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「海外妊活」完全攻略【知識で武装し、異国での挑戦を突破するためのガイドブック】

わたしは現在、家族の仕事の都合でベトナム・ハノイに住んでいます。

学生時代に留学を経験したあと、看護学校卒業→日本の病棟勤務→海外で臨床経験→日本に戻りスタートアップで新規事業開発。割と変わったキャリア形成をしてきた、元医療従事者です。

前提としての医療知識+海外での病院での勤務経験(と、英語とベトナム語が多少話せること)が役立ち、ハードゲームになりがちな海外の妊活も、割と苦労せずサクサク進められています。

自分のやってきたことを客観視しつつ、同じように海外に住んで妊活に悩んでいる方ベトナムでいい病院を探している方の役に立てばと思い、わたしなりの海外での妊活の完全ガイドをつくってみました。

※妊活という言葉は好きではありませんが、伝わりやすいのでこのnoteでは、あえてこの表現を使います。

「子どもがいる生活も良いかもしれないな」そう思い始めた頃、わたしはもうすでに海外生活をしていました。
まずは情報収集と思い、得意のネトスト能力を発揮してあれこれ検索していましたが、まぁ情報が少ない。
あっても断片的だったり、情報が古すぎたりして、全体像を網羅できる情報を見つけることができませんでした。

なので体当たりで病院に行ったり、ベトナム人の友人・知人にたくさん協力してもらいながら汗をかいて情報を集めて、わたしが欲しかった「全体像の見える指南書」をイメージして、この記事を作成しました。

海外での妊活は難しく、心が折れないためには準備が必要なことが身にしみてわかったので、自分の経験も踏まえて、海外で妊活を頑張る全ての人に、自分の持っている知識と経験の全てを記します。

また、noteの最後には、海外での妊活(を問わず病院に行くとき)に使える、元医療従事者であるわたしが作った「自己申告表」もプレゼントしています。世界中のすべての言語に対応する自動翻訳機能もつけました。よかったらぜひ、使ってみてくださいね。

この記事の大前提

前提としてこの記事は、妊娠の仕組み、妊活の進め方など基本的な医学知識がある方向けに記載しています。
なので前提の知識が不足していると感じる方は、
このあたりの記事をサラッと読んで、戻ってきてください。

そしてこの記事では医療行為についての言及をしたいわけではありません。専門家の方からするとツッコミが入る部分もあるかもしれませんが、あくまで海外妊活をする当事者として得た知識を共有することに重きを置いています。具体的な治療法や病院、医師を勧めたい意図はございません。
また「海外妊活」と謳っていますが、世界は広いので国によりルール(法律)・倫理観・医療方針もさまざまかと思います。
この記事は、わたしが2024年8月時点でベトナム・ハノイの病院に通院する中で学んだことと、個人的な意見を述べています。
医療行為や法律について詳細を知りたい方は、ご自身で然るべき専門職の方にお尋ねください。

妊活は大変だし、
海外での妊活はもっと大変

妊活といっても人によって様々です。
「いつ・何を・どこで」やるか、自分で選ばないといけないことがたくさんあります。
まず最低限の知識を自分で携えておかないと戦いがはじまりません。

日本で妊活をするのも、とっっても大変なのに、海外で妊活をしようとしている(もしくはすでにスタートしている)方、えらすぎます。

妊活はただでさえ多くの準備が必要ですが、特に海外では異なる環境や制度に対応する必要があります。
そのうえ母国語以外の言語で情報収集を行う必要があり、病院に行っても言語の壁……そして国が違うため発生するルールや医療に向き合うスタンスの違い。
わかり合えないことも多くて心身ともに負担も大きい。
そしてお金がかかるかかる😭

でも、なんとなく先の道筋が見えていて、必要なアイテムを持っていれば戦い方が変わりますよね。そして事前に準備をしておくことでコストを抑えられる可能性もあります。

海外での妊活は難しく心が折れないためには準備が必要なことが身にしみてわかったので、自分の経験も踏まえて海外で妊活を頑張る全ての人に、自分の持っている知識と経験の全てを記します。

妊活ってどう進んでいくの?

