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サンタを信じている利用者を信じるか否かを考える

みなさんはサンタを何歳まで信じていたでしょうか?

僕は小学校3〜4年生くらいだったと思います。年上の兄からそんなもんいるわけないだろう。と言われたのをきっかけに信じていないです。

そして、このスキゾイドというものはそういった信じる心や子どもがサンタを信じていることを微笑ましく思う心がほぼゼロなわけで、子どもらしさの演出・大人へのリップサービスに見えて気分を害されます。

はい。やなやつですね…。


本題に入ります。


もういい歳の利用者さんで一定数はサンタを信じている人がいます。うちの施設だけでしょうか?

職員の中にはいつまでも信じていて子どもなんだから…と、言いながらもどこか微笑ましさを持っている職員もいます。というかほとんどがその様子。

しかし、発病時期・生育歴等からすればどう考えてもおかしい。

例えば、中学3年で発病、入院したとして。
その方がサンタを信じているのはおかしい。なぜなら中3の時点で信じていなければならないからだ。サンタは実は親でした!というネタバレは済んでいるはずだし、学校や友達ともそういう話には流石になっているだろう。

しかし、数人の利用者はまだ信じている。おかしい。ありえない。

なぜなら、小学校の中学年前後でほとんどの家庭でサンタのネタバレは終わり、信じてないはずである。ちなみに、中学生になっても信じていた人は全体の2〜3%しかいない。中学の頃に発病して、そこから十分な社会経験を得ることができなかったために、未だに童心を失っていない可能性はあったとしても、100人以下のうちの施設で複数人いることは異常である。

そのことを職員に指摘すると、どうも重箱のすみを突くようなことをしてしまったらしい。

どうやら、サンタを信じているいい歳の利用者を成立させているのは本人の信じる心だけでなく、その人と関わる人も重要なのだろう。
これは一種のピーターパン症候群の表れなのだと思う。
ちなみに、ピーターパン症候群とは、見た目と年齢は大人でも精神が子どものままの人のことで、深層心理で自分のことを守ってほしいと思っている子ども帰りの一種だ。そしてそれを成立させるためには、いつまでも子どもでいてほしいと願う親や家族・身近な人間が必要だ。

他人に対してサンタを信じているということを見せるのは職員限定ではなく家庭でもきっとそうなのだろう。いやむしろ、家族が先だったんだろう。そしてそれを家族が受け入れて、ずっと子どもでいるのだろう。

では、職員としてすべきこととは?

サンタなんて夢見たいな話は忘れてさっさと現実を見るように促すべきなのだろうか?

僕はそうは思わない。

精神障がいには一次的な障がい、つまり直接の病気の他に社会経験の乏しさや疎外感、引きこもり期間が長くなることで別の二次障害が生まれることがある。

サンタ信者、ピーターパン症候群もその一つだ。

であれば、親が子どもにピーターパンでいてくれることを望むのであればそれに付き合うべきだろう。

いやいやwww福祉ワーカーなんだからボサっとすんなw
というツッコミをされそうだがそうもいかない。

自分が正しいと思うことを行うのはワーカーではなく、エゴイスト。

このままではいけないと本人が思った時に、本人が困った時にヘルプを出せるようにしておかなければいけない。

結論として、僕はサンタを信じている利用者を信じるか否かは信じるべきではない。が、否定する必要もない。
本人が大人の階段を登りたいと思った時に支援できるように、親子関係や生育歴・使えそうな社会資源を調べておくだけで、あとはボーッと見守るのが良いと思う。

なぜなら、うちは人生の中では踊り場のような場所だから。

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