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私は役に立たないといけない~そのままの私では愛される価値がないのだから~

親から条件付きの愛しかもらったことがなかった。世界は優秀でないといけないところであって、弱者はすぐに見捨てられるい。兄のように。だから、弱みなんて見せてはいけない。役に立つ優秀な存在でいなければならない。

だから、研究室で私はつぶれた。

研究は、苦手だった。不注意傾向がある私には、長時間の集中力が求められる研究はすごく苦手だった。おおざっぱな性格の私には㎕の単位であるウイルスや細胞は扱うのがしんどかった。優秀な成績の人が集まる研究室で一度で説明が理解できない私はそれに追い付くのに必死だった。弱音なんて吐かず、自分の自由時間すべてを差し出して研究を行った。

 優秀でなければいけない。評価される私でなければいけない。
 それが私の存在価値なのだから。

研究室の皆、できない私を受け止めてくれた。人ってすぐ人を見捨てるものだと思ってたから、ありがたかった。幸せだった。嬉しかった。

でも、できない。必死に頑張ってるのに追いつけない。

ある時、先生に言われた。

 貴方は同期の半人前だね。
 やめた方がいいんじゃないの?

先生からのモラハラが始まった。詳細な言葉はもう覚えていないけど、能力否定や人格否定みたいなことをさんざん言われた。それに続けて後輩も私に同じことをしてきた。今なら別に研究の成果が自分の存在価値につながるわけではない。ということが分かるけれど、当時の私にはわからなかった。そんな発言をする先生も後輩も完全にアウトで、自分を守るために私は立ち上がるべきだった。ただ、できなかった。逃れられなかった。

完全に全てがアウトな人なら良かった。最初は、優しかった。わからないことを丁寧に教えてくれた。こういう風なことをしたいと言ったら、どうしたらできるか一緒に考えてくれた。モラハラをされる前に一度この先生を完全に信じ切ってしまったの。一度人を信じてしまって、自分の内側にいれてしまうと、もう私は何をされてもされるがままになってしまう。すべてが私が間違っていて、私の為に言ってくれているのかなと思ってしまった。私よりみんな研究という面においては優秀だった。ここにいれば私はもっと成長できる。もっと賢くなれる。そう思った。思いたかった。そう思いたかった。

でも、体がついていかなくなった。

研究室で集中できなくなった。過緊張状態になり家に帰ったらクタクタだった。

行きも帰りも涙が止まらなくなった。朝起きてるのに布団から出れない。

そして行けなくなった。

精神科医に、カウンセラーに、

適応障害なんじゃないかと思う

と言われた。

私は休学した。

私は、今もこのことを思い出すと苦しくて苦しくて涙が止まらない。

でも、いつまでも立ち止まってなんていられない。あんな人たちのせいで自分の人生を止めるわけにはいかない。

自分の間違った観念を書き換えて行動していかないと前に進めない。


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