日本・海外問わずこの流れを
推奨されることが多いようです。参照

まず何より大切なのは検査

日本では割と浸透してきたブライダルチェックのようなものです。

何かしらの異常があるのか、ないのか。
男女ともにまずはしっかり調べてなにか異常(や、怪しいと思われるもの)があれば医師の指示に従い追加検査や治療を行ったうえで、妊活を始めることをおすすめされることが多いです。

日本の病院で勤務している時から、大前提の検査をすっ飛ばして自己流で妊活をすすめ、結果が出なくて検査したところ何かしらの問題がわかり治療からやり直し……という方が多い印象を受けていました。

人それぞれ理由はあると思いますが、わたしのように最短で結果を出しつつお金を節約したい人は、まず検査からスタートすることをおすすめします。

検査は日本と海外、どちらで行う?

検査を日本でしてから海外に行ってもいいし、海外で検査からやってもどっちでもいいと思います。何かあった時に母国語が安心だと思うので、検査は日本でしたほうが良いのかな。
(私はベースの検査は日本、そして追加で必要と思った検査はベトナムで行いました)

そして検査後は、日本・海外問わず妊娠に関わる検査および治療を行った場合には、その結果が書かれた資料を全てデータにして保存
いつでも見られるようにしておくことが大事です。

そして帰国のたびに最新の戸籍謄本を取得する。
後ほど説明しますが、これがなくてわたしは苦労しています。

検査結果のデータ保存は、節約になる

海外(特にベトナム・ハノイ)は不妊治療をする外国人=病院からすると金払いの良いお客さんです。
あらゆる検査を何度も行い、支払い金額を大きくしようとしてきます。

妊活を進める中で以前受けたことのある検査を、別の病院で再検査したいと言われることも多いです。

そんな時、検査結果をデータで持っていれば再検査を避けるための有効な手段となり、結果的に費用を抑えることができることも多いので、手間ですがデータはスマホに保存。
いつでも見られるようにしておいてください。

わたしはgenius scanを使ってPDF化、全てgoogle driveに保存しています。

帰国のたびに最新の戸籍謄本を取得して

国によってルールはまちまちかと思いますが、海外で妊活をする可能性が1%でもある人は、戸籍謄本は必ず日本から持参しましょう。
そして、日本に帰国する度に、最新の戸籍謄本を取得してベトナムに持ち帰って欲しいです。

ベトナムでは人工授精以上の治療に進む際には、大使館での発行後3ヶ月〜半年以内の婚姻証明が必要になります。

この大使館発行の婚姻証明書を取得するためには、日本での戸籍謄本が必要なんです。

(ベトナムの法律では有効期限が半年と定められているようですが、病院によってはもう少し期限を短く定めているところもあるようです。)

結果を出すために治療をステップアップする時、戸籍謄本がないことで大使館が発行する婚姻証明書が出せず、数ヶ月を無駄にするのは非常にもったいない

いままさにわたしが直面している問題で、戸籍謄本を次回の帰国時に、取りに行ってきます。

備えあれば憂いなし。
戸籍謄本は持てる限り最新のものを所持しておくことをお勧めします。

海外で病院に行くとき持って行くもの

  • パスポート

  • 主訴を記載した資料(記事最下部の自己申告票を使ってください)

  • (あれば)日本での検査結果全てのデータ

  • (あれば)飲んでいる薬の現物

  • (あれば)大使館発行の婚姻証明書の原本

晴れて妊活スタート

わたしの場合として医師に説明を受けた表を
日本語訳したものです。
あくまで概要だけ掻い摘んだ内容になっています。
妊活の進め方は個人の状況、
医師の判断により異なりますので、
ご自身にとってベストな方法は
かかりつけ医と相談の上決定してください。

検査をして問題がないことがわかった後は、
大体こんな流れで進むことが多いと、医師より説明を受けました。

まず上の表から、どの方法を選ぶか決めます。

大まかに分けて方法は3つ。

  1. 自己タイミング法

  2. 医師介入でのタイミング法

  3. 人工授精(IUI)

(生殖補助医療(体外受精など)もありますが、いきなりこのステージに進む方はごく稀かと思いますので割愛します)

現在の年齢・検査結果・これまで何をしてきたか・いつまでに結果を出したいか・どれくらい費用をかけられるか……これらの掛け合わせが決定材料になってきます。

医学的な観点での情報をベースにして、パートナーとの話し合い、お財布事情も含めて、自分の持っている手札を全部テーブルの上に並べてください。

難しいけれどいちばん大切なことは、感情的にならず「論理的に合理的な判断をする」ことです。そのためには適切な医療の介入も必要だと思いますので、医師に相談に行くこともおすすめします。

