施設の子どもは、結局、親を求める

こんにちは、ヨウです。


今回は、施設の子どもの心情を、私の経験をもとに書いていきたいと思います。

※すべてが真実ではありません。この記事は、あくまで実体験を基にした、1つの見解ですので、参考程度のお読みください。


児童養護施設の子どもの特徴

上の記事の内容から、子どもは、

・大人を試す行動をする

・低学力

・発達障害

・愛着障害

という性質を持った傾向があります。

当然、環境がそうしているものもあるし、先天的なものから虐待を受けたりする子も多いのです。ただ、あくまで傾向なので、一概に「絶対そうだ!」とは言えませんので、そこを踏まえて、以下を読んでいただければ幸いです。


小学生の時に虐待で措置されたD君

D君には母親がおらず、父親に暴力や放置などの虐待をされて、家でまともに養育されていませんでした。親族はいたものの、誰も引き取ってくれず、弟と共に施設に措置されたそうです。

コミュ力高く、友達も多く、弟想いで良い子です。今は結婚して子どももいて、仕事も熱心にしています。端から見れば、人生楽しそうに生きています。

D君は、親に放置され、いわば「捨てられた子ども」でした。それにも関わらず、結婚式に親を呼び、親が病気で亡くなった時も、喪主として懸命に働き、命日には律儀に墓参りもしているようです。


施設時代、父親に対してどう思っているか聞いたとき、

「一応、親父だもんな~。やっぱ大切にしないと、って思う。」

と言っていたのです。ひどい虐待を受けていたのにも関わらず、です。



虐待を受けても、「親元に帰りたい」

児相で働いていた時、母の交際相手から身体的虐待を受け、その上、性的虐待の疑いまであった女の子がいました。子どもは、何度面接をしても「叩かれた」「殴られた」という言葉は出ていました。(性的なことをされた、という発言はありませんでしたが、心理士が「気になる言動がある」と言っていました。)

しかし、母はそれを受け止めたものの、交際相手との関係を切ることができずにいました。

その子に、その事実を伝えなければなりませんでした。慎重に言葉を選んで、伝えたところ、少し考えて、その子は

「お母さんのところに帰りたい」

と言いました。その後再度同じ虐待をしない確証はなかったことも、母親のもとで暮らすことが、本人のためにならないことを伝えました。それでも、この子は、帰宅を希望したのです。

この状況を会議に諮った結果、パートナーに、虐待をしないように誓約書を書かせて指導をした後、家庭引き取りという処遇になりました。

その後、関係機関に問い合わせをしても、虐待を受けているような様子を聞くことができず、経過観察中の時に、私は職場を離れました。


親に愛を求めるのは、子どものサガ

私自身は、両親ともに、嫌いです。施設に入れられたことではなく、両親が「当時、私達兄妹のことを考えていなかった」ことを知っているからです。

でも、定期的に連絡がきます。それには、お互いの関係を崩さないように、きちんと対応しています。「ウザいから連絡してくるな!」「縁を切る!」と言えば終わる話なんですが、なぜかそれができずにいます。

私は、「親がいる」という事実を残したいだけなのかもしれません。「親がいない」という、一般的ではない環境で育ったことを伝えることで、周囲に気を遣わせたりすることを避けているのかもしれません。自分が普通の人間であることをアピールしたいのかもしれません。

なぜ私が親子の関係を続けているのか、自分の心に問いただしても、真意は分かりません。しかし、「親子の関係」というのは、ある種呪縛のようなものがあるな、と痛感しています。しかし、子どもが親を求める因果関係について、ロジックを組み立てるのは、学者やその道のプロに任せておくことにします。私が考えると、個人の見解が強く反映されてしまうので。


理屈ではなく、子どもは、親を求める。こういうことは、長い人類の歴史で、生れた瞬間からインストールされた機能なんだと、自分に言い聞かせて、今日もせっせと生きていこうと思います。



今日は、この辺で。

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