常に勝ち続けるために、変化の先駆者となる。マーケティングソリューションカンパニーが描く未来
「Leader’s Voice」では、LINEヤフーの組織やプロダクトにおける、リーダーたちの生の声をお届けします。
LINEヤフーでは「カンパニー制」をとっており、各事業の運営責任者であるカンパニーCEOや、プロダクトに責任を持つプロダクトオーナーなど、さまざまなリーダーが存在します。Leader's Voiceを通じて、組織やプロダクトのビジョンや戦略、そして日々の挑戦について深く掘り下げていく予定です。
第1回は、マーケティングソリューションカンパニー(以下、MSカンパニー)のCEOである池端 由基にインタビューを行いました。 MSカンパニーは、LINEヤフーの販促・広告領域を担い、マネタイズを行う重要な部門です。ディスプレイ広告や検索連動型広告、「LINE公式アカウント」を活用したCRM、そしてDX領域など、多岐にわたるソリューションを提供しています。組織運営に取り組む池端に、組織の現状や今後の展望について話を聞きました。
プロフィール
LTV最大化を目指し、データマーケティングによる革新的ビジネスモデルを創造する
ー 自己紹介をお願いします。
池端 由基です。LINEヤフーのMSカンパニーでカンパニーCEOをしています。 2013年に旧LINEに入社しました。今振り返ると少し恥ずかしい言葉かもしれませんが、大学生時代から「壊したいのは常識、作りたいのも常識」という思いを持っていまして、その考え方は今でも変わっていません。将来的に、「かっこよくなくてもいいから、当たり前になっているものをみんなと一緒につくりたい」という思いがあり、それが入社した理由です。LINEヤフーになったことで、当時掲げていたその目標にさらに近づいていると感じています。
ー LINEヤフーのマーケティングソリューションカンパニーはどのような組織なのでしょうか。
MSカンパニーは、ディスプレイ広告や検索連動型広告、「LINE公式アカウント」を活用したCRM、そしてDX領域など、BtoB向けに幅広いソリューションを提供する組織です。私たちの目標は、顧客のライフタイムバリュー(生涯顧客価値 以下、LTV)を最大化すること。そのために、広告主や広告代理店と密接に連携し、セールスのみならず事業全体の成長を目指しています。
2023年10月には、異なる得意領域を持つLINEとヤフーが合併し、LINEヤフーとして新たなスタートを切りました。LINEヤフーになってからのMSカンパニーは、ミッションステートメントとして「Play & Grow W!th YOU -○○○と共にビジネスを盛り上げ、ユーザーを楽しませながら成長しよう-」を掲げています。この「W!th」には、LINEヤフーのミッションでも掲げている「WOW」や「!」の要素が含まれており、ユーザー、クライアント、パートナーなど、誰かがいて初めて成り立つ「with」の精神を大切にしています。驚きと感動を生み出すことを目指し、ともに成長していくメッセージが込められています。
旧ヤフーは「Yahoo!検索」の豊富なデータを活用したデータマーケティングに強みがありました。検索データをもとにした戦略的なアプローチにより、購買行動まで繋げるマーケティングが得意です。一方、旧LINEは「LINE公式アカウント」を起点とした「LINEミニアプリ」などのモバイルオーダーや会員証機能を通じて、オフラインの接点を持ちながらユーザーを獲得することに強みを持っていました。
私たちがいま目指しているのは、両者のプロダクトの強みを生かした「Connect One構想」です。これは、「LINE公式アカウント」を中心に、広告宣伝、集客・販促、DX・CX、CRMの全ての領域を網羅するマーケティング基盤を広告主や広告代理店に提供することを目指す構想です。
また、MSカンパニーのプロダクトは日本国内だけでなく、タイや台湾の海外マーケットにも進出しており、グローバルな組織運営を行っています。今後は特にデータソリューションの成長に注力していくフェーズに入り、より高度なデータマーケティングを展開していく予定です。
このように、MSカンパニーは多様なソリューションを提供し、データに基づく戦略的なマーケティングを武器に、ユーザーやクライアント、パートナーとともに驚きと感動を創り出しながら、ビジネスを盛り上げていくことを目指しています。