医師に相談に行く際にも、自分の持っている手札をすべて開示して腹を割って話す方が良い結論に至る事が多いです。

まずは自分の情報の棚卸しをして、手札を出し切る、そして必要に応じ医師の相談も行い、パートナーとよく話し合った上で、治療の方針を決定してください。

1.自己タイミング法は
アプリ+体温計+検査薬で

自己タイミング法を取る場合は、
排卵日予測アプリ+基礎体温計測→排卵検査薬の使用をオススメします。

排卵日予測アプリは即課金

排卵日予測アプリは「ルナルナ」、「ケアミー」などが代表的でしょうか。
個人的な意見ですが、排卵日予測アプリは課金がおすすめです。
わたしは「ケアミー」を使っています。

有料課金で生理周期表がダウンロードできるのでgood

課金した方がいい理由は、アプリの画面を医師に見せるだけで話が通じるから。
わたしの使っている「ケアミー」では添付のように有料課金で周期表のダウンロードができます。

今後治療がステップアップして病院に行くことになったとき、必ず「過去の生理周期」「月経日数」などについて聞かれます。
課金をしておくとアプリの画面を病院で見せるだけで、医師が理解してくれるのでめちゃくちゃラクです。

今は必要なくても、治療がステップアップする可能性があることを考えると、アプリで記録をつける習慣を持つことはとても大切です。
ストレスなくアプリを使うためにも課金です。これは必要経費です。

基礎体温計は日本から持参が吉

ベトナム・ハノイでは、基礎体温計が手にはいりにくいようなので、日本から持ってくることをおすすめします。

排卵検査薬はローカル薬局で買えるし安い

ベトナム・ハノイでは、ローカル薬局で「排卵検査薬」を買えます。
1本2万ドン(120円)ほど。日本と比べて1/10くらいかな?
絶対にベトナムで買う方が安いので、ローカル薬局でまとめ買いしましょう。
必要な方、ローカル薬局では「葉酸サプリ」も購入可能です。日本と同じくらいの金額でした。(1ヶ月分で2~3,000円くらい)

2.「医師介入のタイミング法」は
病院と医師の選び方が難しい

このnoteを読んでいる方は、自己タイミング法で結果が出ないので、医師の介入を検討している方が多いと思います。
下記のチャートを活用いただいた上で、まずはどのカテゴリの病院に行くのかを決めます。
大まかに「どのくらいお金をかけられるか&病院に行く人の言語能力」によって決まります。

命運を分ける病院えらび

2024年8月現在
ベトナム・ハノイで妊活を行うにあたって
複数の病院にヒアリングを行い、
わたし自身は上記の選択方法で病院を選びました。
あくまでわたしの情報収集の結果、
自分自身の選択のために作ったチャートです。

ベトナムには、公立病院、私立病院、外資系病院という3つのタイプの医療機関があります。医療サービスの質は一般的に高いとは言い難い実情がありますが、軽症のケースの対応には大きな問題はありません。また、近年では高度な医療を手がける病院も増えています。

VETTER 【2024年】ベトナムの医療事情や医療機関リスト(クリニック・病院・歯科) ~みんなのヘルスケア~より抜粋

▪︎費用に天井がない場合
「Vinmec国際病院」一択です。
ベトナム・ハノイ以外に在住している方は「その地域に住んでいる外国人、もしくは現地の富裕層御用達の病院」をイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
ベトナム・ハノイの場合「Vinmec国際病院」は不妊治療〜出産まで手厚くサポートしてくださりますし、日本語通訳の方が付き添ってくださいます。
医師もデフォルトで英語を話せる方が多いようなので、英語でコミュニケーションを取りたい方も安心です。
「Vinmec国際病院」は私立病院に該当しますが、私立病院の中でも高水準のホスピタリティサービスを提供しており、そのため費用も比較的高めです。

