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【エッセイ】#05 脳筋の私だって、3kcalくらいは落ち込む

 先日、ある賞の結果が発表された。私はこの賞に自分の作品にさらなる磨きをかけ、挑戦をしていた。自分史上最大火力をもって挑んだ。これまで以上に文章に向き合い、何度も何度も読み返し、磨ぎ、神経質なくらいに表現にこだわった。

 原稿の提出は、3月31日。
 締め切りのギリギリまで粘って、提出。おかげで4月のはじめから疲労が抜けず、フラフラしていたのを覚えている。
 同時に極限まで作品に向き合い、追い込んだことにより自分の文章能力が飛躍的に向上することを体験した。自分の限界を超えるくらいの熱量や努力を1回での行うだけで、ハードルが下がることを感じる。まあ、次の高いハードルが待っているのだが。


 さて、これほどまでに過去最高の自分で臨んだ賞だったが、あえなく敗退。
 作家として活動をはじめてからの初挑戦。
 そんな簡単なモノではないとは思っていたが、さすがに凹む。
 気合が入っていた分、落ち込むことで3Kcal(キロカロリー)くらいの熱量が消費されるくらい凹んだ。
 ちなみに食品に例えるのであれば、こんにゃく100gが5kcalといわれていることから、私の落ち込み具合が想像できるであろう。
 
 気落ちしたことはともかく、最終的に選出される受賞作品を読んでみたいと思う。
 そうして、今の私との距離をしっかり測っておきたい。どれくらいの文章を、自分を、完成を磨いていく必要があるか。それを見定めていきたいと思う。私は絶対にそのレベルに到達したいからこそ必要なのだ。
 
 文章や作品を書くにあたっては、さまざまなスタイルや思いがあると思う。肩の力をぬいて、感じたこと、思うことをふんわりと表現していく方法。1作に自分の命を削ぎだしていくように書き、メッセージを込め、表現していく方法。どちらも間違いではないし、それぞれでいいと思う。

 私は後者のスタイルで書く方が好きなのだ。そういう作品を作っているという「自己満足」や「自己陶酔」があるってことも十二分にわかっている。

 だけど、やめられない。幼い頃から武道やスポーツをやってきたからかもしれないが、文章に対しても「脳筋」なのだ。
 
 そんな「脳筋」な文章の書き方で、今年はあと2回挑戦をしていきます。
 いい結果がついてくるといいなぁ。
 
 そういえば、挑戦はしているけど、皆さんに見える形で作品を半年近く提供していない……。そちらの準備もしていきますので、機会があれば是非手に取って。

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