ー マーケティングソリューションカンパニーで働くことの最大の挑戦はなんですか。
最大の挑戦は、「常に勝ち続ける状態をつくり出すこと」です。MSカンパニーのビジネスは、多くのユーザーとクライアントを引き寄せ、マッチングさせること。これまでIT業界が成長し続けてきたのは、あらゆるサービスとユーザーがマッチングし、そこから多くのプロダクトが生まれ、最大化し続けていたからです。
しかし、広告市場はユーザーの頭打ちや人口減少の影響を受けています。成長途中だった多くのIT企業も成熟し、昨今新規ユーザーの獲得はますます難しくなっています。これからは、1回あたりのマネタイズをどう増やしていくか、どう単価を上げていくかが重要な課題となります。つまり、新規獲得モデルからLTVに切り替える動きが必要なのです。
こうしたビジネスモデルの変化は、世の中でも重要視されてきましたが、多くの企業はその必要性を実感していませんでした。しかし、社会も変わり、LTVの必要性を実感するサービスや企業は増えています。これまで実現できるプラットフォームがなかったなかで、MSカンパニーは新しいビジネスモデルやマーケティングモデルの概念を作り出し、さらに成長するための土台を築こうとしています。
この挑戦は、新しいマーケティングの概念をつくり出すことを意味し、その成功や失敗はまだ未知数です。しかし、この挑戦の渦中にいることで、業界内でのゲームチェンジを肌で感じられ、変化の先駆者となることができます。これがMSカンパニーで働く最大の挑戦であり、最大の価値だと私は考えています。
ー では、LINEヤフーのマーケティングソリューションカンパニーだからできることはなんですか。
圧倒的なデータ量を活用した消費者理解と、それにもとづく新しい価値の創造です。LINEヤフーはバリューのひとつに「ユーザーファースト」を掲げ、ユーザーを最も理解できる企業であり続けることを目指しています。
私は、ユーザーである消費者・生活者をもっとも理解できる企業こそが、次の消費を得られると確信しています。LTVを最大化するためには、ユーザーの行動やニーズを深く理解することが不可欠です。そのため、データは極めて重要な要素となります。LINEヤフーは膨大なデータを保持しており、このデータを活用することで、ほかにはできない独自のソリューションを提供できるのです。
さらに、LINEヤフーはプラットフォーマーとして、日常的にユーザーと接点を持つ環境を整えています。LTVを最大化するためには、日常的にユーザーが行動する場所に存在し、ユーザーが使うサービスを把握していることが重要です。だからこそ、プラットフォーマー企業であることは大きな強みとなります。
このような強みを活かし、MSカンパニーは変化の中で新しいビジネスモデルやマーケティングモデルをつくり上げる可能性に溢れています。私たちは、消費者の行動データをもとにした深いインサイトを活用し、ユーザーファーストの視点から新しい価値を創造することで、次の消費を得るための革新的なソリューションを提供し続けています。
膨大なデータを駆使し、消費者理解を深め、日常的にユーザーと接点を持ちながら、新しいマーケティングの概念を創り出す。この強みを生かし、私たちは業界内でのゲームチェンジャーとなり、マーケティングの未来を切り拓いていこうとしています。
「当事者意識」ではなく「当事者」として、変化を恐れず挑戦し続ける。
ー メンバーの挑戦や成長を促進するために組織として工夫していることはなんですか。
メンバーが成長するためには「挑戦の総数を増やすこと」が大切です。そのためにまず、組織のカルチャーとして成長のために挑戦し続けることをよしとする空気感がつくられている必要があります。組織のカルチャーはメンバー一人ひとりの日々の行動から生まれ、つくり上げられていくもの。したがって、挑戦の場を提供することは非常に重要であり、常に何ができるかを考えています。
挑戦の総数は既存事業を成長させるだけでは増えていきません。そこで、MSカンパニーとしては新規事業領域への挑戦を積極的に推進しています。私自身がカンパニーCEOとして挑戦することで、メンバーへの挑戦の機会も増やそうとしています。