▪︎費用に上限があり、現地語もしくは英語を話せる方。もしくは通訳をしてくれる知人(業者)を依頼できる方
費用に上限がなければ「Vinmec国際病院」を選びたいです。なぜなら治療から出産まですべて同じ施設で完結するからです。日本語通訳がついて、高水準のホスピタリティで、妊活から出産まで可能な病院は、ハノイには「Vinmec国際病院」しかありません。
(外資系病院の「ハノイフレンチホスピタル」も日本語通訳付きで出産が可能ですが、不妊治療には対応していないようでした。 ※2024年8月時点でのわたし調べ)

ですが、いかんせん費用が高い。
「Vinmec国際病院」と他の病院の差は「過剰すぎるホスピタリティの有無」と「通訳のレベル」です。
(ここでの「過剰すぎるホスピタリティ」とは、「Vinmec国際病院」における採血後の糖分補給のお菓子や飲み物の提供、施設内移動のための電動カートなどを指します)

妊活で訪れる病院で上記のようなホスピタリティを求めている方は多くないと思います。
言語の壁さえクリアできれば、公立病院・私立病院を選ぶことができ、費用が半額〜下手すると1/10まで下がることもあります。

海外での病院受診は、受診予約から当日受付・そして医療者と英語(もしくはベトナム語)で会話を成立させる必要があります。

理想的には……
1:自分で英語(もしくはベトナム語)で会話を成立させる
2:パートナーに付き添ってもらい英語(もしくはベトナム語)で会話を成立させる
3:通訳を雇い会話を成立させる
この順でしょうか。

過剰なホスピタリティの享受は不要で、言語の壁を越えられた方、おめでとうございます。
改めてですが現地の公立病院、もしくは私立病院の受診をおすすめします。

公立病院は当局から様々な面で優遇されており、またそこで勤務する医師は、国家公務員であり社会ステース以外にも多くの恩恵を受けることができます。
〜中略〜
紹介制度により地方病院で対応できない患者が中央の大病院にどんどん送られて、常に混雑して、朝早くからその日の診察の受付のために行列を待ち、夕方になって診察できるようなことも多いです。
〜中略〜
民間病院(私立病院)は綺麗で豪華な施設、最新の医療機器を揃えるなど設備投資を行っている
〜中略〜
ベトナム資本の民間病院は外国人やベトナム人富裕層向けにVIP病棟を設置している場合が多いです。

Vietnam lifestyle 「ベトナムの医療事情2021年版」より抜粋

公立病院は待ち時間が長い+まだプライバシーの配慮に欠けていたり、日本と比較すると衛生面が追いついていない印象を受けました。
公立病院と比べると少し値は張りますが、私立病院の受診をおすすめします。とにかく費用を抑えたい方は公立病院が良いのではないかと思います。

わたしは現地の私立病院に通っていますが、予約も取りやすいですし、プライバシーも十分に保たれています。医療面・衛生面での不安もなく、何より日本より待ち時間は短い……!全く不満はありません。

わたしの通っている私立病院の待合室。
ベトナムらしさ満載で謎の安心感。
わたしの通っている私立病院の内診台。
日本のように医師との間のカーテンはないです。

3.「人工授精(IUI)」のハードルが
下がりつつあるベトナム

厳密にいうと人工授精には「AIH」と「IUI」があります。(詳しくはこちら
基本的にベトナムでは人工授精=「IUI」法が主流のようですので、この言葉のみ使用します。

今日ベトナムでは割と気軽に「IUI」へのステップアップを勧められます。

「IUI」に進む前には、胞状卵胞(次回排卵日で排卵予定の卵子になりうるもの。詳しくはこちら)の有無などを確認するために、超音波(エコー)での内診等が必須となるようです。そのため「IUI」実施を検討する周期の、月経2日目を目安に病院の予約を取ります。

月経2日目の来院ということは、月経が来たその日に予約をとって、翌日に来院です。信じられないくらいタイトスケジュールです。

「タイミング法」から「IUI」へのステップアップを考えている方は、医師の診察の際に何周期タイミング法をとるか、結果妊娠成立しなかった場合いつ頃を目処に「IUI」を開始したいか、医師と情報を握り合っておくべきです。

医師も診察の中で周期を把握してくれていると思うので、月経が来た頃にコミュニケーションを取りながらスムーズに「IUI」に進む準備ができると思います。

(「Vinmec国際病院」の場合は、「IUI」実施前に全ての検査を「Vinmec国際病院」で行う必要があるようなので、「Vinmec国際病院」初診で、「IUI」を希望する方は、他院に比べて開始までに時間がかかると思ってもらうと安心です。)

