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コミュニケーションのスペシャリストとして、新たな価値を創出する。進化し続ける「LINE」の挑戦

「Leader’s Voice」では、LINEヤフーのリーダーたちが登場し、組織やプロダクトにおける、リーダーたちの生の声をお届けします。

LINEヤフーでは「カンパニー制」をとっており、各事業の運営責任者であるカンパニーCEOや、プロダクトに責任を持つプロダクトオーナーなど、さまざまなリーダーが存在します。Leader's Voiceを通じて、組織やプロダクトのビジョンや戦略、そして日々の挑戦について深く掘り下げていきます。

#01もぜひご覧ください。

今回は、LINEメッセンジャーのプロダクトオーナーである朝井大介のインタビュー。「LINE」を中心に展開しているメッセンジャー事業は、LINEヤフーの事業のなかでも特に多くのユーザーを抱える事業です。コミュニケーションツールとして日常的に利用されるLINEメッセンジャーをはじめ、通話、プロフィール、アルバム、ホームタブ、オープンチャットなど、多様な機能が多くのユーザーに愛されています。プロダクトオーナーの朝井に、メッセンジャー事業の課題や今後の展望について話を聞きました。

プロフィール

朝井 大介(あさい だいすけ)
コミュニケーションカンパニー メッセンジャー統括本部 統括本部長 LINEメッセンジャープロダクトオーナー
NTT研究所にてHCI分野やサービスデザインの研究開発に従事し、MIT AgeLabで高齢者向けコミュニケーション支援研究を経て、楽天株式会社に入社。2015年よりLINE株式会社にて、WalletやSmart Channelなど「LINE」内の各種サービス・機能のプロダクトマネージャーを担当。2022年4月よりLINEプラットフォーム担当執行役員として、「LINE」をプラットフォームとしたサービス連携を推進。趣味はサーフィン。


新しいコミュニケーションを追求し続ける「LINE」

ー自己紹介をお願いします。

朝井大介です。私は2015年に旧LINEに入社しました。入社してからは「LINE公式アカウント」、「LINEクーポン」、「ウォレットタブ」に関連するプロジェクトなどに関わり、その後、「LINE」のトークタブ上部にコンテンツや広告を表示する「Smart Channel」の開発を手がけました。現在は、「LINE」のメッセンジャーに関わる機能全体を統括しています。

仕事をするうえで大切にしていることは、「なんでも最大限楽しむ」姿勢です。どんな仕事でも、楽しめるポイントを見つけて取り組むのが私の強みだと思っており、常に楽しむことをモットーに日々働いています。

朝井大介 インタビューカット

ーメッセンジャー事業ではどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

メッセンジャー機能を中心に、通話、プロフィール、アルバム、ホームタブ、オープンチャットなど「LINE」を起点にさまざまな機能を展開しています。近年では認証機能や生成AIの導入を進めています。

私たちの業務は、機能の開発はもちろん、「LINE」全体のガバナンスやリリースの管理、政府や省庁とのリレーションシップの構築、そしてAppleやGoogleとのコミュニケーションなど非常に多岐にわたります。

Products in Messenger Products Chatを中心にあらゆる機能やサービスが周辺にあること図

私たちの組織のビジョンは「コミュニケーションによって社会や人々の生活を豊かにする」ことです。コミュニケーションは私たちのコアであり強みです。それを通じて社会や人々の生活を豊かで楽しいものにしていきたいと考えています。

そして、ミッションは「コミュニケーションを支え、コミュニケーションを再発明する」こと。多くのユーザーが1日に何度も利用する「LINE」は、いまや人々の生活に欠かせないプロダクトになっています。この状況を生かし、現状に満足せず新しいコミュニケーション形態を生み出していくことが私たちの大切な役割です。

Mission and Strategy Vision
Enrich social and people with Communication
コミュニケーションによって、社会や人々の生活を豊かにしたい!
Mission
Support Communication and Re-Invent Communicaion
コミュニケーションを支え、コミュニケーションを再発明する!!
Strategy
1. Offense and Defence / 攻めと守り
2. Collaborate with various LY services / LINEヤフーの各種サービスとのコラボレーション
3. Generative AI-empowered / 生成系AIの活用

現在、私たちの戦略は「攻めと守り」の両面から成り立っています。

攻めの部分で言うと、現在、「LINE」最大のリニューアルプロジェクトを進行中です。プロジェクトは2023年4月ごろからスタートし、現在進行形でプロジェクトリードを行っています。

