見出し画像

自律神経のお話【コンディショニング小咄】

自律神経のこと、考えて生きてますか?

もちろん日常的にそんなに意識するものではないでしょうし、意識のし過ぎがストレスになって自律神経のバランスを崩ししてまうなってことがあっても仕方ないわけですが、、、

今回は特に、クールダウンと自律神経という部分を考えてみたいと思います。





自律神経とはなんぞや?

中学校の理科、で習うかと思ったら、高校の生物からなんですね、自律神経って😅

なのでもしかすると生物を選択しなかった方は自律神経というものが何なのかイマイチよくわからんという方も多いかもしれないのでまずはざっくり解説します。


人間の身体の神経系組織は大きく分けて上記のようになります。


まずは身体の中枢組織として機能する脳・脊髄による「中枢神経」

中枢からの命令を身体各部位に伝達したり、逆に感覚器官から受け取った刺激を中枢へ伝達するために全身に張り巡らされた「末梢神経」

とに分けられます。


その末梢神経も、主に筋肉や皮膚とつながる求心性の「感覚神経」と遠心性の「運動神経」(まとめて「体性神経」と呼びます)

「自律神経」

に分けられます。

そしてその自律神経は更に「交感神経」と「副交感神経」に分けられるというのが機能的な分類になります。



体性神経と自律神経がどう違うのかというと、非常にざっくりまとめると、体性神経は自らの意思で動かせる刺激・命令の伝達を担い、自律神経は主に自らの意思でコントロールするものではない部分での伝達を範囲とするという点が一番の違いになります。


どういうことかというと、例えば

"石がゴロゴロした河原を歩く時に足底のアンバランスな感覚を脳へ伝えることで、慎重に接地やバランス動作をしながら歩くよう動作を調節する"

といった部分の、自分の意思でコントロールができる部分の伝達を担うのが体性感覚になります。


同じケースの中で、

"不安定なところを歩くので緊張して心拍数が上がり、普通に歩くよりも汗をかいた"

といった、いわば「自分の意思はほとんど関係なく身体が勝手に反応をする、という部分を担うのが自律神経ということになります。



交感神経と副交感神経

では、交感神経と副交感神経それぞれが司る反応=それぞれが優位になった際にどういった反応が表れるのか、具体的には下記のような反応が見られます。

《交感神経》
血管の収縮/心拍数増加/消化器系の活動低下/膀胱の弛緩/瞳孔の拡大/気管支拡張/吸気優位/発汗量の増加 など

《副交感神経》
血管の拡張/心拍数低下/消化器系の活動促進/膀胱の収縮/瞳孔の収縮/気管支収縮/呼気優位/発汗量の低下 など


上記を見てみると、緊張していたり活動的だったり、ポジティブな気持ちの時に交感神経が優位になっているということがわかります。

逆にリラックスしていたり少しダラダラとしていたり、ネガティブな気持ちでいる時というのは副交感神経が優位になっているということが分かりますよね。


ですが逆に、自律神経のはたらきと身体の反応というのは

「交感神経/副交感神経が優位だから↑のような反応が起きる」

ということも言える反面、

「↑のような反応を起こす(活動をする)ことで交感神経/副交感神経を優位にする」

ということも出来るんです。


例えば、

”休日の朝起きてからしばらく怠くて何もしたくなかったが、このままじゃ一日がもったいないと思って軽くjogをしたら何だかシャキッとして、そのまま部屋の片付け、掃除もしておまけにずっと気になっていた網戸の掃除までしてしまった”

みたいなこと、ないですか?笑

これは副交感神経が圧倒的に優位だったところから少し息の上がるような、血管が拡張するような運動をすることによって交感神経が優位になったことでマインドもポジティブになり、結果的に色々出来てしまったというよくある話かと思います。


逆に

”今日は休日で天気も良いから普段できないことを色々やろう!と思っていたところに上司から週明けの面倒な案件について更に面倒になりそうだという連絡が入り、ものすごく憂鬱になってため息ばかりついていたらなんだかダルくなってやりたかったことの50%くらいしか消化できなかった"

みたいなことも、もしかしたらあるかもしれません。


そんな風に、一般的には自律神経は、意思が入らない反応を担うという風に言われるものの、かなりの部分でメンタルとリンクしているということも分かるかと思います。

あとは、

”緊張していたけれど深呼吸をしたら少し落ち着いて心拍数が下がってパフォーマンスが上がった”

みたいなことも自律神経の作用を利用した覚醒水準のコントロールですね。



クールダウンと自律神経

話は変わってスポーツ活動でのクールダウンの話です。

クールダウンって、皆さんは何のためにどんなことをしますか?

「緩いjogをする」「ストレッチをする」「何もしない」

など、人によって様々かと思います。


科学的にもクールダウンというのはまだまだ正解の無い領域であり、今から書く内容も100%正しいと言い切れるものでは無いとは思いますが、少し自分自身のことを思い返しながら読んでいただきたいと思います。


個人的にクールダウンで一番大事なのは

「スイッチを切る」

ということでは無いかと考えています。


例えば、強度の高い練習をした日や試合のあった日に寝つきが悪くなったりすることはありませんか?

これは交感神経が優位になり、リラックスしきれず覚醒水準が普段より高いために起きることだと考えられます。

そうすると睡眠時間が少なくなったり中途覚醒をしてしまいそのまま寝付けなくなってしまったりして、思うような回復が出来なくなってしまいますよね。


そんな状態を回避するためにクールダウンを行い、「これで運動は終わりだからもうリラックスモードに入っていいんだよ」という合図を身体に対して送ってあげることが大切です。


そのために出来る代表的なクールダウンが、「主運動と同じ動きをごく低強度で行う」ことと「スタティックストレッチ」ということになります。


特に今回はスタティックストレッチについて考えてみたいと思いますが、スタティックストレッチ=反動をつけずにゆっくり伸ばすストレッチのことですね。


この、「ゆっくり伸ばす」という部分がミソで、伸ばそう伸ばそうと頑張らず、深呼吸をしながら季節の風を感じながら、「気持ちいいなぁ〜」と呟きながら最高のリラックスタイムを作り出す、というのが最強のクールダウンなんじゃ無いかと思うんです笑


交感神経優位な戦闘体制を解いて、副交感神経のスイッチを入れることでニュートラルやや副交感神経寄りのバランスにし、最高の回復を得るための体内環境を作り出すための時間。


それこそが明日の練習のためのウォーミングアップ=練習後のクールダウンとして必要な要素なのではないかと私は考えています!


だから是非、一つ一つのストレッチを丁寧に、サッと終わらせたりぺちゃくちゃ喋りながらではなく、座ったり寝っ転がったりのリラックスした体勢で出来るやり方で、温泉にでも浸かっているかのような気分で究極のクールダウンタイムを楽しんでください!笑


そんなスタティックストレッチをコンディショニングデータベースで少しずつ更新中です💡


今後どんどん増やして行きますのでお楽しみに!



すがわらこうよう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?