あとは医師ごとの判断かと思いますが、確率を上げるために補助的に排卵誘発剤やLHサージ誘起など薬の処方の可能性があります。

思い立ったらすぐに「IUI」の実施ができるわけではなく、個々人の検査結果に応じて、医師が結果を出すために必要な内服及び注射、そして実施時期などベストな方法を考えてくれます。

このあたりはかなり高度な医療の知識が必要になってきます。
自分が信頼したいと思える医師を事前に見つけることに全力を注ぎ、医師の処方や判断を信頼しましょう。
(※ここで指している「医師の判断」とは、医師が決定する治療に最適なタイミングや、処方される薬剤の種類を意味しています。医療における意思決定は基本的には自分自身です。心配事や何か気になることがあれば、医師に積極的に伝えましょう。)

前述したように、ベトナムでは「IUI」を行う際には大使館発行の婚姻証明が必要になりますので、ご用意ください。

わたしはまだ「IUI」にステップアップしていないのですが、いくつかの病院に問い合わせて費用面などの情報は集めていますので、備忘録としてシェアです。

▪︎Vinmec国際病院
「IUI」前に全ての検査を「Vinmec国際病院」にて行う必要がある。他の病院の検査結果では対応不可。(厳しい)
検査費用合計 およそ1,000万ドン(女性側検査おおよそ500~700万ドン+男性側検査おおよそ200~300万ドン)
IUI実施料金およそ2,000万ドン/回
合計:初回IUI料金3,000万ドン
2回目以降2,000万ドン

2024/08直接「Vinmec国際病院」に確認した内容です。検査やIUI実施前準備等の薬の有無により金額が前後するかと思いますので、あくまで参考程度に留めてください。

▪︎ハノイ市内の私立(民間)病院
「IUI」前に必要な検査は、他の病院の検査結果でも対応可。
(現地公立病院の結果は利用できないケースもあり、エコー検査のみ必須)
実施前検査費用合計 およそ100~150万ドン
(必要に応じた)薬代 およそ30~200万ドン
IUI実施料金およそ700~1,200万ドン/回
合計:初回IUI料金1,500万ドン

2024/08「Bệnh viện Đa khoa Phương Đông」に直接確認した内容です。検査や「IUI」実施前準備等の薬の有無により金額が前後するかと思いますので、参考程度にしてください。
ハノイの私立病院いくつかに問い合わせましたが、大体この辺りが相場のようでした。

生殖補助医療も割とベトナムでも一般的になってきているみたいです。
ベトナム・ハノイの私立病院より参考の料金表をいただいたので、備忘録としてシェアします。

▪︎診察 500~700万ドン
▪︎卵巣刺激 卵巣刺激薬+超音波検査薬 3,000万ドン〜3,500万ドン
▪︎卵子採取 1,050万ドン
▪︎精液洗浄 300万ドン
▪︎卵子への精子注入 1,350万ドン
▪︎胚培養(3日) 500万ドン
▪︎胚の冷凍保存 2,200万ドン
▪︎胚の解答 2,000万ドン
▪︎子宮内膜の調整 1,000万ドン
▪︎胚の診断(PGT-A/PGT-M) 1,800万ドン 
▪︎胚の移植(PGT-A/PGT-M診断後) 800万ドン 
__________________________
1回あたり合計11,220万ドン〜11,920万ドン(約65万円〜70万円)
※ベースとなる基本金額が上記で、
条件をつけて割引をしているクリニックもありました。

わたしの行っている病院とお金のこと

今まで行った検査

▪︎パートナーの検査
パートナーの検査はハノイで行いました。「Vinmec国際病院」で〜と思ったのですが、電話で費用を問い合わせたところ目安は300万ドン(日本円で18,000円ほど)と言われ驚きました。
男性の場合内診もないので、衛生面の心配もなし。わたしたちは言語の問題も特になかったため、節約のため公立病院で検査をしてもらいました。
費用は25万ドンでした。(日本円で1,500円ほど)
パートナーの検査はこちらの病院で行いました。
※こちらの病院は先生によっては英語を話せない方もいらしたので、ベトナム語でのコミュニケーションになる可能性があると思ってください。

