まどろみサンドイッチ|ショートショート
エレインは、短期留学で我が家にやって来た女の子だ。彼女がやってくる前に、えれいん、という名前の響きだけで想像していたのとは違って、金髪でもなければそばかすだらけでもなかった。それでもわたしよりよほど高い身長で上の方から発声される英語は、わたしに非日常を連れてくるに充分だった。
「エレイン? 何してるの?」
ある日曜日の朝、キッチンの物音に気付いて声をかけたのはわたしだった。システムキッチンをがちゃがちゃといじっていたエレインは機敏な動きでぱっと顔を上げて、悪びれずに言