発達障害の人たちはこの機能が発達していないといわれています。
つまり、ある人たちは自然に他の人の目を見る……相手の表情を気にしますが、発達障害の人たちにとってはそれは自然なことではない可能性があるのです。
②人の目を見るのが怖い・恥ずかしい(正視恐怖)
これは人の目を見ることでなんらかの強い負の感情が喚起されるパターンで、対人恐怖症の一種とみなされる場合があります。
これについては専門的な機関で恐怖や不安を和らげるケアを受ける必要があります。
③人の目を見ることをしようとすると、他のことができなくなる
これは「集中して話を聞こうとすると、人の顔が見られなくなる」「人の顔を見ていようと思うと、話の内容が入って来ない」というような状態のことです。
実は「人の目を見て、話を聞く」というのは2つの動作を同時に行っていますし、もっといえば、話の内容を理解するためにものすごく頭を働かせています。
身体の中で並行処理をするための余力がないパターンがあり、このタイプの人に「ちゃんとした姿勢で授業を受けなさい」とか「人の目を見て話を聞きなさい」などというと、本当に必要な「話を聞く(理解する)」ができなくなってしまうのです。
④「目を見る」ことの社会的な意味を理解していない
わたしたちの社会には「目を見る=話をちゃんと聞いている、真剣である、誠実である」という無言の了解がありますが、それを知らない人がいます。
そういう人は「目を見ない」ことで不真面目だなどのネガティブな評価を受けると困惑してしまいます。
かくいうわたしも①と③の複合型でした😅
今では随分訓練したこともあり、意識して人の目を見るようにはしていますが、一番リラックスして話を聞いているときは、寝そべったり、変な胡坐をかいていたり、机にベタっと張り付いていたりしています(大学の授業や研究会とかでね!)。
セッションの最中も自分が立ちたいと思ったら立って部屋の中を歩き回りながらお話を伺っていることもあります。
「目を見て話を聞く」というのは、ある人たちにとっては努力しないでできる「ごく自然な」行為ですが、ある人にとってはまったく自然でなく、努力が必要な行為なのです。
さらに、「目を見る」ことを頑張り過ぎたことで「話を聞く」という目的が果たせないとしたらどうでしょうか?それでも「目を見させようと」しますか?
さらにさらに。
わたしたちは「目を見ていれば話をちゃんと聞いている」と思ってはいないでしょうか。
もしかしたら、それはただのポーズかもしれないのに……😁
それとも「話を聞いている」というポーズがあれば、話を理解していなくてもいいのかな?(笑)
……なんて、このようなことをご説明して、相手の顔を見ることを伝えていくのは大切だけど、目を見ていないからといって話を聞いていないとは限らないので、声かけは続けながら様子を見ましょうというと、納得していただけました。
わたしたちは誰しも、自分にとって「自然」なことを求めがち。
自分にとって「自然」なことをしない人を悪くとらえがち。
自分の「自然」を点検して、他の人の「自然」も理解すると、いらないことで気を揉まずに済むかもしれませんよ😋
長くなりましたが、ここまでお読みいただいてありがとうございました!
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