LINEリニューアルホームタブ・トークタブ・VOOMタブ・ショッピングタブ・プレイスタブのリニューアル想定画面
LINEリニューアルの進捗状況(2024年7月現在)

さらに、離れている友だちと並んで一緒に写真が撮れる「LINEプリ」をリリースしました。プリントシールの人気が再燃しているなか、オンラインでの利用を促進し、「LINE」を通じた新しいコミュニケーションの形を生み出そうとしています。

LINEの友だちと離れていても一緒に写真を撮ることができる「LINEプリ」
離れていてもLINEの友だちと一緒に写真を撮ることができる「LINEプリ」

また、単に新機能をリリースするだけでなく、ユーザーに対してその機能を丁寧に伝えることも重要視しています。キャンペーンなどを通じた機能訴求や新機能の説明記事など、PRだけにとどまらないユーザーとのコミュニケーションは引き続き大切にしています。

User Communication 昨日の利用促進を目的に様々な切り口でのコンテンツを作成した例。LINEアプリ12周年訴求、新機能の説明記事、新生活切り口の機能訴求、花御を切り口にした機能訴求など。

守りの部分で言うと、最近では「LINE」を悪用した詐欺行為撲滅に向けた周知や機能改善に注力しています。「LINE」が多くのユーザーの日常に根付き、コミュニケーションの役割を果たしている以上、責任を持って取り組むことが求められます。2024年に入ってからは特に政府や公的機関との連携・協力を通じて、全方位な対策を進めています。

ユーザーに使われ続けるサービスになるためには、攻めの部分と守りの部分の両方が重要です。目的や背景を明確にすることで、多くのメンバーがその重要性を理解し、組織として強固な体制で積極的に取り組んでいます。

朝井大介のインタビューカット

LINEヤフーのアセットを生かし、ユーザーの社会や生活をアップデートする

ー「LINE」のユーザーが急拡大した背景はなんだと思いますか。

「LINE」は2011年、東日本大震災の直後に新しいコミュニケーションツールとしてリリースされ、それまで主流だったメールに代わり、よりカジュアルなチャットツールとして注目を集めました。特に、無料通話機能の提供は、それまで有料だった電話が無料になる大きなインパクトをユーザーに与えました。

LINEスタンプの導入も大きな要素でした。他のメッセンジャーアプリにはなかったこの機能は、特に若い世代を中心にブームを巻き起こしました。スタンプを使ったコミュニケーションは、テキストだけでは表現しきれない感情やニュアンスを伝える新しい方法として受け入れられたように思います。

これらの段階を経て、「LINE」は多くのユーザーを獲得し、ユーザーが増えることでさらに多くの人々に広まりました。もちろん、これらの要素がタイミング良く組み合わさったことも成功の一因であり、運も良かったと思います。

※無料通話は通信料が別途かかります。

ー現在の「LINE」の課題はなんですか。

現在、「LINE」が直面している課題のひとつに、若い世代を中心に「LINE」以外のサービス上のダイレクトメッセージでのコミュニケーションが増えている点があります。定期的にユーザーヒアリングを実施していますが、この傾向が出てきていることは確認できています。

このような環境の変化に対応するため、私たちはユーザーがより楽しく、便利にコミュニケーションできる新しい機能を日々企画しています。たとえば、「LINE」の強みであるスタンプを組み合わせて送れるような「スタンプアレンジ機能」や、先ほども触れた、オンラインで離れている友だちとも写真が撮れる「LINEプリ」、生成AIを活用した施策など、これまでの強みと新しいコミュニケーションのアプローチを模索している最中です。

ー今後の「LINE」に期待していることや展望を教えてください。

2023年10月、LINEヤフーになったことで、現在ヤフーサービスとの連携も増やそうとしています。ヤフーは「Yahoo!検索」や「Yahoo!ショッピング」をはじめ、強力なサービスを多数持っており、今後はヤフーサービスのアセットも生かし「LINE」を入口として社会や生活をより良くしていきたいと考えています。メッセンジャーとショッピングや金融など各種サービスを組み合わせることで、実現できることの幅が広がり、これまで、それらのサービスを使っていなかった人たちへの波及も期待しています。目指しているのは、中国の「WeChat」のような、メッセンジャーを入り口にさまざまなサービスを提供する世界観です。

ただし、サービスや機能をつくり込まなければ当然ながらユーザーには使ってもらえません。私たちは単なるメッセンジャーのスペシャリストではなく、「コミュニケーションのスペシャリスト」として、いかにコミュニケーションを支え、新しくアップデートしていくかを常に考えています。

