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ゲシュタルト心理学をゲームに応用?

完璧なビデオゲームデザインのための心理学にヒントを得た7つのヒント

ゲシュタルト心理学の6つの原則をゲームに当てはめた記事があった。
この記事は興味があれば参考にしてもらえれば良いが、そもそもゲシュタルト心理学についてはゲシュタルト崩壊ぐらいしか知らなかったので調べてみる。※自分なりの解釈です


ゲシュタルト崩壊の認識?

文字や図形を最初に見た時は何か分かったけど、ずーっと見ているとなんだかよく分からなくなってしまう現象とぼんやり理解。
そこから転じて問題に取り組んでいると、最初は何をすべきか何が問題かが分かっているけど、だんだん、何が何だか分からなくなってしまう時にゲシュタルト崩壊したみたいに使うという認識。

ゲシュタルト崩壊中

ゲシュタルトの6つの法則?

ゲシュタルトの法則は人間の認知に関する法則で6つあるらしい。

近接

距離の近いものは同じグループだと認識される
〇〇  〇〇  〇〇

類同

色や形、大きさが似ているものは、同じグループだと認識されやすい
▢■■▢■■▢▢■■■▢▢■■▢▢■
黒い四角と白い四角が交互に並んでいるようにみえ、白黒のペアが並んでいるとは認識されずらい。

連続

なめらかな曲線として連続しているものは1つとして見られる?
人は物を認識する時「連続性」を見出そうとする?
人は図形をつながった物として判断しやすい?
※それぞれ意味は分かるが、全てが微妙に違っているように思えるゲシュタルト崩壊中。
下のように円が重なったものは、2つの円が重なった図であり、2つの三日月とラグビーボールという3つの図形という認識にはなりずらい。
直線が交差したものは、2つの直線が交差しているという認識で、4本の線が真ん中の1点で接しているとかにはなりにくい。

連続の説明

閉合

互いに閉じ合っている者同士はひとまとまりになりやすい。
)( )(    」「 」「    】【 】【 
上の場合、()「」【】やの内側がグループと認識しやすい。

共通運命

同じ方向に向いているものは同じグループだと判断される
この法則は近接や類同より強く働く
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図と地

・面積
 面積が小さいものが図、大きいものが背景として認識される
 下の図のように〇や△が図に見えて、それ以外が背景に見える
・対象性
 対称な図形は閉じた構造だと認識される
 真ん中の図のように、白い部分は、そういう図形に見える。
 これは、ルビンの杯と呼ばれる「左右の二つの顔」と「真ん中の杯」見る人によって図か背景どちらに見えるか変わってしまう原因にもなる

図と地

ゲシュタルトに関連した経験則

ゲシュタルトの法則は、普通に使っていることに心理学の意味づけをしてくれるという意味では、人に説明する時に、説得力を持たせられるので有効に使えると思う。

例:ゲーム画面での認識順と時間の概念

ゲーム画面では以下の順番で認識する
①動いている物や光っている物
②大きい物
③色
④形

①動いている物や光っている物

ゲシュタルトの法則では静止画の説明になっているが、ゲーム画面や現実世界では時間の概念があるので、動きや光が最も最初に注意を引くものになっている。
理由は、動いている物や光っている物は危険性が高いからだ。

②大きい物

次に動いている物の中で「大きいもの」が警戒すべきものになり、敵の大きさを変えることで、より警戒すべき敵、より強い敵という記号を与えている。
ゲシュタルトでは、動かない大きいものは「地面」や「建物」などの「背景」として認識される。

③色

次に色。
色にはイメージがあって、火水木などの属性を感じさせる記号だったり、敵が赤、自分が青、味方も青か緑などの記号。
ゲシュタルトでは、同じ色のものは、同じグループに所属するように見える

