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生命式 村田沙耶香

死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、著者自身がセレクトした脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集

生命式


村田沙耶香ワールド
言葉を選ばずに言ったら、気持ち悪い!
でも合理的で納得できてしまうんだよ!!!

“今”の常識とは?“正常”とは?
もう読んでいると訳わからなくなってくる。
でもその気持ち悪さを摂取したがる(笑)

私のお気に入りは表題作の生命式と、最後の孵化


本能なんてこの世にはないんだ。倫理だってない。変容し続けている世界から与えられた、偽りの感覚なんだ。

生命式P23

本能もこの世の常識と一緒に変化していくのか…
食用の虫を食べる世界になったら、慣れたら、いつか「これが本能だよねー」って言うのかな、なんて考えてみたり


綺麗なものより汚いものを見たとき、「真実だ」って騒ぎ立てるの。それで勝手に想像して陳腐なストーリーを造り上げて、自分を納得させて、安心するの

孵化P279

本当にそう、大共感
何であんなに安心するんだろう
人は誰しも汚い部分があると信じ切ってるもん

SNS上で有名人が私のこういうところがダメ…、実は自分は…って呟いた瞬間にファンが増えるアレ


生、死、性について考えたことなかったけど、こんなに合理的な式があったなんて…!!と思わせられた
ほかの村田沙耶香作品も読んでみようかな

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