今後、デバイスの変化も起きていくはずです。そうしたとき、一般的なコミュニケーションのあり方が大きく変わる可能性もあります。私たちはその変化に対応するために、先行投資をしっかりと行い、進めていきたいと考えています。

ありがたいことに「LINE」のユーザー数は昨年対比で増加しており、まだまだ成長を続けています。そして、私たちは10年以上にわたり、「LINE」でコミュニケーションを考え続けてきた経験と知見があります。その経験や知見をベースに、新しい時代のコミュニケーション領域でも勝ちに行きたいですし、ユーザーのニーズに応え続け、すでにある機能は生かしながら、これまでにない新たな価値を生み出し続けたいと思っています。

広い視野と好奇心を持ち、ユーザーに価値を提供し続ける

ー LINEヤフーでプロダクトマネージャーとしてはたらく魅力を教えてください。

まず、何よりもユーザー規模の大きさです。自分が関与したプロダクトがこれだけの規模感で、すぐにユーザーの反応が見られることは非常に貴重だなと。プロダクトマネージャーとして、自分が関わった機能やプロダクトのフィードバックを得ることは大きな喜びになっていますね。フィードバックにはネガティブなものも多くありますが、それでもユーザーの反応を直に感じられるのは嬉しいものです。新機能をリリースした瞬間にSNSでの投稿が増え、自分の仕事の成果を瞬間風速的に感じられるのは、多くのユーザーを抱えているプロダクトならではではないでしょうか。

また、メッセンジャー機能に関しては、「もうやることがないのでは?」と言われることもありますが、私たちは現在の状態がゴールだとは思っていません。コミュニケーションのスペシャリストとして、新しいことを生み出していく立場にあります。メッセンジャーと新しいサービスを組み合わせて新たな体験を作り出し、さらに新しいコミュニケーション形態を生み出そうと日々試行錯誤を続けています。

朝井のインタビューカット

ー 働く人に期待していることや、組織のメンバーが働きやすいように意識していることはありますか。

一緒に働く人には、情報共有や議論など、できるだけオープンにコミュニケーションを取ることを期待してます。

LINEメッセンジャーという非常に多くのユーザーに使われるプロダクトゆえに、小さな変更でも、ユーザーや事業などへの影響は非常に大きく幅広いです。そのため、企画検討時点で多視点の検討が必要になってきます。しかし、一人で考えるのは限界があるので、Slackなどでオープンに議論することで、チームメンバーからの多面的なツッコミをもらえるように私からも積極的に促しています(笑)。

具体的には、働き方がハイブリッドワークに移行した当初に、チームメンバー全員が参加するSlackのバーチャルオフィスチャンネルを作成しました。ここでは、参加している会議の実況中継や議事録の共有、企画検討中の内容の壁打ち、雑談などが行われ、オフィスで働いているかのように、チームメンバーの活動状況が自然と漏れ伝わってくる、あるいは、つい口出ししてしまうような環境をつくっています。私も率先して、新しいサービスの情報や市場の情報、ほかのサービスのキャンペーンなどのお得情報を毎日発信しています。特にお得情報の共有はメンバーからの食いつきも良いですね。

バーチャルオフィスSlackチャンネルでのコミュニケーションの様子
バーチャルオフィスSlackチャンネルでのコミュニケーションの様子

さらに、私が参加している会議は資料など含めて、ほぼリアルタイムで共有しています。そうすることで、それを見たチームメンバーが「こうじゃないですかね?」「これはどうですか?」とすぐに良いアドバイスをしてくれます。会話のなかでアイデアの共創が起きるのは、とても今っぽい働き方だなと感じています。このようにオンライン上で、若手・ベテラン関係なく、誰でも自由にコメントができ、ワイワイガヤガヤできる環境は、良いプロダクトづくりには最重要な事項だと思っています。こういったコミュニケーションはこれからもどんどん推進していきたいと思っています!

ー最後にメッセージを。

あらゆるサービスを抱えるLINEヤフーという大規模なフィールドで、コミュニケーション領域の企画に挑戦することは非常に刺激的ですし、飽きない環境だと思っています。まだまだやれることがたくさんありますし、私自身入社して10年近くが経とうとしていますが、いまだに飽きることがありません。これからさらに新しい仲間と新しいアイデアを実現し、ユーザーに価値を提供し続けることが楽しみです。

朝井のポートレートカット

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