▪︎わたしの検査
ハノイに来るまでピルを飲んでいたので定期的に日本で産婦人科の受診をしていて、特に異常がないことを確認済み。
日本で受けた定期的な血液検査・がん検診・エコー検査などの結果などはすべてデータで保管していました。
AMH(卵巣予備能検査)の値を2年ほど調べていないことが気になったので、血液検査を「Vinmec国際病院」で実施。
血液検査のみ希望していたのですが、内診やら先生との診察、そして追加の検査が生じてあれよあれよ、700万ドン……💰(日本円で40,000円ほど)
日本から持参した血液検査の結果などデータにて開示しましたが、すべて「Vinmec国際病院」で再検査を行う必要があると言われました。
正直なところ高額にも関わらず、待ち時間が非常に長く、融通が効かない印象を受けました。(個人の意見です)
なのでわたしは「Vinmec国際病院」への通院をやめました。

▪︎実際にわたしが「Vinmec国際病院」で支払った費用の明細
1回目の診察(血液+性病内診+超音波)
IgG検査 55万ドン
細菌検査 57万ドン
血液検査 263万ドン
超音波検査 42万ドン
______________
1回目の診察合計 452万ドン

2回目の診察(卵管造影検査)
超音波検査 50万ドン
卵管造影検査 165万ドン
診察料金 35万ドン
______________
2回目の診察合計 250万ドン

診察合計料金 702万ドン(日本円で約40,000円)

わたしは全てにおいて問題なしだったので
この金額が最低かと思われます。
薬や治療の有無等に応じ金額は変動するはずです。

病院とかかりつけ医の決め方

ベトナム人の友人に協力してもらい、現地の中〜高所得者の間で評判の良い私立病院をリストにしてもらいました。

妊活を開始すると最低でも1ヶ月に1回以上は顔を合わせることがわかっていたので、わたしがかかりつけ病院・かかりつけ医を選ぶ上で重要視していた点は下記です。

【病院の選び方】
・コストや手間を抑えることにどのくらい柔軟に動いてもらえるか
・病院の綺麗さ、プライバシーが保たれているか
・医療器具が適切に保管されていそうか
・待ち時間は短いか
・予約の取り方が煩雑ではないか
・予約が取りやすいか
・明確に治療料金を教えてくれるか

【医師の選び方】
・性格
・使える言語
・治療方針(西洋医学と東洋医学のバランスなど)
・一旦内診をしてもらって痛くないか(手技のレベルと思いやりの気持ちを確認の意味でw)

病院・医師含め相性が大切なことがわかっていたので、いくつかの病院に行きました。
見える化がだいすきな私は、上記項目の中で優先順位を決め、スコアリングをしていきました。

友人の作ってくれたリストをもとに
病院と医師をスコアリングして
定量評価の上、病院を決めました。

今通っている病院は、のべ5つ目に行った病院です。

過去の検査結果を元にできる省ける検査は積極的に省きコストを抑えるために最大限努力してくれている姿勢が見えました。予約もzaloで完結できるうえ、待ち時間も短い。そして料金も事前に明示してくださる。
そして相性の良い先生に出会えたので、現在はこちらの病院にお世話になっています。

こちらの病院も一応日本語通訳の方が常駐していますが、正直レベルが……😔なので、基本的に先生と英語で直接会話をし、保険としてベトナム語↔︎英語の通訳が可能な通訳の方に同席いただいています。

薬剤の内容や用法など内容が専門的になって、わたしが十分に理解できていないと感じた時には、医師・通訳・わたしの3人でインターネットや医学書を使って意思疎通を図っています。

母国語ではない言語で会話をするからこそ、ミスがないよう慎重に一生懸命伝えよう、理解しようとお互いに努めていて、結果的に良いコミュニケーションをとることができています。

病院に行く頻度と治療内容、そして費用
(わたしの場合)

わたしははやく結果を出したかったので、費用の上限を決めたうえで医療の力を借りています。
やっぱり餅は餅屋で、適切なプロ(医療)の介入が良い結果をもたらすと信じているのと、病院や医師それぞれの治療方針を知りたい好奇心も相まって、病院に通院しています。
いまのところ通院したり薬を飲むことにはストレスを感じていません。(妊活自体にはそれ相応のストレスを感じています。)

