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-美くしさの定義-

あなたはときに曖昧で、偏りがあって、気まぐれね

「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の全ての模様が変わっていただろう」パスカルの言葉 がよぎる、思えば日本でも平安美人、昭和美人と美人の概念も大きく変わっている。 平成の時代に美容師として生きた私たちは思い返せば雑誌やメディアに翻弄されながら多くの流行を再 現してきたようにも思います。わずかこの20年でも美人の定義の変化は見てとれて これまで美容にお いての美とは他者を意識し、社会の共通認識の中に存在しているものであったのではないだろうか。そ れもそのはずで近年の幸福度調査によると、日本人の多くは外見、その最たるは「体形・スタイル」 「顔の良さ」「頭髪(薄毛・白髪)」を中心にコンプレックスを持ちやすいことが明らかになっている からである。しかし昨今ダイバーシティやインクルージョンが語られて久しい中で、美容業界でも「多 様な美、ありのままの美」を追求する動きが出始めています。このような動きは幸福度を高めるという 観点から、過去の偏りがあって気まぐれなものよりとても確信的で迎え入れたい変化のように感じてい ます。日本でも気づけば身近になっている、スリムな体形が美しいという固定観念を覆す「Body Positivity」のムーブメントや、肌荒れによる恥じらいを無くそうとする「Skin Positivity 」などから 共 通して言えることは、一人ひとりがありのままの自分に自信を持ち、自分自身を愛することを提唱して いること。アメリカのドラマ「Tshi is it」のケイトが、過度なダイエットで苛立って他人に寛容になれな い自分より、肥満体型を受け入れる不完全に思える自分の方が好きだと気づいた(細かなセリフは違い ますが)。という出来事のように、外見で判断することではなく、どんな気持ちでいる自分が好きなの かを知ることが幸福や美の定義にとって替わろうとしているのではないかと感じます。私たちがこれか らの時代に美容を通じて皆様に提供する技術や環境はこのような変化に寄り添っています。 皆さんが例えば流行や他人を意識することも、自分独自の定義を見つけていくことも、いづれにせよ自 分らしい自分でいられることだと 価値観を他者と比較せず楽しみ、自分自身からの承認が得られてい る姿は実に美しいのです。

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