④形

動いている物の中では、形は最も認識しづらい。特にゲームでは形(ポーズ)を変えながら動くことが多いので、元の形状(キャラデザイン)はシンプルに記号化されたものの方が覚えやすい。子供でも似顔絵がかけるデザインの方が長生きする。
ゲシュタルトでは、同じ形の物は、同じグループに所属するように見えるので、このことを使って、ボスや手下のザコを同じような形にしたり、エフェクトの形に統一感を持たせるとヒットマークなのかガードマークなのかを伝えやすくなる。

例:敵味方の識別

弾幕シューティングなどで、敵味方の識別が良く分からなくなる。
これも、ゲシュタルトの法則を利用して原因を特定し解決できるかもしれない。

「共通運命」による問題は解消しずらい

同じ方向に進むものは、同じグループだと認識されてしまうというのが、近接や同類よりも認識に大きく働く。
弾幕シューターとか大軍団による戦闘時には、弾や敵味方が色んな方向に入り乱れているので敵の弾なのか自分の弾なのか味方の弾なのか分からなくなってしまう。
問題を解決するには、数を減らすか、敵味方で方向を統一するかになる。
ただ、多くの場合、数を減らしたり移動方向を一方向にまとめることはできないので、別の問題で解決することになる。

「光」を使って区別する

共同運命が「動き」を意味するなら、色の変化で区別する方法がある。
キャラや弾の輪郭を、「敵は赤く光る」「自分は青く光る」「味方は光らない」などで区別する方法がある。

「類同」を使って大きさや色を変える

より危険度を増す敵の弾を大きく、敵の弾の色を赤に統一、自分の弾は普通で青に統一、敵の弾は小さく緑色に統一するなどで分かりやすくする。種類は「形」で変える。
この場合は炎や氷のエフェクトも色が使えなくなるので、形でわけることになる。

同じグループを表すルールの統一が必要

いずれにしても、同じグループを表すためにはルールの統一が必要。
これを疎かにすると、うまく伝わらなくて認識誤認が起こってしまうというのがゲシュタルトの法則の理念だと思う。

逆にルールに不均衡を与えてパズルや攻略させる

一定の法則は次も同じ手法で解けるという錯覚を起こさせやすい。
「近接」「類同」「連続」「閉合」「共通運命」「図と地」のルールに乗っ取った上で、少し違うルールを織り交ぜると、新しいパズルやボス攻略が作れる。
同じパターンで攻撃してくるボスの攻撃に、少し別の攻撃分岐パターンを入れるだけで難易度を上げられるし、謎解きではルールの中に小さなルール違反を入れることでミスリードさせることができる。
ゲシュタルトの法則やその他の心理テクニックを理解した上で、意図的にルール化した上で、少しのルール違反を混ぜるという作り方もできる。

ゲシュタルトの法則はデザインだけではなく心理やゲーム設計にも使える

心理テクニックへの応用

ゲシュタルトの法則は、UIやキャラ、背景、アウトゲームなどの「デザイン」に応用することができるが、元々心理学だけあって、心理テクニックにも応用できる。
例えば、手品で右手を客の目の前(近接)でヒラヒラさせている間(共通運命)に、左手で次のタネを仕込んだり、会議で事前に議題を設定して(図と地)、問題を切り分けるなど。
色んな問題を考えすぎて混乱してゲシュタルト崩壊を犯している時は、問題をシンプルにグループ化するとか使える。

ゲーム設計への応用

ゲーム設計でも、似たゲームを「類同」でグループ化することによって構造を理解した上で、一部を入れ替えたり、組み合わせることで設計することが可能。
パックマンやラリーXなどを「ドットイート系」としたのをはじめ、「ソウル系」「メトロヴァニア系」「サンドボックス系」など色々グループ化されている。そこに「サンドボックス」で「ソウル」をするとかで新しいジャンルのタネが仕込める。
その他にも、ゲーム構造を分析することで、たくさんのノウハウを手に入れ、要素を取り入れたり、入れ替えたり、足したりすることが可能になる。

他の理論もゲームの転用や説得力を増すことが可能

マズロー心理学や孫氏の兵法、本能と快楽など、過去の学問と合わせて説明することで、企画説明の説得力を増すことができる。
気が向いたら自分の理解を深めるためにメモしておこう。


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