▪︎現在やっていること
多少の変動はありますが、おおよそ下記のような周期で通院と内服と注射を行なっています。

月経3日目:病院🏥エコー検査を行い卵胞確認
月経終了後:自宅🏠医師の指示に従い卵胞を育てる薬を内服+自己注射
月経終了3日後:病院🏥内服と注射の結果の確認のためエコー検査。状況によって追加の内服+追加の自己注射
月経終了5~6日後:病院🏥医師に排卵を促す注射を打ってもらう

〜妊娠成立しなければ繰り返し〜

あくまでわたしの場合です。

……と、わたしの場合1周期あたり最低でも病院受診は3回必要です。
そしてわたしが1周期あたりに支払っている費用はおおよそ900万ドン(日本円で55,000円ほど)です。
こちらの病院で出産まで行うこともできますが、自宅から遠いので、わたしはあくまで「妊活のための病院」としてこちらの病院にお世話になっています。
晴れて妊娠できて、ベトナム・ハノイで出産をする場合には「Vinmec国際病院」もしくは「ハノイフレンチホスピタル」、どちらかにお世話になると思います。

海外に住んでも、子供を持つことを諦めない

海外に住んでいるだけでえらい!

何らかの事情があって母国ではない国に住んでいる人、みんなえらいです。
大前提の医療の知識を持って、何を優先にするか決めさえすれば、世界中どこにいても妊活はできます。大丈夫です。
でも日本でも難しい妊活……海外で行うのはもっと難しい。
なので心が折れないためには準備が必要です。

1.大前提の医療の知識を持つ
2.ざっくりの妊活の流れを知る
3.自分の状況を正しく把握する
4.何を優先したいか決める(チャート使ってね)

この辺りを明確化しておけば、多少のストレス軽減になりますよ、と自信を持って伝えたいです。

日本はいい国。
海外在住でも不妊治療の保険適用の可能性もある

日本の不妊治療の保険適用範囲が広がったことを受け、海外在住者も日本国内の診療報酬基準をもとにした保険診療分を保険適用として支給が可能になりました。

日本はいい国です。ちゃんと知識を持てば助けてくれます。

海外での不妊治療は結構お金がかかるように見えますが、一定国からの補助も受けられます。
ルールも煩雑で申請も大変ですが、かなり負担が減りますのでぜひ参考にしてください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/funin-01_00004.html

海外での妊活(を問わず病院に行くとき)に使える
医療従事者が作った自己申告表

海外で病院に行く時、正しく自分の主訴を伝えられないことが多いですよね。
あとは日本語通訳の方がいるけど思ったように先生に伝わっていない(気がする)、会話のたびに通訳を介するのでに時間がかかり、病院に行くと半日がかり……など。

そんな悩みをすべて解決!
自分の言いたいことを正しく伝える、そして病院側が知りたいことを伝えるために、わたしが病院に行く際にいつも使っている「自己申告票」をシェアします。

・元医療従事者として患者さんに教えて欲しいこと(複数の医療機関のカルテも参考にしています)
・自動翻訳(日本語で入力して、受診する国を選べば自動で翻訳もされるようにしています。世界中の主要言語に対応!)

上記を入れ込んでいますので、ぜひダウンロードして受診の際のミスコミュニケーションをなくして、正しく言いたいことを伝えて・病院にいる時間を短縮してください。

ダウンロードはこちらから。コピーして使ってくださいね。

最後にもう一度おさらいです

日本にいるうちにやることリスト
・日本で検査をした場合には、その検査結果を全てデータ化してスマホに保存する
・日本に帰国の度に最新の戸籍謄本を取得する
・(必要であれば)基礎体温計を購入

海外で病院に行くとき持って行くものリスト
・パスポート
・主訴を記載した資料(自己申告表を使ってください)
・(あれば)日本での検査結果全てのデータ
・(あれば)飲んでいる薬の現物
・(あれば)大使館発行の婚姻証明書

現地の薬局で買うものリスト
・排卵検査薬
・葉酸

実際に妊活をやってみて、やっぱり心が折れることが多い。でも準備でカバーできることもある。そう感じています。
同じように海外生活に悩まれている方に、この記事が届きますように。
そして本当にお疲れ様です。

全ての妊活女性にエールを送りたい気持ちでいっぱいです。


編集をしてくれたみなみやんありがとう♡

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