具体的な事例として、若手やベテランを問わず、新規事業のプレゼンテーションを行い、それが単なる提案で終わらないように、投資委員会を設けてボトムアップで提案できる機会を設計しています。また、メンバー同士で挑戦を讃え合えるような文化や制度も必要と考えています。挑戦した人をちゃんと伝えることをセットで仕組み化し、挑戦を奨励する環境を整えています。現在、制度を含め、幅広く成長促進の取り組みを進めている最中です。これらの取り組みを通じて、メンバーが挑戦しやすい環境を整え、成長の促進を目指しています。
とはいえ、一番大事なのは自分自身がどれだけ挑戦しているか、挑戦しようとしているかどうかを見せること。メンバーが新しいことを始めるときには、私も一緒に飛び込んでいくスタンスで、メンバーの心理的安全性も担保したいと考えています。
私個人としても「マネジメント要項」として、リーダーとして大事にしていることを記録しています。そのなかで、毎年自分自身に問いかけていることが3つあります。
まず一つ目は、「自分以上のキャリアを仲間に提供できるかどうか」です。私自身運やタイミングが重なって今のポジションにいるわけですが、リーダーとして自分以上のキャリアを仲間に提供できるかを常に考えています。
二つ目は、「引き継いだ人がその先勝てる状態をつくれているかどうか」です。今勝つことは自分の責任ですが、その先を見据えて、次のリーダーが勝てる状態を作ることが重要だと考えています。
最後に、「自分がいたからこそ出せた成果は何か」。役職が上がるにつれて、成果が自分ではなくほかのメンバーによるものだと言われることも多くなりますが、それでは本質ではありません。自分自身がいたからこそ出せた成果は何かを常に問いかけています。
ーマーケティングソリューションカンパニーの良いところを教えてください。
LINEヤフーになってから組織が融合し、MSカンパニーは約3,000名の規模になりました。年齢層も比較的若く、前向きで勢いのある組織となっています。若いエネルギーと新しいアイデアが絶えず生まれ、常にチャレンジ精神に溢れた組織です。
また、KPIとして売上を重視しており、全員が売上をつくり出すことにコミットしています。これは、メンバーが自分たちのやりたいことを実現するため、そして社会やユーザーに対するプレゼンスを守るために大きな責任を持っていることを意味します。そのため、職種を問わずメンバーの責任感とコミット意識が非常に強いです。
このような環境では、メンバー一人ひとりが自分の役割を理解し、高い目標に向かって努力する姿勢が求められます。それが、組織全体の成長と成功に繋がっているように思います。
さらに、旧ヤフーと旧LINEが持っていたリソースと知見を活用することで、ほかにはできない独自のソリューションを提供できます。これにより、メンバーも多様な経験を積め、スキルやキャリアを大きく成長させられるようなそ相乗効果が生まれているように思います。
ーマーケティングソリューションカンパニーで働く人に期待していることはなんですか。
働く人に期待しているのは、「変化を起こせる人であること」です。成長とは挑戦をし続けた対価であり、メンバーにはたくさん行動し、たくさん挑戦してほしいと考えています。
経験の総数を増やすことは非常に重要です。私は「幅広い経験ができる環境」をつくりたいと思っています。経験の総数を増やすために、「当事者意識を持つのではなく、実際に当事者として行動してほしい」とよく言っています。そのための機会はたくさん用意しますが、手を挙げて挑戦するかどうかは自分次第です。だからこそ、多くの経験を積んでほしいと願っています。
当事者になり挑戦することで、失敗しようが成功しようが、どんな内容でも確実に経験の総数は増え、それが力になります。一歩進んで当事者になることをメンバーに期待していますし、私自身もそうあり続けたいと思っています。
MSカンパニーでは、新しいビジネスモデルやマーケティングモデルの創造に挑戦する機会が豊富にあります。変化の中で新しい価値を生み出し、業界内でのゲームチェンジャーとなるためには、メンバー一人ひとりが当事者として行動し、挑戦を続けることが必要です。
このように、働く人には、変化を恐れず、挑戦し続ける姿勢を持ってほしいと期待しています。多くの経験を積み、成長を実感しながら、共に新しい価値を創り出していきましょう。
※データの活用にはユーザーの許諾が必須となります。
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